猪原 亮

高知県在住。チーム・CATホッグチェイサーズ(海猫)、ショア馬鹿いけいけ2号団所属。

海でスズキ、イカ、青物、フカセ釣りを展開中。



《 ZABUTON!! 》


あれよあれよと、もう3月。前回のブリ爆後、いい加減サワラやヒラメを本気で狙わないとシーズンが終わってしまうぞ?!今年もまた釣れないまんまで終わるのか?!という強迫観念にとらわれながら、どうしてもブリのナブラやボイルにルアーを投げてしまう自分が居ました。

これではダメだ、と、サワラのボイル撃ちなどもやってみますが、全く反応しません。小さいベイトについてそうな雰囲気ですが、そのボイルに届くルアーといえば飛距離とシルエットを考えるとジグぐらいしかないのに、シャクろうが水面または中層をトロトロ引こうがまったくノーバイトです。どうやって釣ればいいんだ?


あと可能性が有るのはヒラメだけです。ヒラメは1月ぐらいから、隣の人や近くの人によく釣られていて、なぜ自分には掛からないのか?と。釣れているルアーの色やタイプを見ても自分が使っているタイプとそんなに変わらないし、特にカラーの共通点も無い感じでしたので、いつかは釣れてくれるはずだと思っていました。

実際のところ、これまで自分がヒラメを釣ってきたルアーも、サラナだったり、スティッキークラッチヒッターだったり、ジグだったり、ワームだったり・・・とどれでも釣っています。たぶんそこにヒラメが居て目の前を通ってくれれば、食ってくるはずだと。

そんななか、2月頃からヒラメを爆っている上司にヒットルアーを聞いたところ、「ヘビーシンキングのゴールド系のプラグだよ」と言われました。な、なるほど・・・やはりそれだけヒラメばかり釣っているということは、シンキングで底をしっかり釣ることが重要なのだな、と。カラーは昔から言われているゴールド系が鉄板なのだなと。

上司の話では、濁っていてもクリアでも関係なくゴールド系で釣れているとのことでしたので、ヒラメ釣れない君は、それをそのままそっくりと真似をしてしまえばいいのです。


そこで、以前スミスさんから頂いていたサラナMD110Sの出番です!しかもカラーは実績のゴールド系のピンクゴールド。これを投げ倒すと決めました。たとえ目の前でブリのナブラが立とうが、サワラのボイルがあろうが、我慢してサラナMDを投げ倒すのだ!と。

そこからは仕事前の朝も、仕事終わりの夕方も、行けるときはひたすらサラナMDを投げて、底まで沈めてひたすら巻き続けるという日々。ポイントもいろいろと地形の変化を気にして投げてみました。

日々地形が変わる河口サーフ。沖の馬の瀬の周りのかけ上がりを攻める日もあれば、潮が引いたとき、干上がった馬の瀬と自分の浜との間を流れる河川水の流れ口を狙ったり、果ては、河口先端のサンドバーの裏で砕けるサラシの下を通したり、様々な場所を打ちまくりました。


とある日の夕方、サンドバーに乗り上げて、川側に落ち込むサラシの際を引いていると、ゴツゴツッ!というアタリ!!うおっし!やっと来たかーと思った瞬間、バシャシャシャシャ!と跳ねたのはヒラセイゴでした。

久々の生命反応で大変うれしかったのですが、跳ねた時点でヒラメじゃないことが明白でしたのでちょっとがっくり。でもここで対岸を見ると、川の流れが結構ストレートに対岸に沿って流れ出ています。以前、友人が河口の流れだしの流芯で良い型のヒラメを釣っていたのを思い出し、「明日は行けないけど、明後日の夕方は向こうに行ってみようかな。」と何となく感じたことでした。



その明後日の日、仕事終わりに少し仕事場を出るのが遅れたので、「どうしよっかな〜今から行ってもあんまり時間無いな〜」と思いつつ、サーフに着くと誰も居ません。自分の中で、行こうか行きまいか迷っているような時、そんな時って結構釣れるんですよね。何故でしょうね?殺気が出てないからでしょうか?(笑)

