サーフに行こう!2021-アカメジャパンレコードへの道

猪原 亮

高知県在住。ナイロンラインを主体とした独自のスタイルでレコードフィッシュを意識したショアからのキャスティングゲームを展開。

こんにちは!高知の猪原です。


いやあ、今年は「フィッシング・スーパースター」こと大久保幸三さんが、我らが高知でデカいアカメをめっちゃ釣ってましたね。


自分もあのサイズが釣れれば、JGFAの12lbクラスラインの日本記録を更新できるのですが、まだ出会えていません。うーん、うらやましい!


12lbの記録更新を目指し始めて、かれこれ15年以上経ちますが、まだ目標の25㎏オーバーの魚とは出会えていません。転勤に合わせて県内のフィールドを転々とし、現在のホームグラウンドのサーフにがっつり通いだして7年ほど経ちますが、最近ようやくコンスタントにアカメの姿を見ることが出来るようになったかなってところです。

20年以上前の学生時代に通っていた頃は、全くパターンを見いだせず、一本のアカメにも出会うことが出来ませんでした。その頃に比べれば、少しは進歩したかなと思います。


ただ最近、記録達成へのある懸念が出てきました。自分がメインで使用しているナイロンラインの事です。PE全盛の時代のなか、ナイロンラインの市場はもうほとんどないのが現状で、記録達成に必要なIGFA規格のボビン巻きは絶滅危惧ツールとなってきたのです。今後、いつナイロンラインが買えなくなるか分からないので、早めに記録達成しないといけない、と焦りが出てきました(笑)。この2~3年で勝負を決めなければ(汗)!


なぜ自分がナイロンの12lb、しかもボビン巻きを使うのかというと、PEだと12lb以下の負荷なのは、撚糸本数にもよりますがだいたい0.4~0.6号です。しかも伸びがほとんどありません。


この細さのPEで、大きいルアーを一晩で200投以上投げる、太いフックでアカメの硬い口にフッキングさせる、他にもサメやブリ、大型のヒラスズキとのファイトを挟む、などのことをクリアしていかなければならない中では、ライントラブルが絶えないと思います。


ナイロンですとラインの径がありますし、何より伸びがあります。ルアーを投げるにしても、ファイトにしてもPEの0.4~0.6に比べれば安心感が違います。また、ボビン巻きを使う理由ですが、ナイロンにとってベストのラインメンテナンスはライン交換です。


ここが少し面倒くさくありますが、何も釣れなければ3~4回の釣行に1回、何かしら魚が複数釣れた場合は、1~2回の釣行で上糸100mを交換しています。これは、紫外線や吸水によるラインの劣化、何かしらの傷が入っている可能性、魚との複数回もしくは長時間に及ぶファイトでラインが伸びきってしまっている場合を想定しての交換です。


このために毎回高価な高性能ラインを購入して交換していては財布が持ちません(笑)。ですので、比較的安価でIGFA規格が一定保証されているボビン巻きを購入し、常にフレッシュなラインを釣りに使っています。


そもそもJGFAの記録のためには、超高性能なラインである必要はありません。まず第一に、12lb(約5.4㎏)の負荷で切れてくれなければ記録になりません。また、求められる性能として、高い耐摩耗性や低伸度であることも必ずしも必要ではありません。硬すぎず、柔らか過ぎない、使いやすい硬さであり、また伸び過ぎない、あくまでベーシックな性能のラインであり、記録に設定されている各ライン径+各lbクラスの強度で切れてくれればいいのです。

目標の記録魚を取るためには、100%強度状態のラインで魚と勝負するのが好ましいことですが、オフショアで魚が絶対に出せる条件・ポイントを絞って2~3投で勝負を決める、ということは、ショアではまず出来ません。


キャストを重ねるたび、また目的の魚以外のサイズの魚や他の魚種とのファイトによってライン強度は落ちていきますから、釣り場でもラインチェック、負荷のかかった部分のラインカット+システムの作り直し、替えスプールの用意、と大忙しです。

あと、ラインクラス別の記録を取ることにおいて、一番重要視されることは「どう魚に食わせたか」より「どう魚を獲ったか」という、ファイト(フッキング~ランディング)の過程に重きが置かれるところが普通の釣りとは違うところかなと思います。


自分の場合、記録を狙う魚種ごと、場所ごとにファイトプランを考え、常にイメトレしています。特に引きの強い魚たちに対しては、冷静にファイトをすることがより求められるので、釣りをしながらも、ここで掛かったら、どうフッキングさせ、どれだけ走らせて、どこで止めて、どの距離感で魚を弱らせ、ここでランディングし、時間は何分以内が目標、と設定してかかります。このプランを大きく外した想定外が起これば、その魚はたとえ獲れたとしても、自分の満足いくものではないので、記録として申請しません。


