晩秋~初冬の伊勢志摩ロックショア

辻 晴仁

三重県在住 某水族館魚類飼育員。アジング、メバリングからオフショアまでソルトルアーゲームを展開しています。 釣果報告や魚類生態解説→https://www.fishing-aquarium.com

寒気が一気に入り気温が下がった晩秋の伊勢志摩地方ですが、海水温はまだまだ高く、トウゴロウイワシ接岸に伴って盛り上がっております。


ポイントは前回投稿内のヒラスズキ狙いのサラシの中でリングを飛ばされた同じ磯へエントリーしてみました。大型のヒラスズキだった可能性が高いのでそれを確かめるためです。


暗いうちからエントリーしましたが波の感じがわからないうちに入るのは危ないので少し我慢します。磯の稜線がぼんやりと見えてきたタイミングで波の確認をします。サラシ良好、波高は心配するほどでない、と言うことで降り立ちます。一投目を入れようかと波間を見るといきなりボイル発生です。ヒラスズキが食うより先に青物だろうなと投げ入れるとイージーにヒットします。サイズはおそらく70クラスです。ドラグを掛けながら魚の泳ぐ方向を確認してゴリゴリと寄せます。あとは波に合わせながら無事ランディングとなりました。ルアーはサラナ125fでした。

青物のナブラが暗い中でも発生したのでこれは青物祭りになるかな?と思いましたがなんとその青物は一瞬で姿を消してしまいました。なんとなく今日はコレだけの朝なのか?という雰囲気が漂いますが、各サラシを打っていくことにします。無駄打ちはしない。波のタイミングを見計らってルアー投入、など基本を守りながらシモリ、磯際を転々と打っていきますがからっきしです。


最後に磯の先端、ここは先端に離れたところに海底から一気に隆起する岩があります。左右両方にサラシが出るのでまずは右側から打ちます。サラシの外側から数投に分けて丁寧に中へ中へトレースコースを変えますがここも皆無です。次は左側。左側は払い出す潮が強いので緩んだタイミングで沖に着水させて、磯際へ入れてきます。出るなら一投目だろうとサラナ110f をゆっくりゆっくりと中へ入れてきます。これ以上引くとルアーが岩に乗ってしまう。そんなところでガツ!っとぶっ叩かれた様なバイトが出ました。フッキングを一つ入れてから耐えていると魚が真下へ突っ込みます。スリットの角度がキツすぎるのでベールをオープンして、オープンサイドでファイト出来る立ち位置へ走ります。なんとか回り込んでロッドを聞くと生命感と魚が動いたライン角度が見えました。良かったバレていない。ただこれ以上突っ込まれるとこちら側でもスレる可能性があるので一気に引き剥がします。際まで寄せると魚が飛びます。大型です。ヒラスズキか?!と思うのですが魚が赤黒い。なんと魚はマダイでした。

思い返すと前回リングを伸ばされた魚と同じようなポイントで同じような引きでしたのでもしかしたらマダイだったのかもしれません。何はともあれリベンジできて嬉しい限りです。


そしてまた別日。今シーズン伊勢志摩地方の海域は広く見てきましたが、本当にどこもトウゴロウイワシがいっぱいで、どこでもナブラが立つ条件が整っていました。どこにエントリーしようか迷いましたが、1 人でゆっくりと海が観察できる磯にエントリーしました。時間帯は15時ごろです。この時期は日没が早いので15時頃から夕方という位置付けで考えています。


海面を見ると小型のトウゴロウイワシがたくさん見えます。マズメでヒラスズキが乱舞しないか?と作戦を練ります。ところが時間が経てどもヒラスズキはおろか青物の気配も全くありません。地合いのじの字もないまま時が過ぎて気がつけばもう日没です。同じポイントで粘っていたのですが、時間がもう無いということで磯際をヒラスズキ狙いで移動しながら打っていくことにします。すると何か音がします。もう暗がりで見にくいですが、さっきまで立っていた磯の前で大ナブラが発生しています。急いで戻るとナブラは消えたものの単発のボイルが発生しています。すかさず投げ入れると一撃でヒットします。明らかに大型です。一度寄せますが一瞬の隙を見て魚がスリットに突っ込みます。やばい!と思いながらロッドを送り込んで対応しますが私が転倒しそうになります。なんとか持ち堪えて対応しますが痛恨のフックオフ。なんとフックがグニャグニャに伸ばされていました。明らかな大型個体でした。


まだボイルの音が聞こえるのですかさずルアーを変えて投げ入れると直ぐにヒットします。今度は魚に主導権を渡さずに無事にゲットとなりました。70後半クラスの青物でした。ルアーはパニッシュsw120でした。結局この日はこの一本で終了となりました。釣れて良かったものの一本目がデカそうでしたので悔いの残る釣行となりました。

さて、新しい年が始まり寒波到来で水温が下がり、伊勢志摩の海も冬と言う感じになってきました。余談ですが今年の冬は湾内のアジが多いのでまだ厳寒期とは言えないのでしょうか。


そんな中でも接岸する小魚が多く、毎年恒例のサッパがドカッと大群で押し寄せました。そしてここ数年なのですが、サッパに混じってカタボシイワシという南方の魚ががこちら伊勢志摩でも見られるようになってきました。ここ数年で三重県に北上してきている感じがします。


サッパやカタボシイワシが接岸するとつられて青物も回ってくるはずなのですが、今年は少なくて苦戦しておりました。空振りが続くもベイトが多いのでそれなりの魚が回ってくるだろうと粘っていたある日。


日没間際に微かな水面変化がありました。この時期は基本的に北西風が吹いているのですが、その風による水面のざわつきではなく、捕食魚に追われた時に出来るベイトが動いた水面変化を捉えました。


日没間際の暗がりですが、よく見ると数箇所で出来ている感じです。追っている個体の数はおそらく少ないのでとにかく変化に向かってキャスト回数を増やしていきます。


遠投先でギリギリベイトの固まりに届いたかな?という1投。目視で確認できているベイトの固まりをルアーが通過して、このキャストもダメかと思ったタイミングで目が覚めるようなドン!というバイト。距離にして立ち位置から20m以内です。フッキングを1 発入れてファイト開始です。大型が予想されたので強めに設定しているドラグですが、頭を振るのに合わせてラインが出されます。


距離が近いし、手前はシモリだらけなので無駄に走らせることは禁物です。暴れながらもロッドレングスを生かしてジワジワと浮かせます。


短時間で浮かせたので足元でも魚が走りますが、ドラグを出さずに耐えます。3回の突っ込みに耐えて浮かせてランディングへ入ります。タモ入れが自分でもびっくりするほど一発できまり、無事キャッチとなりました。コンディション最高のブリでした。

ベイトはやはりカタボシイワシでした。サラナ147sr とマッチザベイトですね。

まだまだベイトの豊富な海が続いておりますので今後にも期待したいところです。

RodSmith:プロトロッド
ReelShimano:ツインパワーSW6000hg
Linepe3.0号 leader60lb
LureSmith:サラナ110f 125fパニッシュsw120サラナ147sr