【青物は何処に】
10月末から始動した今季のSALTシーズン。順調に中型青物やヒラメが釣れていたので期待していたが、ここにきて何やら様子がおかしい。11月に入り青物の姿が見えず、反対にマダカ(シーバス)が喰い始めた。年々増加傾向にあるヒラスズキも磯場で狙って釣れるようになった。今季好調か?と思われたサゴシ、サワラはその後沈黙し、オオニベも珍しい魚ではなくなった。
大自然は日々変化を続け、遠州灘とて例外ではないようだ。今季の青物の接岸の遅れはベイトの接岸に起因していると思われる。沖にはしばしば鳥山が現れ、青物らしき大型魚が大きな水柱を上げている。沖には豊富なベイトが居るため岸際に回遊する必要が無いのだろう。この沖のベイトの接岸が今季の遠州灘サーフの釣果を左右することになるのか?
【仲間からのメール】
サーフエリアへのベイトの接岸の遅れで厳しい中、磯周りの釣果はこのところ安定していた。そこで早朝は磯周りを撃ったが何の反応も得られなかった。
すると10時過ぎに仲間から入電。遠浅のサーフエリアにベイトが入ったとのこと。すぐに直行すると小規模な黒いベイトボールが東に向かっていた。
時刻は10時30分。すでに仲間はベイトボールにルアーを打ち込み、中型のマダカを掛けている。満潮までは1時間あまり。日差しは強く、ベイトが少し沈んだ状況のため、頻繁にボイルが続くことはなかった。マダカはベイトの下や周囲の少し深い棚に潜んでいるようだ。
【タックル】
持ち込んだのは磯狙いのタックル。ブローショットボロン BSB-103SF。PE1.5号に40lbのショックリーダーと少しオーバースペック。いつ離岸するかわからないベイトのためにシステムを組み替える心の余裕は無かった。
【ベイト】
ベイトはカタクチと聞いていたがサッパのようで、水面まで突き上げられたという状況ではなかった。そのためシルエットは異なるがバイブを沈める仲間もいたが、私は素直にベイトに合わせミノーで攻めることにした。
意識したのは飛距離よりも棚。圧倒的な飛距離で広く表層を攻めるハルカではなく、潜行深度と水噛みのいいサラナを最初のルアーに選んだ。先行者が直接攻めるベイトボールからは距離をおき、その周囲や沖に潜むマダカを狙ってゆっくりとサラナ125Fのイワシカラーで中層を探っていった。
【デイゲームを楽しむ】
東に向かうベイトの群れを追いながらサラナを打ち込み、沖から波打ち際まで丁寧に引いてくると、最初のあたりの手前のブレクで捕えた。ゆっくりとロッドで掛かり具合を確かめながらフッキングし、そのまま岸に寄せていく。大きな抵抗もなく上がってきたのは45cmの中型のマダカであった。
ベイトボールの下に付いている魚も中型のようで、今日の群れはこのクラスなのか?と思っていた。しかし次に沖目で反応した魚は、強い当たりの後で水面を割ってエラ洗いを始め、大きさが明らかに違っていた。引きも強く、念のため追い合わせを入れると簡単に外れてしまった。この魚で70cmクラスの良型が混じっていることを確信し、キャストに力が入った。
【ルアーローテーション】
ベイトボールを追う仲間の後を追って釣りを続けたが、しばらく反応が得られない時間が続いた。サッパの群れは徐々にマダカに追われて小規模な群れに分かれ、密度は薄れたものの広範囲に広がり始めた。そこで局面を変えようと少し東に先回りし、群れの頭にエントリーすることにした。
サラナ125F イワシカラーにしばらく反応が無かったので、ルアーもパニッシュ120F-SWのカタクチピンクベリーに変えた。散発だったがマダカのボイルが射程距離に入ったこともあり、表層を狙おうと考えたのだ。
パニッシュ120F-SWでベイト付近の表層をしばらく攻めたが、タイミングが噛み合わずマダカのボイルも落ち着いたことからチャンスを逃してしまう。
再び中層狙いに攻略を変え、サラナ125Fのチャートゴールド(CHO)でベイトボールの少し前や沖目、時にはベイトボールの下を丁寧に通したが、これにも反応が無い。