アカメの場合の想定を簡単に書くと、25~30㎏の魚であれば、ファーストダッシュで50~100mは走らせ、その後一気にバットを入れて、20~40m付近まで寄せ、その位置で魚の体力を削いでいきます。ランディング時は、波の高いとき、波打ち際が急斜面の時などは、河口の近くであれば川の中に引き込み、静かな場所でフィニッシュ、といった具合に、だいたい15分以内ですべての過程を収めたいところです。


20~40mの位置で保つ理由は、ナイロンの伸びを考えてのことです。波打ち際の5~10mの距離で長時間ファイトをすると、この部分のラインに負荷がかかりすぎて伸びきってしまうため、一定距離を取ることでランディング時の余裕を少し残しておくためです。


また15分以内という時間の目標は、いたずらに長い時間を掛けたくないというのがあります。「そりゃ時間かければ獲れるよね?」という消極的なファイトはしたくないので、ライトタックルとは言え攻めたファイトで、要所を押さえ、より短時間で勝負を決めたいところです。


実際今のタックルで、15キロまでの範囲(90㎝クラス)であれば、フックの掛かり方や個体差にもよりますが、ファイト時間は2~3分で事足ります。25~30㎏サイズでも、出来れば10分以内で獲りたいところです。

こんな面倒くさいことをしてまで、記録取りたいの??と思われるかもしれませんが、これはあくまで自己満足の世界ですので、自分の中で、これらの過程をクリアして、目標の魚に辿り着ければそれで良いのです(笑)。というより、それじゃなきゃダメだし、満足できないのです。病的ですが仕方ない(笑)。


さあ、そんな記録に挑戦するために魚を引き寄せてくれるルアーたちが、我らがスミスのルアー達です。

サラナMAX
一番実績が高く、信頼を寄せるルアーです。他のミノーより潜航深度がやや深く、ボディとリップが水をしっかり噛んでくれるので、一番ヒット率の高い波打ち際でしっかり泳がせることが出来きる使いやすいルアーです。

サラナ147F-SR
今年一番ヒラを釣っています(笑)。アカメはまだこれでゲットは出来ていませんが、ここぞSRというパターンで結構良いサイズを針外れでバラしたので、来シーズンは同パターンで絶対ゲットしたいところです。


サラナ125F
魚が少し小さめのコノシロやサッパなどを捕食しているときに重宝します。ST-56の#2サイズでもしっかり動くので安心です。


ベイブル90HS
どうしても魚が深く、ベイトが底に張り付いているような状況や、ニロギ(ヒイラギ)を捕食しているような時には、こいつをドリフトさせると一発です。リングと針はサイズアップしておく必要があります。


ハルカ・シリーズ
これはアカメ釣りのメインルアーではありませんが、心がブチ折れそうな時にヒラスズキやその他の魚を確実にゲットしてくれる優れ物ですので、心の平穏を保つために入れています(笑)。ハルカは針サイズを大きくすると動きを殺してしまいますので、同サイズの太軸にするか、センターフックのみを一番手大きいサイズにすると、不意の大物にも対応できます。


スイムベイト
これは他社さんのルアーですが、自分の12lbタックルで何とか使える重量・サイズで最大のものです。このビッグベイト全盛の時代、サーフでもビッグ・スイムベイトを使う人が増えました。時にスイムベイトでのヒット率が高く、「どうしても周りに釣り負けるな~」と感じる時に最後に投入するルアーです。


そして何より、ルアーとラインを接続する大事なツールが、スナップです。自分はスミスさんのSPスナップを愛用しています。スナップの強度はたいへん重要です。


アカメの口や鰓周りのパワーは理不尽この上ないものです。ライン強度は12lbなので、こちらからはそれ以上の力は加えられないはずなのに、なぜかラインより強いはずのスナップやスプリットリング、フックがぐにゃぐにゃにブチ伸ばされます。それに耐えうるスナップがSPスナップです。

これまでは最大サイズであった#3を使ってきましたが、アカメ(メーターちょいまでですが・・・)やロックショアの青物に使っても伸びたり開いたりしたことはありません。これに今年は、さらに強力な#4サイズが新発売されましたので、心強い限りです!


さあ、ここまで偉そうなごたくダラダラと並べてまいりましたが、まだ記録級の魚は釣ってません(笑)!「はよー釣れ!」って感じですよね?ただ、こういう事は先に言っておかないと、達成してからだと何とでも言えますからね。毎回、勝手に所信表明し、勝手に自分にプレッシャーを掛けているのです。


今年のシーズンはもう残り僅かですが、なんとか最後までもがいて記録を夢見たいと思います。たぶん・・・また来年に持ち越しかな(笑)。

Rodサーフェッサー98
ReelツインパワーXD C5000XG
Lineナイロン12ポンド
Leaderフロロ8号+ファイティングリーダーフロロ12号
LureサラナMAXサラナ147F-SRサラナ125Fベイブル90HSハルカ125Fハルカ145Fなど