アジエースでアマラバチコン

猪原 亮

高知県在住。ナイロンラインを主体とした独自のスタイルでレコードフィッシュを意識したショアからのキャスティングゲームを展開。

今回は、少し前から西日本の太平洋沿岸各地で話題となっているシロアマダイのアマラバゲームについてレポします。


ここ3年ほどですが、自分は真夏を除いて月1回ほどオフショアの釣りを嗜んでいるのですが、それというのも子供が成長して一緒に釣りに行く機会が増えたためです。


ただ、自分が得意とするショアゲームは、条件が良いときには子供にも魚を釣らせることが出来るのですが、やはり毎年そんなにいい条件が続くわけでもなく、大人でも修行のように感じる厳しい釣りなので、子供に満足してもらうのはなかなか難しいのが現状です。


そこで、少しでも魚からの反応が多いのは?と考えたとき、やはりオフショアへ行くしかない、と。しかもルアーとなれば、小学校2,3年生でも出来る釣りは、あまり沖に行かずに出来るタイラバかな、ということで始めたのがきっかけです。



ちょうどタイミングよく、2022年ごろからでしょうか、近所の海域で20~30㎝台のシロアマダイがよく釣れているという話を聞きつけ、そんな近くで小さいとはいえ、幻のシロアマダイが釣れるのならやってみるしかないでしょう!とトライが始まりました。


トライしてみると、初めてでも30㎝台ですがシロアマダイが数匹釣れ、ほかにもサイドメニューとしてチダイやイトヨリなども釣れることから、これなら子供と一緒に来ても満足してもらえそうだなと感じました。この当時はタイラバ単体で釣りをしていましたが、時たま30㎝を超え、40㎝に迫るようなマアジや600g前後はあろうかというマサバも釣れてくることがあったため、そちらも何とかしてコンスタントに釣れれば、より満足だな、とも感じていたところでした。



とある時、釣友が「タイラバの上に枝ス付けてワーム付けたら、いろんな魚が釣れるよ」と教えてもらい試してみると、まあいろんな魚が釣れること。このメソッドは当時よりも前からネットなどで紹介されていたので、皆さんもご存じかと思います。また、似たものとして、カブラをタイラバの上に1~2個ほど枝スで付ける仕掛けもありますよね?ジグサビキみたいな感じですね。


自分たちは、同じころに流行っていたバチコンと仕掛けの構造的にはほとんど一緒だな、ということでタイラバチコン又はアマラバチコンと言っています(笑)。ただ、実際のバチコンよりは繊細な操作とかはしませんので、バチコンをやっている人からは怒られてしまうかもしれませんね。


さて、そのアマラバチコンに使うワームですが、最初はアジングワーム類を中心に様々なワームを試していたのですが、ふと釣具屋でスミスさんのアジエースを見つけて使ってみると、これがよく釣れたのです。

シロアマダイはもちろんのこと、レンコダイ、ヒレコダイ、キントキダイなどなど、釣りでは激レアなギンカガミなんかも釣れてしまいます。
肝心のアジが釣れてないじゃないか、と思われるかもしれませんが、アジは釣り上げてすぐ針から外れてしまうことが多く、なかなか針付きの魚を撮ることが出来ていませんので、また次回のレポで何とか写真が撮れればと思います(笑)。


もちろん大きなシロアマダイだって釣れます。シロアマダイに限って言えば、タイラバとアジエースに食ってくる割合としては、今のところ半々くらいだと感じています。

なんでこんなにアジエースが釣れるのだろう、と。やはり気になるのは食性ですよね?こちらもシロアマダイに限りますが、胃内容物を見てみると、よく食べているのは1~3㎝のエビ類、シャコ類、カニ類、ハゼ類、ワニギス、ナマコ類、ミミイカ、クモヒトデ、また、少しそれより大きいものでゴカイ類やユムシ類、時たまコウイカやサイウオ(よくタチウオやアジの胃内容物にも見られるタラ目の魚)、エソの幼魚などと、その割合としては圧倒的に小さな生物を食べていることが多いのです。恐らく、周りに居るほかの魚たちも同じようなものを食べているので、一緒に釣れてくるのでしょうね。

では、自分が使っている仕掛けのセッティングですが、これはもう簡単なことで、タイラバの約30㎝程上に枝スをつけて針を結び、ワームを刺すだけです。ネットでも紹介されている通りです。ただ、タイラバを結ぶリーダーと枝スのラインの号数はフロロの6号を使っています。え?!そんなに太いの?と思われるかもしれませんが、自分が通っている海域はエソ類が非常に多く、普通のタイラバで使うリーダーの2号や3号ではスパスパ切られてタイラバやワームを失うばかりだし、それに伴って仕掛けを結び変える時間ばかりが長くなってしまって魚との遭遇機会を逸してしまうからです。


もちろん6号でも、何匹も釣っているとボロボロになってきますので、ライン径の1/3くらいが削れて来たな~と感じたら、枝スを含むタイラバから60㎝くらいを結び変えるようにしています。


また、針は普通のバチコンのようにアジ用のジグヘッドを付けていると、針軸が細いのですぐに伸ばされてしまいます。ですので、自分はコスパ面と頑丈さを考えて、チヌ針の5~6号を使っています。枝スの長さは好みかもしれませんが、自分は短めで、10㎝前後で設定しています。短いほど、アジエースが本線の動きに連動しやすくなりますが、短すぎると今度はバラしやすくなる気がしています。


なんかちょっと仕掛けがゴツ過ぎないか?とも思われるかもしれませんが、大丈夫です。写真のように普通によく釣れます。アジだって普通に釣れます。


では、アクションですが、これも前に書いたようにバチコンのような繊細な操作は必要ありません。基本的にアマラバは海底から5m以内の上下運動で誘いますので、その誘いの中でアジエースが勝手に動いてくれます。プラスαするとすれば、自分は海底からのただ巻きで、5m上げたところで少し止めてチョンチョンと誘いを入れたり、タイラバで海底を叩いた後、少し海底から浮かせ気味でステイさせたりもします。この時も、ステイとはいえ、船は流れてタイラバの位置も動きますので、その水流を受けてアジエースは勝手にヒラヒラ、フルフルと動いてくれます。


ただ、子供に使わせるには単純に上げ下げだけで十分です。この釣り自体が、子供に飽きさせないくらいアタリを取りたいがために取り入れたので、あまり複雑なことはせずに魚が釣れてくれることが理想的です。そういう面でも、アジエースは優秀なワームだなと思っています(マテリアルも硬めなので、そうそう魚に千切られませんしね)。


この釣りのデメリットも一つご紹介しておくと、あまりにもシロアマダイ以外の魚のアタリを拾うので、肝心の本命にたどり着けない、ということもあります。他の魚を釣り上げる間に、シロアマダイのヒットチャンスの逃してしまう負の連鎖に陥ることがたまにありますので、あまりにシロアマダイにたどり着けないなと思うときには、ワームを外してタイラバだけで攻めると良い時があります。


この釣りは、お子さんが初めて船で釣りをするときにはもってこいの方法だと思います。小学生でも手軽に楽しめ、何より多くのアタリを感じて、いろんな魚と出会えるチャンスを作ってくれますし、大きなシロアマダイを釣り上げるチャンスだって十分あります。

ぜひトライしてみてください!