それを思い出し、よし行くぞ!と河口の流れだしを目指します。日暮れまでの約30分、一発勝負や!と。「なんでいつもこんなに時間ないねん」とぼやきながらサーフを小走りします。

ポイントに着くと思ったより流れだしの流れが強く、また流れだしの脇は結構なシャローになっています。とりあえず、シャローっぽいのでサラナMDでは底を擦ってしまうだろうと考え、流れのヨレからシャローにかけてのかけ上がりをサラナ125Fで流してみることにしました。

流れだしのヨレより少し流芯寄りにキャストし、その右側のシャローに払い出す流れに乗せて巻いてくることを繰り返していると、波がせり立つ直前で、「ゴゴンッ!」とバイト!!

き、きた!なんだ?!と巻きアワセを食らわせていると、グングンと首を振ったのち、猛然と突っ走りはじめました・・・こ、これは・・・ブリや〜。。こんなシャローなのによく入ってきたなと思いました。時間が無いので、ゴリゴリ寄せます。問答無用で浜にぶち抜いたのは、80pアップの細めのブリでした。





も、もう暗くなるまで10分くらいしかない!とすぐにリリースします。ルアーが上に浮くとまたブリが食ってきそうなので、やっぱり底なのかと、サラナMDにチェンジです。流芯からシャローのブレイク付近の底を、距離を変えながら撃ちかえていきます。

少し流芯側にキャストし、自分より30m先あたりのブレイクに通すイメージでリーリングしていた時、流れだしの流れと引き波の抵抗が合わさり、ルアーの抵抗が一番重く感じられた瞬間、「ゴツン」という衝撃が走りました!

一気にリールを巻いて巻きアワセを食らわせます!アワセが決まった直後、グングンと首を振る振動が伝わってきますが、走り出しません!いや、スズキだったらこれからすぐ鰓洗いかジャンプするかもしれない・・・バットを絞って数回ポンピングします!お、重い!!

その後も跳ねません!重いだけです・・・こ、これはもしややってしまったのでは?!もうこの時点で自分の頭の中ではほぼ100%ヒラメと確信しましたが、いや、もしかすると別の魚かもしれないし、スズキのスレ掛かりかもしれない、と独り言をつぶやきながら、慎重に寄せてきます。


波間に茶色い魚体が見えました・・・ヒラメです!!やったあぁぁー!まだ釣り上げてもないのに暗がりの浜で、一人大声で叫んでしまいました(笑)。まだまだ慎重に、寄せ波に乗せて浜にずり上げます!で、デカい!!すぐに尻尾を掴んで浜の奥まで運び上げます。

やっと・・・やっと釣ることができた!感動です!しかもデカい!!座布団級です!長かった〜。いやあ〜長かった。。シンキングミノー、そしてゴールド系というヒントをくれた上司にも大感謝です。




長さを測ると80pジャストくらいでした。これまで釣ったヒラメの最大サイズは75pくらいだったので、自己記録更新です。それも12,3年ぶりの大型ヒラメです。久々に手が震えました。


後日、職場でサンプルとして提供する代わりに、測定後捌かせてもらっていると、その横に置いてある記録票に書かれた重量が5.5sでした。あれ?JGFAショア部門のヒラメの12lbレコードって、どれくらいだっけ?と確認してみると、5.2s・・・ガーン、申請すればタイ記録だった・・・気づいた時にはもうバラバラにしてしまっていました。

いや、またいつか圧倒的にデカい奴を釣って記録更新すればいいんです。それが目標になります。また、今回の経験を糧に、もう少し今シーズンもがいてみようかと思います。たった一匹のヒラメですが、釣ったのと釣ってないのでは、その経験値は全く違います。

こうすれば良いんだという確信をもって今後は探ることができるので、たぶん魚さえ居てくれれば、そんなに時間を掛けずにまたヒラメをキャッチできるのではないかと思います。「百聞は一見にしかず」改め「百聞は一釣にしかず」といきたいものです。

サワラも然りです。こいつも早く1匹目が釣れればな〜。。


● 使用タックル

ロッド サーフェッサー98
リール ツインパワーXD C5000 XG
ライン ナイロン12lb+リーダーフロロ8号
ルアー サラナ125F・レッドヘッドサラナMD110S・ピンクゴールド



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