錦江湾湾奥の干潟トップチニング

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

私の住む鹿児島を象徴する桜島。そのロケーションを際立たせる海、錦江湾。鹿児島に住む人間にとっては当たり前の風景ですが、その環境がもたらす独特の地形は、様々な魚達を育んでくれます。
錦江湾は、すり鉢状の急激に水深の深くなる地形ですが、その沿岸には驚くほどの浅い干潟が広く広がっています。河川からの流入物が多いという証拠なんでしょうが、河川を中心に干潟が形成されている場所が多く存在します。
その浅い地形は、様々な生物の生活の場となり、それをエサとして魚達も集まってきます。


干潟の浅い地形は、潮位によって環境が目まぐるしく変わります。魚を狙う我々アングラーは、その潮位をきっちりと把握して釣行計画を立てる必要があります。
狙う魚が入ってくる潮位、狙いたい場所へ行ける潮位、ベイトの移動が起こる潮位など、時間帯が釣果へ直接的に影響する事が多いのが現状です。
その干潟で今回、狙うのがチヌです。トップチニングなので、トップに出てくれる水深というのがカギになります。今回は満潮からの下げ潮を狙って、干潟の水深がなくなるまでの一時間ほどの釣行。
エリアは広いので、より浅い場所からスタートしていきます。

底をゴソゴソついばんでるチヌ。干潟に潜っているカニやシャコを狙うチヌがチラホラいます。この場合、トップには反応が悪い・・・・そんな話をする方も多くいらっしゃいますが基本的にはトップへも果敢に反応をしてくれます。
ただし、ボトムに集中しているチヌを驚かせない事と、目視でチヌがとらえられるギリギリの距離を保ってルアーを近付ける事です。
人影で驚かせてもダメですが、ルアーを近付け過ぎても驚いて逃げるので、適度な距離を保つ事が大切です。
警戒心の強い魚であるため、この辺はシビアなゲームになってきます。


干潟のトップチニングは、このソーシャルディスタンスを保つゲームと言っても過言ではありません。チヌの反応を得られる距離を考えたスタイルが、ヒットを増やすコツと言えます。
そのため、偏光グラスは絶対に必要なアイテムで、チヌのポジションを把握しつつ、その場所へのアプローチを正確に行う事が大切です。
その場その場のチヌの動向をしっかり目視で確認しつつ、その日の反応距離や、チェイスの仕方、行動パターンを探りながら攻略したいですね。


干潟が干上がるまでの短時間ではありますが、いいチヌからの反応が沢山。最盛期の様な激しいバイトや猛チェイスはないものの、楽しいゲームができました。
今回、風が少し正面から強めに吹いていましたので、タックルはダンシングブリーム翔を使用。ルアーも風波が少しあるので、浮力強めで視認性のいいチヌペンFWを使用しました。キレのあるアクションが小さな風波を切ってアピールしてくれるので、今回の様な場面では大活躍です。
FWと名前にはついてますが、Tラバときっちり使い分けると、確実にチヌのヒットは増えますので、ぜひ、ローテーションに加えて頂きたいと思います。

今後、最盛期を迎えるトップチニング、フィールドをよく観察しながら、ルアーローテーションでしっかりと食わせる釣りを楽しんでみて下さい。そのためにも、タックルのバリエーション、カラーバリエーションは多めが理想だと思います。

Rodダンシングブリーム翔DB-SH72
LureチヌペンFW