あまりの反応の無さに迷い始め、再びサラナ125Fのイワシカラーに戻し、少し沖目にキャストして数投目。ガツンと強いあたりの後でマダカが大きなエラ洗いとともに喰ってきた。バラシが続いたので慎重にランディングに持ち込む。波打ち際で引き波に乗られ抵抗されたが、無事に寄せてランディング。60cm程のマダカであった。
イワシカラーに変えた後は、波打ち際や沖での当たりは増えた。しかし活性があまり高くないのか?フッキングに至らない時間が続いた。潮の流れが緩み、マダカの活性が下がり始めたのだろう。その後緩んだ潮の中でなんとか岸際で同クラスの魚を追加した。
手早く画像に収め釣りを再開すると、サッパの群れは徐々に岸際から離れ、密度は更に薄くなっていった。
【潮止まりの良型】
夢中で1km以上もベイトボールを追ってきたが、気が付くと潮止まりの時刻を迎えていた。ベイトの進む先にはサンドバーが沖に張り出していた。恐らくこの地形変化を嫌ったベイトは、下げ潮でこちらに戻ってくると判断し、一旦ベイトを見送った。
下げ潮でベイトが折り返すのを待ちながら、ペースダウンの釣りを続けていると、波打ち際で突然魚が喰ってきた。水面に頭を出しエラ洗いを始めたこの魚はまずまずの良型だった。足元で掛けたため魚との距離が近く、まだ弱っていないマダカとの至近距離のファイトはスリリングだった。
波打ち際で暴れる魚をロッドワークでコントロールし、一旦沖に走らせ落ち着かせた。次に打ち寄せる波にタイミングを合わせて頭を岸に向かせて、そのまま一気にランディングに持ち込んだ。
波打ち際で喰わせた良型は、今日一番の70cmのマダカであった。
北西の強風で巻き上げられた砂を浴びながら、素早く画像に収めた。
【振り返り】
残念ながら我々の期待に反してサッパの群れは東に抜けてしまう。ベイトが離れた浜はマダカの反応も薄れ、2時間程楽しんだデイゲームは、ここで終了となった。
今日の釣りを振り返るとサラナ125Fのイワシカラーの反応が圧倒的だった。日中ということもありマダカが沈み気味だったため、中層を探れるサラナが良かったのだろう。仲間もサスペンドタイプのクリア系のミノーを中層に漂わせ、喰わせていたようだ。
カラーはサラナ125Fのイワシとチャートゴールド(CHO)で明らかに反応の違いが見られた。また仲間のカラーもゴースト系に反応が良かったようで、今日はアピールよりもナチュラルカラーが有効だったようだ。改めてルアーローテ-ションの大切さを再認識させられる1日となった。
【これから】
岸に接岸するベイトボールを間近で見たのは今季初であった。やはりベイトの有無は釣果に圧倒的な差が出る。日中に今日のような釣りが楽しめるのは、シーズン中でもそれほど多くない。やはりこの釣りは情報が大変重要なのだ。ベイトが薄い2025シーズンに今日のような貴重なデイゲームの釣りの機会を与えてくれた仲間に感謝のメールを送った。
ようやく12月の中旬になってサーフエリアのあちこちでベイトの接岸と大型のマダカの便りが届くようになってきた。青物の魚影は相変わらず薄いが、散発ながらブリも姿を見せ始めている。冬型の気圧配置が安定し、水温も下がり始めるといよいよ先端地区の釣りは最盛期を迎える筈である。いや、そう願っている。
今季はひと潮遅れていると自分に言い聞かせ、1月中旬までは浜へ通うことになるだろう。
| Rod | スミス ブローショットボロン BSB-103SF |
|---|---|
| Reel | シマノ ツインパワーSW 4000XG |
| Lure | スミス サラナ125F 147MAX 147SR パニッシュ120SW ハルカ125F/S 145F/S 165F/S ルーディッシュ ベイブル90S 90HS サーディンラン 13F/SS |
| Line | ヨツアミ エックスブレイド(X-Braid)スーパー ジグマン X4 1.5号 |
| Shock Leader | バリバス ナイロン 40lb |