宮崎サーフで追いかけたデイのオオニベゲーム

黒田 響

2020年秋に福岡県より宮崎県に拠点を移動。元々はショアからのメバルプラッギングとシーバス、オフショアでのタイラバゲームとスーパーライトジギングを好むが、宮崎県内でのソルトゲームを模索中。

 私事ですが20年11月に福岡から宮崎の転勤で異動となり、日本海から太平洋の魚釣りとなった訳でございます。ひとえに宮崎と言えどかなり広いですが、宮崎市内へ引っ越しました。30分~1時間でアクセスできる釣り場は河川や地磯、サーフなど。シーバスやフラットフィッシュ、時にはヤズなども回遊してきます。そして何と言っても全国的にも有名なのは冬のオオニベゲームです。タイトルにもあるように宮崎サーフで追いかけたオオニベのキャッチに至る模様をお届け致します。


(朝日に向かってめいっぱいフルキャストすることから1日が始まる。そんな中で掛ける1尾は最高の気分だ。)

 きっかけはヒラスズキを探している最中でした。サーフで釣れるヒラスズキ、通称”砂ヒラ”を狙ってナイトゲームをしていた時です。明るい内に地形を確認し、河口付近のある一帯だけ波が立たず、深くなっているポイントを見つけました。夜の満潮前後で砂ヒラが釣れるかも?とシーバスタックルにハルカ145Fを投げた2投目でした。上がってきたのはまさかのオオニベ。本命ではないですが、さすが宮崎だと思えた1尾にデイゲームで本命に据えて狙ってみようとなった訳です。この時はこれほどまで苦戦するとは…(笑)


(夜の砂ヒラ狙いで突然ヒットしたオオニベ。 ハルカ145Fをブレイクに流した2投目だった。)

 オオニベゲームのパターンとして定番なのはグチやアジ、イワシなどを捕食する為に宮崎サーフに接岸してきます。それらのベイトが溜まりやすい地形や流れを探し当て、オオニベの回遊を待つと言うものです。ただベイトのサイズに合わせてルアーサイズを選ぶのかと言うと異なります。狙いたいポイントに対して地形や流れを加味して効率良くアプローチ出来る事が最優先です。 使用頻度の高い順に挙げていくと、30g前後のメタルジグ、8~14 cmで15~25g前後のシンキングペンシルやミノー系の出番が多く、その他には20~30g程のバイブレーションやジグミノーなどです。


(ベイトとなるグチ。これが回遊してくるとオオニベが接岸してくるというパターンだ。)

 サーフゲーム自体、遠浅で地形変化に乏しいのでポイント選択が非常に難しいです。まずは目で見てはっきりと分かる流れと水の色が濃く見える場所を探します。流れの変化は魚が回遊する可能性がある事。水色が濃い場所は地形が深くなっている可能性がある事。この要素が重複するポイントに加え、上げ潮、下げ潮と朝マズメ、夕マズメが重複する時間帯や潮回りを釣り試していく繰り返しです。日中は可能性を秘めたポイントがないか?足でひたすら稼いで探す作業です。日中でもオオニベが上がっている場面に出くわす事もあるのでチャンスはいつでも転がっているのですが…釣れる場所を探し回った先に初めて掴める情報なので、釣り場を探すのか?竿を振って魚を待つか?は最早、時の運と言う他ないでしょう(笑)


(地形変化に乏しいサーフだからこそ地形や流れに少しの変化があるだけで魚が付いている傾向にある。)

 タックルは9~11ftのシーバスロッドと4000~5000番スピニングリール、ラインはPE1.2~1.5号を300mにリーダー25~30lbが主流です。遠投と竿を立てたラインコントロールで遠浅の地形を効率良く釣りが出来る事、魚を掛けた際に走られた場合でも踏ん張れる糸巻量が目安となってきます。青物タックルと似たスペックですが、一日釣りが出来る事と手返しの回数を考慮するとシーバスタックルが快適な印象です。


 オオニベを狙うにあたってポイント選定やタックルセレクトやタイミングを書かせて頂きましたが…はっきりと言います…言わせてください…この釣りは如何に心が折れず、釣り場に通いまくれるかが最重要のメソッドです(笑)11月後半~1月いっぱいまでがハイシーズンですが、宮崎サーフで幾人と立ち並ぶアングラーがいて50本も上がってないかと思います。※そのシーズン毎に好調不調はあるので一概には言えません。あくまでも個人の感想です。一日投げ続けて帰ろうと引き上げたら後の話で釣れていたり、ポイント移動しなかったら自分にヒットしていたかもと思える場面や真隣のアングラーにヒットすることが立て続いたり。寒くて布団から出られず、サボってしまうなんて事も(笑)


(波間から魚体が見える。寄せるタイミングを待ち、キャッチした瞬間は嬉しさより安堵が大きい思い出の魚となった。)

 12月~1月いっぱいにかけてはサーフのオオニベを追い求め、3シーズン目にてようやくメーターオーバーである105cmの本命を手にする事が叶いました。その時の様子は上げ潮の朝マズメ。50~60m先のブレイクラインをアプローチするのにウォブリン30gをフルキャスト。ハンドル操作によるボトムでのリフト&フォールでヒットとなりました。自分がオオニベをヒットした際や周りで釣れている場面を思い返してみるとヤズが釣れているケースが多い印象です。オオニベもヤズも基本的には沖合を回遊する魚。ベイトや地形、流れや潮回りなどが考えられますが、何らかの要因で沖から回遊でサーフの浅場に差してくるのだと思います。ヤズの釣果はオオニベが回遊する目安にもなるかもしれません。


(青物が回遊した後のタイミングでヒットした。ルアーはウォブリン30gでボトムでのリフト&フォール。)

 私が掛けた魚はヒット後、30~40mほど走られたのですが、更なる大型となると100m以上走る事もあると聞きます。時の運であっさり釣れたり、とてつもなく振られたり。値千金でサーフからビックフィッシュを狙える宮崎サーフ。シーズンインの際には再現性あるゲームの組み立てが出来るよう、これからもオオニベを追いかけていきたいと思います。

Rodシーバスロッド10.6ft MHクラス
Reelスピニング5000番
LinePE1.5号+フロロリーダー30lb
Lureハルカ145シリーズルーディッシュ95HSウォブリン30gメタルフォーカス28g