猪原 亮

高知県在住。チーム・CATホッグチェイサーズ(海猫)、ショア馬鹿いけいけ2号団所属。

海でスズキ、イカ、青物、フカセ釣りを展開中。



《 サラナ147F-SRインプレッション−サーフ編 》


今回は4月に新発売予定のサラナ147F-SRについて、サーフでのインプレッションです。

サラナ147F-SRはサラナMAXのシャロー版で、深度40p前潜航のレンジ設定です。ただ、竿先の位置を高くして、スローで巻けば、より浅い深度をリトリーブできます。


2フック式でデカめの針がセットできるので、デカいマル、ヒラ、アカメ、ブリなどの青物相手にもパワーファイトが可能です。もちろんボディは、サラナMAX譲りの堅牢ボディで、フックワイヤーも貫通式なので、激しいファイトにも安心です。

カラーラインナップも魅力的です。僕の好みなゴースト系はゴーストマーブルに、レッドアイビス。また、大好きなレッドヘッドにパールチャート。あとはギラリと光る、青物に効きそうなメッキイワシ。そして、今回充実してるレンズ系。チャートコノシロやチャートマーブル、レンズボラにレンズイワシ。どれも釣れそうで、自信を持ってアプローチ出来そうなカラーばかりだなと感じています。


さて、ではそんなサラナ147F-SRをサーフでどう使うかですが、高知で自分が良く行くサーフは、岸際から急深な地形をしていますので、普通に沖にキャストすると水深のあるエリアのごくごく表層を引いているだけになります。ですので、大抵の場合、サラナMAXで少しレンジを入れて狙っていくのが、ベースのスタイルです。

しかし、たいてい魚がヒットしてくるのは、岸際から10〜15m以内です。このエリアは急深と言えど、沖に比べると浅く、人の胸から身丈ほどです。プレデター達は、そこにある水面とブレイクという壁にベイトを追い詰めて捕食を行うことが多いので、そこでのレンジの使い分けとして、大きめボディのシャローレンジ攻略ツールとして、活用しています。

サラナMAXではレンジが入りすぎ、と感じる場合や、シャロー系のハルカではボリューム感が足りないな、という時に重宝します。それに波打ち際というのは、波が一気にせり上がるエリアです。その中で、しっかり水噛みするボディにレンジをキープするための極小リップが付いていることで、シャローを泳ぎながらも波に強く、ファーストリトリーブでも飛び出しにくいため、波打ち際で多発するバイトチャンスを高確率で捉えることが出来ます。

また、時には河口の流れだしのマウンドが広域に形成されることがあります。そのマウンドは潮位によっては広大なシャローとなります。スズキ類は、膝下ほどの水深があれば捕食のために差してきますので、そんなところでは流れに入るとどうしてもしっかり潜るサラナMAXは、底にリップを擦ってしまい釣りになりません。膝下から腰あたりの水深が広がる流れだしのシャローやその先のブレイク絡みに大きめのベイトが入っている場合には、サラナ147F-SRの独壇場です。


<実釣その@−夜間のサーフ>

実釣ではまず、夜間に干潮からの込み潮で、広域に形成されたマウンド上の潮位が上昇し、沖から魚がベイトを追って河川内に差してくる状況下で使用してみました。

この時のベイトはコノシロでしたので、最初はボリュームを考えて、サラナMAXを選択しましたが、投げてみると、まだマウンド上は浅く、川からの流れもあったので、キャスト後すぐにリップが底についてしまうような状況でした。おそらく沖でも水深が80pも無かったのではないかと思います。

そこで選択したのは、サラナ147F-SRサンプルのレンズボラ。これをマウンド対岸のブレイク付近までかっ飛ばして、川の流れに載せてドリフト気味で広くマウンド上を漂わせます。


数投していると、マウンドの中央あたりでコツっ!とバイト。竿に重みが乗らなかったので、後ろで反転したのでしょうか。こういう時は、ラインを竿1,2本分出してゆっくりテンションを掛けながら流れに乗せます。するとガツン!とひったくるようなアタリ!向こうアワセ+スイープにこちらもアワセを入れます。合わせた直後から跳ねまわります。

小さそうですが、元気が良い!浜に上がったのは、50pクラスのヒラセイゴ。初ルアーで初フィッシュが釣れた時は、サイズがどうあれ嬉しいものです。自分が狙って選択したルアーに反応があると、「釣ってやった!」と感じられますよね?


では次は、僕の大好きなゴーストマーブルでも釣れるかな?とカラーチェンジです。少しすると川の流れがほぼなくなり、ブレイク付近の砕けた波から出来た泡だまりが徐々に河口付近に寄ってきます。川の流れがなくなるようなタイミングでこれまでもヒラが良く釣れたので、ここがチャンスと思い、海か川のどちらかに流れようかしている微妙な流れに乗せるために、デッドスローで泡だまりの周辺をリトリーブしてくると、バカッ!と水面が割れました!

水面直下アタリを泳いでいたサラナ147F-SRゴーストマーブルが吸い込まれました!巻きアワセすると、これも激しく跳ねまわります!ヒラ連発です!




