サラナ147F-SRインプレッション-河川編

猪原 亮

高知県在住。ナイロンラインを主体とした独自のスタイルでレコードフィッシュを意識したショアからのキャスティングゲームを展開。

みなさん、こんにちは。 たいへんご無沙汰しておりました。


今年の夏は果敢に、というか、出来る限り頑張って夏の夜サーフを開拓しようと思ったのですが、やはり夏は増水、波浪などの気象擾乱による地形変化に潮位変化の少なさが相まって、魚が散ってしまっていたのか、全くと言っていいほどパターンを掴めずに終わってしまいました。苦しかった・・・お手上げ、撃沈です。


ですが、川の中に関しては多少光明が見えたので、その一例を(まだ、再現性に乏しく、データも少ないため、自分の中でしっかりとした理論で確立されていないですが・・・)、今年各地で活躍してくれている新発売のサラナ147F-SRのインプレッションとしてご紹介します。


夏真っ盛りを過ぎた、はずだった8月下旬のとある日の蒸し暑い朝、ホームグラウンド河川の最下流部にある大きな淵とその周辺に広がるシャローを狙って、週に数回の巡回に赴きました。


この時は渇水になりかけたタイミング。干潮からの込みが始まっており、流芯に少し下る流れが残っている状況。東の空が白みかけたなというところからスタートフッシング。


この日まで、河川内のベイトはイナッコと小型のキビレくらいかな、というところしか捉えられておらず、とりあえず最下流の塩水くさびが入るエリアなら、何かしら他のベイトが入っているのを確認できるかもしれない、というチェックも兼ねていました。


選択したのは、サラナ147F-SRのゴーストマーブル。大好きなカラーです。渇水でガン澄みの水色なので、朝のローライト下や朝日の差し込みを受けて、良い具合に水中で目立つのではという目論見です。あくまで目論見です。魚からどう見えているかは分かりません(笑)。ただ、これまでの自分の実績の中で、月夜やローライト下ではよく釣っていたので、自信を持って使えるカラーです。


じゃあなんで、水深が深い淵でシャローランナーなんかを使うのかというと、朝一は魚の活性が高いので、結構上ずっている場合が多く、ノーマルのサラナMAXでは、深度が入りすぎて反応が悪いなと感じていたからです。


「じゃあ、トップ使えばいーじゃん?」って話ですが、これまでもずっとトップも投げていたのですが、あまりに反応が無くて、出なければ魚が居ない→粘れない、という思考に陥ってしまったので、とりあえず水中を通すことで、「いつ来るか分からない」というテンションを保つため、あとはシャローランナーのミノーじゃないとできないメソッドのために、敢えて選択しました。


あとは、同じシャローランナーでもハルカ145ではなく、なぜサラナ147かというと、ボディーのボリューム感とそれによる水押しの強さです。やっぱり、「俺はここだ!見つけてくれ!」という自分がイメージする主張のためには、このボディーサイズと波動が欲しいなと思ってのセレクトです。


さあ、実釣!まだ薄暗いうちは、とりあえず表層をスローなただ引きで探ってみます。狙いの範囲を投げる角度、距離、立ち位置を変えて、一通り流しますが反応なし。


ただ、そうこうしている間に光量が増えてきたところで、淵の流芯の向こう側でボイルが起こりました。結構激し目のボイル。今日は居るぜ。


ボイルのあった流芯の向こう側にサラナ147F-SRを投げ込み活性の高い魚を誘います。サラナ147F-SRはリップが小さく抵抗が少ないので、気持ちよく飛んでくれます。しっかりハマれば、ハルカに近い飛距離も出せます。


ここで、自分が良く使うメソッド、リッピングを繰り出します。もともとバスのミノーイングで使用するメソッドで、昔、ヒロ内藤さんのビデオを見て覚えました。良くバスが釣れたので、スズキでも絶対効くだろう、と思ってやってきました。そういえば、昔ルアー釣り入門という子供向けの本で、東京湾のフッコ釣りではこれに似たメソッドを紹介されてたな、と思い出しました。


ロックショアでも、春から初夏のブリシーズンにはよく効くメソッドで、ブリやカンパチがもんどりうってミノーにバイトしてきます。ソルト風に言い換えると、ビッグペンシルなどでよく使うロングジャーク&ストップです。


これをシャローランナーで行うのです。リップ抵抗の大きいシャローランナーでこれをすると、バランスを崩して水面から飛び出てしまいます。逆にあまりリップ抵抗が少ない動きが弱いシャローランナーですと、アピールに欠けます。サラナ147F-SRはそこのバランスが良く、しっかり水を噛むし、深く潜りすぎないので、止めたらすぐ水面に浮いてくれて、キビキビとテンポよくアクションを連ねることが出来ます。


これがノーマルサラナMAXですと、深く入りすぎて、水面に浮くまで時間が掛かるので、浮き上がっている最中に魚が食わずに反転するところを何度か目撃しました。もちろん、逆にその間が良い場合もあるかもしれませんが・・・147F-SRは浮き上がるまでの時間が短く、浮き上がってからステイの時間を調節できるので、水面での自由度が違います。


魚の反応に合わせて、ステイを長くする、短くする、を調整できるのです。このリッピング、イメージとしては、追われた魚が水面から飛んで着水し、水中に潜ろうとしたけど、ちょっと弱ってまた水面へ・・・という感じです。


ジャークした時、ボディで水を押しながら潜り、同時にちょっとしたチャガ-音と泡を含んで潜り、フワッと浮く。ステイ、そしてまたジャーク。これを繰り返し、魚にアピールするのです。


数投していると、着水後一回目のジャーク直後、ストップした時にガツン!という衝撃とともにルアーの着水点のそばに大きな波紋が広がります!アワセと同時に、水面を数メートル鰓洗いしながらテールウォーク!!うおお!カジキみたい(笑)元気なヒラスズキのようです。しかも型も良さそう。


使っているロッドは、いつ巨大なアカメが来ても良いように、川の中でもサーフッェッサー98です。飛距離も出ますから、大場所ではこの一択です。強い竿なので、一気に勝負を決めます。


河原に引きずり上げたのは、手尺で75をちょっと超える感じのグッドコンディション!(せっかくスミスさんに頂いたスケールをこの日は車に忘れていました。次はしっかり忘れないように・・・)

ガッチリとハーモニカ食い!良いバイトです。顔が小さく、背中が盛り上がり、身体の幅も半端ないスーパー夏ヒラ。なかなか釣果のない夏でしたが、この一匹ですごく救われました。そんな魚を引っ張り出してくれたサラナ147F-SRに感謝です。


サラナ147F-SRのリッピング、いかがですか?しかも深いところで、シャローランナーいかがですか?よく考えると、あの深い海でもトップでいろんな魚が釣れますよね?急深のサーフでも、沖でシャローランナーで釣れますよね?川の淵でも釣れるんです。シャローランナーはシャローだけで使わなくても良いんです。


いろんなところで、このサラナ147F-SRの可能性を探ってみてください。


自分は秋のサーフでかなり効きそうだと確信してます。ではまた次回!

Rodサーフェッサー98
ReelツインパワーXD C5000XG
Lineナイロン12ポンド
Leaderフロロ8号+ファイティングリーダーフロロ12号
Lureサラナ147F-SR ゴーストマーブル