サーフに行こう!2023-ようやくのヒラメ

猪原 亮

高知県在住。ナイロンラインを主体とした独自のスタイルでレコードフィッシュを意識したショアからのキャスティングゲームを展開。

前回のレポから、12月は小さなヒラスズキと小さなマゴチしか釣れませんでした。1月も不調は続き、期待したサワラも現れず、小さなサゴシを少し楽しめたのと、ヤズを一匹。

秋の河口形状が尾を引き、コノシロにしろ、カタクチにしろ、ベイトが溜まりにくい状況が継続してしまったのです。


もちろん全く釣れていない訳ではなく、どこかで誰かがポツリ、ポツリとサゴシやサワラ、ヒラメを釣った、とは聞きます。が、ポイントや時間帯、潮位には関係なく、再現性があんまり感じられない釣れ方をしているので、とにかく魚は少ないのでしょう。


そんな中、ナイトヒラメも狙ってみましたが、釣れたのはメーターオーバーのメジロザメ類。


このサメ、掛かってすぐは重いだけだったので、「こ、これは座布団級が来たんではないか?!」と期待させられましたが、波打ち際まで来たところで首を振り出し、さらに沖に向けて走り出しました。スピードはブリほどでもない、でもアカメのようにジャンプや鰓洗いもしない、何っ?!・・・サ、サメか、がっくし・・・


いや、もちろんサメファイトは良く引くし、なかなかあきらめない粘り強さもあり、釣り上がったときの精悍さは、かっこいいです・・・が、ルアーは一発でボロボロになり、下手をすれば穴が空いて使い物にならなくなります。


今回も、釣り上げてすぐ、ルアーをボロボロにされないようにと、サラナ147SRをすぐに外し、何とか事なきを得た、と思ったのも一瞬。外したはずのサラナ147SRが、リーダーが付いているはずのサラナ147SRが、なんと引き波に流されているではありませんか!?


目が行き届いていませんでしたが、どうもリーダーがサメの歯に当たっていたようです。サメはローリングもするので、焦らずちゃんとリーダーの行方も確かめないといけませんでした。皆さんも、サメを釣った際はご注意ください!


このサメが釣れたことで、何かしらベイトがいるのでは?と、数日間粘ってみましたがノーバイト。夜の時合いの部はこれにて終了。これ以降は昼の部に移行です。



2月中旬の休日、過去にヒラメを釣った実績のある時合いが、ちょうど昼過ぎに差し掛かるため、嫁に頼み込み、何とか2時間を確保。マッハで身支度し、釣り場に向かいます。実釣時間は実質一時間です。


釣り場に着くと、複数人の先行者がいますが、幸運なことに自分の狙いのポイントは空いていました。早速釣り開始です。最近は川の流れが若干狙いのポイント向きへ流れ始めたので、良い傾向だと思っていました。


タックルはいつものサーフェッサー98に12LBナイロンタックルです。選んだルアーはとりあえず万能なサラナ125Fです。理由は、選んだポイントが1.5m前後のシャローになっているためです。そのシャローで海底直上30-50㎝をスローなり、ファーストリトリーブでレンジキープ出来るサラナを選びました。


タックルをセットしながら波打ち際を見ると、まあまあサイズのスズキが連続してボイルしています。ベイトの姿は見えないので、この時期のルーティンベイトである、稚ボラや稚アユが入っているのでしょう。少し期待が持てます。


釣りを始めて数投していると、波打ち際で「ガツン!」とバイト!アワせた瞬間に鰓洗いしたので、先ほどボイルしていたスズキたちの一つが食ってきたようです。ただ、食いが浅かったのか、次の鰓洗いであっさり針外れ。結構しっかり合わせたのですが、バレてしまいました。残念。この日はこのバイトのみで終わってしまいましたが、ベイトの存在が今までの釣行とは違っていました。



翌日も、「今日こそは絶対タンパク質をゲットしてくるから!」と、嫁を説得し、午後の3時間を確保。前日より少し余裕を持って釣りが出来ます。釣り場に着くと、この日は狙いのポイントに先行者が入っていたので、少し手前でタックルセットします。