60オーバーのヒラでした。アフターでお腹は薄いですが、背中はだいぶ肉厚です。良い型ちしている良い魚に出会えました。

この日に釣れたヒラはどちらも小型ではありましたが、サラナMAXでは釣りが成立しないシャローで、コノシロというボリューミーなベイトを追う状況の中、思った通りに攻略できたのは、サラナ147F-SRのおかげでした。


<実釣そのA−明け方のサーフ>

3月のとある日、明け方を狙っての釣行です。仕事前なので、釣りができるのは6時15分まで!ただ、最近は朝の5時を過ぎるとだいぶ明るくなってきたので、45分くらいは明るい時間を釣ることが出来ます。

空が白み始め、海面の様子が見えるようになってきました。河口周辺には全くベイトっ気を感じられず、サラナ147F-SRゴーストマーブルを移動しながら投げて、水面の変化を探します。

少し歩いたところで、そのあたりだけ波打ち際から沖20mあたりまでセイゴがボイルしている場所を見つけました。離岸流に流されたベイトを捕食しているのでしょう。この時セイゴたちに襲われていたベイトは、おそらくボラ子やイワシシラス、稚アユといったところでしょうか。とにかく小さなベイトを食っています。

ただその少し先、30mほど沖を見ると、何やらもう少し大きめのベイトかな?波のさざめきが見えます。でも明らかに、手前のマイクロベイトではない様子。

少し前までコノシロも居たし、数日前の休日の朝にはハルカ125Fカタクチレッドベリーで50p台のサゴシを釣っていたので、今まで全く反応しなかったサゴシがスタンダードサイズのミノーに反応したということは、シラスから少し大型化したカタクチやマイワシが入ってきたのかな?と考えが巡ります。



もしかするとコノシロかもしれないので、サラナ147F-SRでちょうど良いと思い、そのままキャストを継続。

ベイトが表層に居るため、ゆっくりサラナを巻いていると、その沖で良い型のサワラがポーンとジャンプ!すぐに回収して、再キャスト!少しファースト気味でリーリングを開始すると、ルアの10mほど両横でデカいサワラが2匹ジャンプしました。「デカっ!」と思った瞬間、「ガツンッ!」と強いアタリ!!

うお!サワラか!?かなりの強さでドラグが引き出されます!あれ?!サワラってこんなに引くっけ?ブリでも食ったかな??しかし、魚が止まったのでグッと竿を溜めると、急に抵抗が軽くなりスルスルと巻けます!これはちがうブリじゃない!!サワラだ!少しすると再び鋭い走り!

右に走ったかと思うと、反転すればスルスルと巻け、そのまま前を通り過ぎて左に走ります!ジグザグに寄せてきて、一気に砂浜にずり上げたのはデカサワラです!





サーフでの初めてのデカサワラ!しかもこのサイズは人生でも初かも!サイズを測ってみると98p!!日本海や瀬戸内の栄養満点のスーパーコンディションのバターサワラに比べると、ちょっと痩せ気味ですが、水温の高い貧栄養な太平洋側では仕方なしです。初デカサワラをサラナ147F-SRでゲット出来たことが、さらに嬉しさを倍増させます!


フッキングが甘かったのか、サラナのデカフックが一本だけ下あごに軽く刺さっていただけ・・・首を振られていたらバレていたかもしれません。これだから右に左にスライドしていたのか・・・危なかった〜。お腹付近に何やら傷もあります。ま新しい傷なので、前日?にでもスレ掛かりか何かでバレた個体でしょうか?もしそうなら昨日の今日でルアーにアタックした貪欲な魚です!

今まで狙ってもなかなか反応させられなかったデカサワラ。たぶん思うに、ベイトがシラスメインから、何やら少し大きめのベイトにシフトしたからでしょう。この時期になると、大きく育った10p前後のサバ子やマイワシの若魚が接岸してきます。何かサワラの意識を大きめのベイトに向けるような変化があったのでしょう。確認のしようがありませんが、今日のベイトは果たしてコノシロだったのかな?

帰宅の時間が迫ってきたので、喜びも束の間、血抜き、活け締めして、さっさと帰ります。車の中でふと、このサイズはもしかして、JGFAの12lb記録魚になるんじゃないか?と思い、帰宅後すぐにJGFAのホームページを確認すると、現記録は3キロ台で80pクラス。

今日のはメーター近くあるから、たぶん5キロ近くはあるんじゃないか?それなら間違いなく記録更新だろう!と、夕方仕事から帰って、早速重量計測してみると・・・4.3キロ?い、意外と軽いな〜ちょっと痩せすぎじゃない?まあそれでも、十分な記録更新です。


記録更新の準備をしようと、再びJGFAホームページを見ようとすると、最新ニュース欄に、「新型コロナウィルス・緊急事態宣言中に釣られた釣果に関しての記録申請受付に関して」という見出しが・・・

緊急事態宣言中に釣られた魚に関しては、公平を期すために、全国一律で受付を中止している様子。たしかに・・・そりゃそうか。高知は宣言下には無いものの、我慢されてるアングラーの方々が居る地域もあるはず。こりゃ仕方ないか・・・あと数日で宣言解除になる見通しではあるものの、今回は申請をあきらめざるをえません。


去年のヒラメは捌いてしまった後に、記録級だということが判明し、記録更新ならず・・・今年は捌く前に記録級のサワラだと気づきましたが、コロナの影響で記録受付ならず・・・こういう記録魚はなかなか釣れないのですが・・・うーん、不運?!いや、サーチ不足でしたね。 まあしかし、こういう悔しい経験がこれからのモチベーションになることも確かです。次はもっと納得のいくサイズ、コンディションの魚を釣るだけです!何より今回は、新製品のサラナ147F-SRで人生初サイズのサワラが釣れたことがうれしかったですね!今年はこのサラナ147F-SRが更なるサプライズを起こしてくれそうです。


● 使用タックル

ロッド サーフェッサー98
リール ツインパワーXDC5000 XG
ライン ナイロン12lb+リーダーフロロ8号
ルアー サラナ147F-SRレンズボラ、ゴーストマーブル



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