海峡シーバスの釣り納め

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

普段は河川シーバスがメインの私ですが、産卵を意識するシーバスが増えてくると、湾口の港湾部や外洋に面したポイントへの釣行が増えてきます。サーフの釣りもだし、海峡の釣りもですね。
ただ、今シーズンはサーフにベイトが全く寄りつかない状況で、全くもって反応を得られていない日々です。
水温が低下していくと共に産卵を意識して、産卵場所へと移動を始めますが、その道中のフィーディングエリアを掴めないここ数年。昔に比べると、全く読む事が出来なくなりましたね。シーズナブルパターンさえ読めない、最近のシーバス事情。


そんな中、毎年、安定している?とは言いにくいのですが、今シーズンはベイトが少ないのが功を奏している海峡シーバス。熊本の天草などが有名ですが、沢山の島が点在する事で潮流が強く生まれる地域が、鹿児島にもあります。八代海に面する薩摩半島北部のエリアが、その地域にあたります。
毎年のように年末年始は大型シーバスが大挙して集まるスポットが点在していますが、例年であれば大量のベイトが邪魔をして非常に釣りにくいフィールドです。10cm以下のイワシやキビナゴを偏食する丸太の様なシーバスが乱舞するのですが、この港や海峡を埋め尽くす大量のベイトが釣りを難しくする要因になっています。
偏食しているシーバスを食わせる為には、自ずと小型プラグがメインになり、飛距離も考えればライトラインの使用が余儀なくされます。毎年、掛けてはいるものの、ほぼほぼフックを伸ばされて終わるのが常でした。

今シーズンは、その埋め尽くすほどのベイトが居ないのが、一つのカギになりました。
ただ、シーバスが食っているモノは、イワシやキビナゴです。通り掛かるそれらの小さな集団を襲っている事は確かです。
重要なのは、シーバスに違和感を与えずにアプローチできる!これに限ります。
埋め尽くすほどのベイトがいると、ミノーの着水からベイトが逃げ惑い、リトリーブしている間、ライン上のベイトは常に逃げ惑うというのが何時もです。それがスイッチになる事もあるのですが、大きめのミノーに対しては反応してくれないのがほとんどです。
もちろん、シーバスも無理して食わなくても、常に食い物がある状況なので、無駄な行動も少ないのです。


ベイトが少ない今年は、たまに通り掛かる小さなベイトの群れを一生懸命に追う姿が。複数で取り合う姿も見られるほど。
産卵を意識した大型ばかりが集まっているので、その激しさは増しますね。少ないベイトを、少しでも多く食べて産卵へ向かう。シーバスにとっては当たり前の事ですから。
この少し飢えた状況が、素直にミノーへ反応してくれるカギになるのです。そして、例年ではなかなかない状況に、1投目から素直な反応が。
明暗の境を丁寧にトレースする事が大切ですが、チェイスする姿が。何も考えず、とりあえず投入したハルカ125Fでしたが、2投目も足元近くまでチェイス。シーバス用ミノーに追って来るのは嬉しいのですが、何かに違和感を感じてる追い方。
そこで、ハルカ125Fのカラーをローテーション。ベイトが小型という事で、ハーフホログラム系カラーに。クリアベースのボディに、真ん中から頭にかけてホログラムシートを張って直接的な反射を作っているカラーです。
シルエットを少しでもぼかしつつ、小さなフラッシングで小型のベイトを意識させる感じに。


これがハマり、1投目からバイト!ただ、ショートバイトで乗らず・・・・。これが3度も続くと。シーバスも反応が悪くなります。
10分ほど休憩を入れ、カラーもJNクリアーチャートへ。少しクリアー感を強めつつ、カットホロほどの細かなフラッシングではく、大きな反射へ。ナチュラル系カラーに飽きられたら、インパクト強めのカラーで刺激してあげると反応が変わるので。
その1投目、大きな影が出てきて追尾が始まったと思った瞬間、大きく真っ白く丸まるシーバス。と同時に、手元へ衝撃が!反射的にフッキングしたものの、かなりの重量感。そして、動きは激しくはないものの、潮流を利用して突っ込んでいく走り。
ランディング寸前のエラ洗いでフックがネットに絡む失態を起こし、かなり苦労させられましたが、無事にキャッチ成功!久し振りの90cmオーバーに、大満足の釣り納めとなりました。ほんの30分ほどの大満足の釣行でした。

今シーズン、阿久根市や長島町など海峡が数ヶ所ありますが、例年ほどのベイトの接岸がありません。これから増えるのかもしれませんが、今の所はベイトが少ない事がいい展開となっています。
ただし、シーバスがベイトを求めだせば、消えてしまう可能性もあります。産卵場への移動もそろそろだし、産卵後の体力回復期も少し不安ですね。
場所によっては徐々にベイトは増えている感じではありますので、程よいベイト量のポイントを探してモンスタークラスのシーバスを狙ってみるのも楽しいですね。
その際には、必ずカラーローテーション出来る様にパターンを変えたカラーを準備しておく事もお薦めします。また、ハルカのハーフカラーは小型のベイトを食っているシーバスにはかなり有効ですので、こちらも合わせて準備しておいて下さい。

Lureハルカ125F(カラーはイナッコ、キビナゴ、イワシショート、JNクリアーチャート、イカナゴの順にローテーション)