冨安 隆徳

愛知県豊川市在住。ルアーで四季折々の魚を求め釣り歩く、アウトドアが大好きなサラリーマン。

主なターゲットは、九頭龍川の桜鱒、天竜川水系遠山川のアマゴ・イワナ等。


《 2020 遠州灘釣行記(伊良湖岬番外編) 》


【わくわくが止まらない!】

 一年で一番わくわくする季節がやってきた。
「トラウトが一番じゃないの?」
そう言われてしまいそうですが、わくわくするのはやはりトップのこの釣りなのです。
 ざわつく水面が黒いベイトの塊に変わり、小魚たちが水面を逃げまわる。しばらくすると水柱とともにフィッシュイーター達の捕食行動が始まる。釣り人はいつどこで起こるかわからないこのチャンンスに出会うため睡眠時間を削り、冷たい季節風のなかでひたすらロッドを振り続ける。この緊張感はトラウトとは全く異質のもので、「動」のソルトに対し「静」のトラウト。ソルトはバイトまでの過程で既に釣り人は緊張・興奮状態にあり、この張り詰めた空気感のこの釣りが溜まらなく好きなところでもある。
 暑かった夏が終わり初秋の声が聞こえるころ、徐々にやつらは岸寄りを回り始める。いよいよ待ちに待った季節がやってくる。
 あ〜!わくわくが止まらない!


【今季の海況】

 今季は中型青物、この地方ではアブとよばれるワカシ、イナダクラスが多く回遊しており、この中に大型の鰤が僅かに混じるそんな状況にあった。時折メータークラスも喰ってくるようだがその数は少なく、更なる水温低下が待ち遠しい海の状況が続いていた。



【サーディンラン】

 釣行日は11月中旬の平日。我が社もこの夏からフレックスなる勤務制度が始まり、日の出から1時間しっかりできるのは何より私にとってはありがたい。この日も日の出前に釣り場に入り、潮の流れ方や釣り人を考慮に入れて釣り座を決めた。今季から古いロッドをリメイクして使い始めているが、これが実に調子がいい。スローテーパーのティップはルアーへの入力をソフトにし、ルアーの自然な動きが出しやすくなった。水面が穏やかだったこの日は、溺愛するペンシルベイト サーディンランFのグリーンチャートを選んだ。
 サーディンランにはFとSSがあるが、飛距離は自重の軽いFの方が出る。曇天の朝はやや東寄りの穏やかなフォローの風が釣り場に吹き、この風に乗ったサーディンランFは沖へぶっ飛んでいった。水面に落ちた直後にポーズを入れ、一呼吸おいてアクションを加えようとするといきなりルアーが水面から消えた。
「もう喰ってる!」
 一投目から喰ってきた。手ごたえはそれほどではなかったためにアブ(ワカシ)であることは直ぐにわかっていた。喰った直後は首を振りながら沖に走っていく青物特有の勢いのある引きを楽しみながらも 「またアブか〜。」
苦笑いを浮かべる。実はこの前日もここでアブの猛攻をかわしながら、ポッパーでワラサを喰わせたが、今日は一投目からいきなりアブが喰ってきた。アブとは言えどもコンディションは良く、お腹がぷっくりとした脂の乗りのいい魚。当然引きも素晴らしくソフトティップで胴調子の竿を見事に絞り込み、釣り人を楽しませてくれる。
 この日は活性が高く、キャスト後のワンアクションで水面に大きな水柱が上がり、サーディンランFは次々と水中に消えていった。着水後の静止状態からの最初の入力による左右へのダートでほぼ喰ってきており、水面を意識して海面を泳ぎ回っている活性の高い群れに出くわしたようだった。40〜80cmクラスが混在する群れで、どの大きさの魚が喰ってくるかは運次第といった様子だった。そんな中小型の群れの中に大型が混じっていたようで、本格的な青物ロッドの隣の釣人は、バットをねじ曲げながら数分間やりとりを楽しんでいた。残念ながらラインを切られてしまっていたようだが、後で聞くと大きな魚だったと言っていた。今後に期待できる場面に出くわすことができた伊良湖岬の朝だった。


【これから】

 これから北西の季節風が安定して吹き始め、水温が少しずつ下がっていくといよいよ遠州灘は本格的な青物のシーズンになっていく。超大型の鰤やサワラの接岸はまだまだこれからだろう。年々海の変化が感じられるなか、魚は巨大化し、その回遊の時期も長くなっているように思われる。
 海の変化と言えば、これまでショアでお目にかかることはなかったスマカツオが接岸したり、浜名湖の今切れではメーターオーバーのオオニベが複数釣り上げられたようである。
 2020ソルトシーズンへの期待は尽きないが、秋の荒食いの時期はもうすぐそこまでやってきている。眠い目を擦りながら未明の遠州灘を、西へ東へ走り回る季節がやってくる。さてどんな出会いがあるのか?乞うご期待!


● マイタックル

◇ロッド スミス ショアジガー SJS100/80 100/60
ブローショットボロンBSB-103SF
U社ショアプラッギング用10ft改(小径Kガイド搭載)
◇リール シマノ ツインパワー SW6000HG 4000XG ステラ4000XG
◇ライン ヨツアミ JIGMAN PE 2.0号 1.5号
◇ショックリーダー バリバス ナイロン 40/50/30LB
◇ルアー スミス  サーディンランSS・F  ドラゴンサラナ  アンダーバード1号 
サラナ147MAX/SR  ハルカ145F/S  A-CUP  飛烏賊HF/F/S  マグナムサージャー 
スーパーサージャー  メタルフォーカス40g60g80g 
S社 140mmホッパー 160mmペンシル  Y社 160mmペンシル



[ 戻る ]