2025 遠州灘釣行記

冨安 隆徳

愛知県豊川市在住。ルアーで四季折々の魚を求め釣り歩く、アウトドアが大好きなサラリーマン。主なターゲットは、九頭龍川の桜鱒、天竜川水系遠山川のアマゴ・イワナ等。

【2024秋冬の遠州灘】


 2024の遠州灘は、青物、マダカ(シーバス)が好調であった。ここ数年少なくなかったマダカも11月から好調に推移し、回復しつつあるようだ。
 好調の遠州灘ではあったが、私は釣行スケジュールとベイトの接岸が噛み合わず、思うような結果が出せずに年を越してしまうこととなった。


【2025初釣り】


 このままトラウトシーズンを迎えてしまうのもさすがに寂しかったので、2025年の初釣りはいつものワカサギから伊良湖に行き先を変更し、年始早々の午後からのんびり岬の先端を目指した。
この日の潮回りは大潮後の中潮。午後は未明に比べれ潮位差は少ないけれど、釣りにならない程でもなかった。14時半頃の干潮からの上げ潮のタイミングで、首尾よくベイトが入れば青物やマダカが期待できるだろう。
また日没直後のマダカの回遊も考えられる。そんな釣行イメージを立てながら、道中主要なポイントで鳥やベイトの接岸を確認し、先端のサーフポイントを目指した。


【鳥山】


 まずはサーフエリアを一望できる広大な駐車場に車を止め、広大な海を2人で目を凝らして確認していく。すると東に2kmほどの海の上にやる気のある鳥山を発見した。時折海中に突っ込む姿はベイトフィッシュの存在を予感させ、我々を最寄りの駐車場に向かわせた。

 時刻は14時過ぎ。潮は緩やかに動き始めていた。日没まではあと3時間。状況次第ではナイトゲームの可能性もある。念のためヘッドライトを携え、駆け足で浜に入って行った。


【ベイトボール】


 浜を見下ろす丘から東に目を向けると、岸際にベイトの塊が幾つも見えた。潮は西から東に流れれいたが、ベイトは潮に逆らい東から西に向かって進んでいた。
「もらった」
この時爆釣を予感し、すぐさまベイトの居る浜に駆け寄っていく。だがその期待は裏切られ、周囲の釣り人の竿が曲がることはなかった。鳥は海中に突っ込んでいるが、ボイルや水柱が上がっていない。ターゲットの気配が全くないのだ。高まる気持ちを押し殺し、冷静さを装いながら浜に立った我々は、この悲しい現実に声を失った。
念のためハルカ165~125mmまでサイズを変えながら探り、次にベイブルやドラゴンサラナで様々なレンジを広範囲に探ったが、二人の結論は「フィーッシュイーターが居ない!」ということで一致した。
ベイトは15cm程のサッパのようだが、黒い塊は時間の経過とともに我々の前を通過し、鳥の群れを引き連れ西の彼方に消えて行った。これだけベイトが接岸しているのに反応がないということは時合があっていないのだろう。そう判断し日没直後のマダカの回遊を待つ戦略にシフトしその時を待った。

【小さなあたり】


 程なくして日は西の空に傾き始めた。しかし海に何の変化も起きない。ベイトボールが消えたサーフは波の音だけが聞こえるだけで、先ほどまでの興奮した海鳥が発する鳴き声も今は聞こえてこない。空はオレンジから赤に変わり、そのまま星空へと変わっていった。
光量の低下とともに攻め方も変化させた。視認性を高めるためにナチュラルからゴールド➡パール➡チャートと変え、トリトリーブスピードもよりスローに変え攻めていく。
 そしてハルカ165Sのパールチャートから160Fマットチャートに変え、手前のかけあがりを意識しながらスローリトリ-ブで引き始めめて間もなく、何かがハルカに触れた感触があった。竿を立てゆっくりと合わせを入れると何かが引っ掛かったような感触で、最初は何が起きたのか理解ができなかった。半信半疑で再び合わせを入れると、ようやく生命反応がロッドに伝わってきた。魚に間違いないが正体は判らないままファイトに入っていく。
 充分に合わせが効いているとは思えなかったので、ますは魚が走り出すのを待つことにした。ラインを張ってプレッシャーを掛けると、そこから魚は一気に沖に向かって走りだした。サーフなのでドラグ設定は弱めにしていたこともあり、ラインは勢いよく引き出されていく。今季魚運の無い私には貴重なバイトだ。それも初釣りの魚。無理にドラグを締めることなくこの設定のまま慎重にファイトを続けた。何度か強烈な走りを耐えて、ゆっくりと岸に寄せていく。マダカであれば水面に姿を現す筈だが今のところエラ洗いをする気配もない。なにが掛かったのか?波打ち際のバイトなので大型のヒラメか?波打ち際でブリ?
ありとあらゆる魚種を想定しながら、5分程の丁寧なやりとりでようやく波打ち際まで引き寄せた。打ち寄せる白波の間から蛍光イエローのハルカとともに姿を現したのは、グッドサイズのマダカ。それもミスバイトで顎の後方にルアーが掛かっていた。すぐに駆け寄り、尾鰭の付け根を掴んでランディング。

初釣りでまずまずのマダカを獲ることができた。銀ピカとは言えないまでもサーフシーバスらしい魚。すでに一度産卵をした個体なのか?腹周りの張りが控えめな78cm。
2025年のいいスタートを切ることができた。

【これから】


 この日の夕方、私が釣りをしていたポイントから西に1km程の海岸では、サッパを鰤やマダカが追い上げ、お祭りなったという情報が入ってきた。恐らく我々の目の前に居たベイトボールに、夕マズメでのタイミングでフィッシュイーター達のスイッチが入り、爆釣モードに入ったのだろう。せっかくの初物も少し霞んでしまう情報ではあったが、まだまだ今季の伊良湖は期待できると好意的に受け止め、サクラマスシーズンまでしばらく通ってみたいと思う。次はなんとかお祭りに参加したいものだ。

Rodスミス ブローショットボロン BSB-103SF
Reelシマノ  ツインパワーSW 4000XG
Lureスミス  ハルカ145F/S 165F/S サラナ125F 147MAX  サラナ147SR ベイブル90 90HS   ドラゴンサラナ パニッシュ120SW   サーディンランSS/F ハイパーブレード バスタージャーク120S メタルフォーカス 28g 40g
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