増水リバーシーバス

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

西日本各地で被害の出ている8月の大雨。夏なのに、梅雨前線か?という停滞前線。そして、線状降水帯が列島の至るところに。想像以上の雨が各地で降り続いていますね。
被害に遭われた方々には、お見舞い申し上げます。そして、雨の降り方にはまだまだご注意を宜しくお願い致します。
私の住む鹿児島も、8月上旬の台風接近から雨ばかりの毎日。荒れた8月になり、思うように釣りにも行けない日々。
お盆休みも家で大人しく・・・・と思ったのですが、雨の止むタイミングが数時間。このチャンスを逃すまい!と、シーバス狙って短時間釣行。


連日の雨で川は増水。
となれば、狙うは上流が面白い!
汽水域の濁流の中を釣るよりも、川幅の広くない淡水域の方がシーバスの居着きやすい場所も出来やすいし、捕食を目的としたシーバスが居るはず。
単に短時間釣行なので、ランガンで反応してくれるシーバスを手早く探すにも、その方が好都合な場所が多いですね。
という事で、本流域は避けて、支流を重点的に探っていきます。濁りがキツイのですが、シーバスがエサを捕るのに適したスポットを、手早く探って回ります。

使うルアーは、キツイ濁りの中でもしっかりとアピールしてくれるボディサイズを重要視。増水の中では、マッチ・ザ・ベイトは当てはまらないと私は考えています。より目立つ事、目を引く、見付けた瞬間にリアクションでも反応させやすい、そんなルアーが増水の時には結果を残している気がします。
それを踏まえセレクトしたルアー達が、Sトラウト6.5inフローティング、Sトラウト7.5inフローティング、それにサラナ147F-SRですね。
深く潜らせる必要性がないと考えるので、出来る限りの水面に近いレンジを探ります。増水によって流されてくるベイトを演出するか、水没した草木に身を潜めていたベイトが逃げ出す姿を演出してあげます。
ここが、一つのカギでもあります。

増水した淡水域は、しっかりとした太い流れになります。当然ですが、この強烈な流れの中には、なかなかシーバスも止まってはいられません。
常にある、普段の流芯であればシーバスも捕食の為に止まりますが、雨による増水となれば、シーバスの身も危険にさらされています。こんな時には、流れの緩やかなスポットを探るのが大切です。
流芯よりも、その脇のヨレだったり、流れが巻く場所であったり。また、水没した草木沿いも流れが緩やかな場所てすね。
流芯を絡めつつ、そんな緩やかなスポットを大切に探っていくのが、二つ目のカギです。


最後に三つ目のカギ。
増水している事で、そこに普段いるベイトとなる小魚達も、避難をしているという事。少しでもシーバスの捕食本能を刺激する為には、増水している中でもベイトが集まっているスポットを探りたいですね。
ベイトも増水した流れに流されまいと必死です。そのベイトが集まりやすいのは、少しでも流れの緩やかな場所です。
それが、増水していない小さな支流であったり、増水している場所でも水没した草木の中、テトラの中なんかも身を守れるスポットに。
このベイトが、流れに引き出される状況、もしくはシーバスに驚いて逃げる姿を演出する事で、チャンスは増えてきます。


そして、ポイントを回ること数ヶ所。チヌのチェイスが一度だけと、思うような反応を得られません。
瀬絡みのポイントをランガン。流芯は流れがきつくルアーをまともに引くことが難しいので、対岸のアシ際を丁寧に狙います。アシ際ギリギリにアプローチして、アシから出てきた小魚を演出。50cm間隔で上流へ向かって打っていきます。
Sトラウト6.5フローティングで、アシ際からトゥイッチで軽いダートアクションさせます。流芯に引き込まれるまで、逃げるベイトをこれで演出します。流芯の流れがキツイので、出来る限りのラインが流れに引かれない様に注意しつつ丁寧に探ります。
15mほど打った所で、突然のヒット!水面へ一気に飛び出し、Sトラウトを咥えた瞬間、身を翻すそのさまは、何度見てもしびれますね。
決して大きくはありませんが、満足の一本との出会いでした!

雨による増水は、時には大きな災害になりますが、程よい雨であれば楽しい釣りにも繋がります。もちろん、安全面には十分に注意する事が大切です。
これから落ちアユシーズンになれば、さらに淡水域でのゲームも熱くなりますので、ビッグプラグを持ってランガンしてみては如何でしょうか?

LureSトラウト6.5in・7.5inフローティングサラナ147F-SR