虫パターンのトップチニング

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

夏の定番ゲームとなっているトップチニングですが、基本的にはオープンウォーター、オープンエリアの釣りがほとんどとなるかと思います。もちろん、これで十分に釣れますし、楽しく遊べます。私もスタイルとしては、オープンウォーターでのゲームが主体です。
しかし、少し特殊なスタイルのトップチニングがあるのです。今回は、そんな特殊なスタイルをご紹介します。

タイトル通り、虫を意識したチヌを狙うスタイルです。ただ、水生昆虫などではなく、陸生昆虫である事が重要です。
だいたい想像はつくかもしれませんが、水面に落ちて踠く虫をチヌが捕食するんです。トラウトでもセミパターンがある様に、チヌでも多々起こる事があります。
チヌの場合、セミだけではありません。バッタやカナブンなど、水面で踠くものを捕食しますし、カエルなども良く捕食しています。
ただしこの虫の捕食は、何処でも起こる事ではありません。ある程度の条件が必ず必要になります。


まず一つ目、虫が多くいる環境で、その虫が落ちてくる場所である事。虫が居なければ話になりませんので、大前提の事です。
そのため、木や草が生い茂っている場所、さらに水面へ大きく張り出しているとなお良く、ここが大切になります。そこから水面に落ちてくる虫をチヌが捕食するからです。
そしてもう一つが、風がある程度は吹く事です。風が吹く事で、木や草が大きく揺すられ、水面へ虫が落ちやすくなります。無風の時でも待ち構えているチヌは居ますが、風がある日の方が断然に多いと、私は思います。
そんな場所はシェードにもなりやすく、適度なシャローになっている事がほとんどです。チヌが居着くには適した環境である事が多いです。

そんな虫パターンですが、例年であれば梅雨明けから本格的になります。極端に虫が増える事が、シーズンインのサインですね。夜行性の虫が多ければ、日中に水面へ落ちる事も増えます。
カナブンやハナムグリ、蛾やバッタ、セミなど、本当に水面で踠くモノに対して好反応を見せてくれます。
ただ面白いのが、虫に似せたシルエットや動きでなくても、確実に反応をしてくれる所です。しかも、水面に着水と同時にバイトなんて、ごく普通に起こる事です。落ちてくる虫を待っているチヌが多い証拠ですね。


そんな感じなので、より正確なアプローチが必要となります。岸際ギリギリに着水させたり、オーバーハングの下へルアーを入れたり。低弾道で奥までルアーを送り込むには、やはりベイトタックルの方が断然、楽にできます。
よって、私はベイライナーAKBM BL-C812MLを使用し、飛距離を稼ぎつつ、正確なアプローチを心掛けています。
きっちりと奥まで入れば、着水と同時に水面爆発!とにかく、これが最も多いパターンです。オーバーハングの奥の岸際ギリギリに着水させると、とにかくオチパク状態に。でも、フッキングがとにかく難しいパターンですね(汗)。
オチパクでミスバイトしても、今度はアクションで反応させられるので、無理なフッキングだけは避けたいです。ミスバイトの後、移動距離の短い細かなアクションを加えれば、目の色を変えて食ってくる事が多いので、絶対に早合わせだけは厳禁ですね。

釣りとしては、タイトなキャストが出来れば比較的、楽に釣る事が出来ます。その正確なキャストが、釣果に比例すると言えます。
使用するルアーは、チヌペンがメインてすが、使っていて好反応を示すのはチヌペンTラバの方かと思います。Tラバのふらふら感と、移動距離を抑える役割が、虫っぽさを出すのかもしれません。

また、セミパターンで大人気の大美蝉や少し古いのですがシャロークランクのカミオンマグナムSSRなどもいい仕事をしてくれます。ただし、ウエイトが軽いので接近戦にはなりますが、一口サイズなので好反応を得られます。
アプローチが正確である事が第一条件なので、今回はチヌペン主体のゲームでしたが、他にも面白いルアーは沢山ありますね。


そんな虫パターンのチニング、トップチニングとしては少し特殊ではありますが、虫が多い河川で、木や草が生い茂っているようなポイントがあれば、ぜひ虫パターンを試してみて下さい。
ハマると、アキュラシー重視のゲームですが、爽快感はたまりませんよ!

RodベイライナーAKBM BL-C812ML
LureチヌペンTラバチヌペンFWなど