先日よりも川の流れが、明らかに狙いのポイント側へ向いています。状況はさらに良さそう。タックルセットしていると、先行者の方が移動したので、ポイントへ入らせてもらいます。


ルアーは前日と同じくサラナ125Fをセットし、ふと手前の波打ち際を観察すると、前日同様、スズキがボイルしています。おお、いるいる。もしかするとスズキは釣れるかもしれない、と。さらに観察すると、砕けた白アワの中を何やら茶色い幅広魚体が泳ぐ姿が見えました。「い、今のはヒラメだろ?!」と、まさかの本命登場に久々に手が震えます。


サラナ125Fをセットしましたが、ヒラメがステイしているだろう波打ち際で小技を効かせたいので、すぐに110Fにチェンジします。さて食ってくるか?1投目、魚は手前に居ることが分かっているので、10mほどキャストし波打ち際までスローに寄せ、そこから引き波に合わせてトゥイッチを入れます。1投目は反応なし。


2投目。2投目は引き波と川の流れが合わさるタイミングでキャスト。流れを感じ始めたところでトゥイッチに切り替え誘っていると、「ゴッ!」と鈍いアタリ!魚の重みを感じながらスイープにフッキングし、更に追いアワセを入れます!


なかなかの重量感、そして・・・ジャンプしない!鰓洗いしない!これはヒラメだろ!?と寄せてくると、波打ち際に見えた姿は間違いなく本命!寄せ波に乗せてずり上げたのは、なかなかサイズのヒラメ!

フッキングはフロントが外側から一本と、リアがエラ下に軽く刺さっているのみ。危なかった~。サイズは70㎝を少しオーバーしたギリギリ座布団かな?というサイズですが、久々の本命に気分は最高です!自撮り写真を撮ろうかしていると、通りかかった釣り人の方が物持ち写真を撮ってくれました。大変ありがたかったです!


さて、この時期このサイズが一匹で居ることはない、必ずもう複数匹は居るはずだ、と続けて狙います。まだ狙いの時合いも始まったばかりなので、期待が膨らみます。


いっときの間、同じ狙いでシャローを、沖側から手前の波打ち際まで探りますが、反応なし。そこで、もう少し水深のあるシャローのブレイク側をサラナMD110Sで撃ってみます。1コースを2投ずつキャストし、少しずつズラしながら撃っていると、今度は「ググッ」とリーリングが止まるようなアタリ!すかさずスイープにフッキングします!


これも走らず、暴れない重い引き!狙い通り2匹目のヒラメが来たんじゃない?!ただ、前の魚ほどの重量感は有りません。寄せ波で砂浜に引きずり上げると、ちょっと小さめの50センチクラスのヒラメでした!

サイズは小さくはありますが、今までの釣果からすると1釣行で複数匹の本命に出会えたことには、大満足です。タンパク質としても量・質ともに良質のものをゲットできたので、嫁にも怒られずに済みますし(笑)、少しホッとしました。時間をくれた嫁に感謝です(笑)。


さて、ヒラメを締めようとすると、口からたくさんのベイトを吐き出しました。ベイトは5-7センチの稚アユでした。この時期、このサイズにまで育っているのは、昨年秋の初期産卵群がしっかりと生残したのだなと(昨年同時期の稚アユはもう一回り小さく4-5センチでした)。このサイズがベイトとなってくれれば、マイクロパターンは意識しないで済むので、大変ありがたいことです。

持って帰ったヒラメは、締めた時にあれだけ稚アユを吐き出したにも関わらず、胃の中にはさらに30-40匹が入っていました。水中ではどのようにしてこんなに多くのベイトを捕食していたのか、想像が膨らみます。


この結果を参考に、また次の機会で再現性と更に良いサイズのヒラメを狙っていきたいと思います。


Rodサーフェッサー98
ReelツインパワーXD C5000XG
Lineナイロン12ポンド
Leaderフロロ8号
Lureサラナ147SRサラナ125Fサラナ110FサラナMD110S