サーフに行こう!2022-季節の移ろい

猪原 亮

高知県在住。ナイロンラインを主体とした独自のスタイルでレコードフィッシュを意識したショアからのキャスティングゲームを展開。

こんにちは、高知の猪原です。 もう春ですね~、あんなに寒かった3月前半から、ウソのように暖かくなった3月後半、そして4月へ。 そんな季節の移ろいの中で、次の秋―冬シーズンへの考察と、これからの初夏に向けての狙いを紹介します。


【3月、ベイトがカタクチからマイクロへ】


3月になり、浜に行くといつものカタクチ接岸の雰囲気が無く、サワラジャンプも無ければ、ブリボイルも無く、こつ然と魚っ気が無くなってしまいました。ただ、波打ち際ではボラの稚魚や稚アユと思われるマイクロベイトにヒラセイゴがボイルしています。


1月下旬には河川内で遡上中の稚アユを確認していましたし、他の県内河川でも稚アユが多そうだという情報もあったので、カタクチのいない今後は、このマイクロベイト達に魚が付きそうかな?と予想しました。


翌週に釣行すると、前週に比べてサワラジャンプも見られ、ヒラセイゴの中に大きめのヒラやマルが跳ねているのが確認できました。狙いはもちろんサワラなので、小さめシルエットのスイミングジグを選択してキャスト開始。


ここで、ある変化が。カタクチがいたころは、100m以上沖でのサワラジャンプが頻発していたのに、なんと沖50m前後でサワラジャンプが頻発します。時には波打ち際の数メートル先でもジャンプ!逃げてるベイトは完全にマイクロが見えています。


稚アユやボラ稚魚はプレッシャーを受けると岸沿いに寄りやすいので、ベイトの特徴がそのままサワラの行動に出ている状況です。これは射程内だから有難い!・・・と思うのは浅はかでした。ベイトサイズが、ボラ稚魚だと2cm、稚アユでも4,5㎝でしかも細いからか、手持ちでシルエットが一番小さいスイミングジグにも全く反応してくれません。


その後、大きなシルエットのルーディッシュやハルカシリーズの高速引きなど、一通りやり切りましたが、結局ノーバイト。もっと小さいシルエットのルアーじゃないと無理だと悟りました。


サワラの動きは速いので、小さいだけでなく、一定飛距離が稼げるルアーが必要だなと。以前、スミスさんから「小さなベイトの時には、小さなジグが効きますよ」とアドバイスをもらっていたので、家に帰って何があるかと探すと、もうこれしかないな、とメタルフォーカス18gを数個掘り返しました。


18gジグをストレスなく飛ばすために、ブローショット・ロングキャリーに8lbナイロン+フロロ6号リーダーのセッティングで翌日再トライです。


翌日の朝一、答えは即答でした。前日の朝一のサワラジャンプは、30m前後の至近距離で起こったので、スタートからブラインドで50mほどキャストし、中層から速引きを始めたところ、数投目でいきなりガツン!メタルフォーカス様様です!


今シーズンのアベレージサイズの80クラスが食ってくれました。フックシステムはリアにプラッギングシングルを抱き合わせたセッティング。ジグが小さいので、サワラの歯でリーダーを切られないよう、なるべく結び目からフックの位置が遠くする考えです。

しかしまあ、釣れたてのサワラの美しいこと!引きの強さはそこまでではないものの、食わせる難易度、その姿の美しさ、食味の素晴らしさ、と釣れた時の嬉しさが大きい、3要素がそろっています。毎年冬の狙いはサワラだけでも良いや!とも思えてきます(笑)。


少し時が過ぎ、3月下旬、もうサワラシーズンも終盤かなと、ラストチャンスに掛けます。いつも通り、朝一の浜に立つと、まだマイクロパターンなのか、岸近くでサワラジャンプを発見!前回釣ったメタルフォーカス18gでスタート!


10投もしないうちに、またしてもガツンとバイト!上がってくると、今までよりは一回り小さい70クラスのサワラ、いやサゴシかな。でも、シーズンを締めくくるに、素晴らしく美しく、コンディションも抜群の魚体でした。

帰って捌くと、胃の中からはやはりボラ稚魚や稚アユが出てきました。半分になったカタクチも出てきたので、沖にはカタクチもいたのでしょうが、やはりメインはマイクロだったのかなと。

【今冬シーズンの総括】


今シーズンはサワラとヒラメをメインに狙っていこうと決めた年でしたが、どちらかというとサワラを何としても釣りたい、とサワラにかなり重心が寄った釣りとなりました(笑)。シーズン通して思ったことは、やはりサワラは究極の偏食。なかなか騙せない魚であり、しかも一定魚群の規模が大きくないと騙せる確率も低くなる、というのが印象です。サワラに比べ、ブリならベイトサイズに関係なく、意外と簡単に騙せるんですけどね(笑)。


そのために必要なルアーセレクトというのは、やはり「バリエーション」かなと。ありきたりといえばありきたりな答えが、今のところの結論です。

日替わりでベイトが変わっていく。日替わりで接岸する距離が変わる。日替わりで接岸する魚群の規模が変わる。なぜか突然ベイトサイズじゃないサイズのルアーに釣れることもある。一釣行のチャンスは数回あるかないか。


これらの状況を、その日の早いうちに把握して、マッチさせていかなければならないので、何か足りないな、というルアーが無いように、揃えて持っておくことが重要かなと。ただ、その日に使うルアーはその中でも1,2種類のヘビーローテです。


魚のテンションが高い時間帯に、あんまりルアーチェンジばかりしていると、短いチャンスを逃しかねません。なるべくその日の状況にはこのルアーかな、と感じたらなるべく長くそのルアーを水中に沈めておくことも必要かなと思います。


あと、今年の課題は1回の釣行で複数匹をキャッチできなかったこと。朝のチャンスタイムで最初の一匹目は釣れても、その後、まだサワラはたくさん跳ねておるにもかかわらず、食わせられなかったので、来シーズンは何か食わせるパターンを探し出したいものです。


あとはヒラメ。言い訳をすれば、どうしてもサワラに重心が寄っていたので、「ヒラメ釣れない君」に逆戻りしてしまいました(笑)。サワラポイントとヒラメポイントは違いますし、ヒラメを狙う時間の絶対値が短かったのは否めません。たまたまサワラ狙いの合間に釣れた50㎝弱のソゲが唯一の救いでした。

もちろん日中以外にも、座布団サイズを狙うためにナイトヒラメを敢行してましたが、他の釣り人には釣れていましたが、自分は今シーズン一度のアタリも捉えられないまま終わりました。情けない限りです。まだまだです。ただ、5月中はまだアフターヒラメが狙えるので、もう少し足掻いてみようと思っています。

【初夏に向けての展開】


4月になると、春の時化と水温上昇とともに、まずサワラがいなくなり、それを追ってブリもだんだん浜から姿を消します。どちらも産卵海域へ移動するものと思われます。


とある4月の朝、大きめのベイトを追うナブラの周りでサワラが単発で跳ねたため、「まだいるじゃん!」とハルカ145Fを投げてハイスピードリトリーブを試みるも、食ってくるのはブリやヤズのみ。もうさすがにサワラは無理だな、と。

その日の夕方には河口近くでコノシロを追う、ブリナブラに遭遇。たまたまヒラメ狙いで巻いていたルーディッシュでナブラ撃ちするとガツンと食ってきたのは、90クラスのブリ。目の前さえ通せれば、なんとかブリは騙せるのです。

ただ、ブリの群れも4月に入り、だいぶ少なくなってきました。もう終了の気配です。これから7月頃までは、産卵エリアに近い県西部や県東部のロックショアがブリのメインエリアになってきます。


4月以降は、高知県下におけるサーフのメインベイトはコノシロが頼りになってきます。水温が20℃前後になれば、アカメも活発に動き出しますので、今後はヒラ、マル、アカメを中心に河川内も見据えながら、ゲームを組み立てていくことになりそうです。


今シーズンこそは、どれかの魚種で、なんとか自分の設定するJGFAの記録更新サイズを釣り上げてみたいものです。

Rodサーフェッサー98
ReelツインパワーXD C5000XG
Lineナイロン12ポンド
Leaderフロロ8号
Lureメタルフォーカス18gハルカ145Fルーディッシュ95HS