古谷 英一

スミスフィールドスタッフ



《 ドシャロー河川のトップチヌゲーム 》

ここ最近、トップチヌばかりの私。
決して、チヌばかりではありませんが、チヌしか相手にしてくれない状況で・・・。楽しいのでいいのてすが(笑)
今回もトップチヌ。前回は年なしと呼ばれる50cmオーバーを求めて歩きましたが、今回は少し趣向を変えます。
チヌを狙う上で、どんなフィールドが良いのか?チヌが集まるフィールドなどのお話をしてみたいと思います。
私の住む鹿児島県は、比較的、チヌの多い地域だと思います。いや九州全体が、本チヌと呼ばれるクロダイとキビレと呼ばれるキチヌ共に多い地方と言えます。そのため何処でも釣れる手軽さで人気です。
私は鹿児島県でも薩摩半島を中心に、普段は釣り歩きます。南から北まで、海から川まで、あらゆるフィールドを日々探ってます。
その中で、よりチヌの多く集まる場所、河川であったり、ピンスポットであったり、明確な違いがはっきりします。それを知る事で、安定の釣果を得られる事に繋がりますし、数を釣り、年なしに近付く秘訣になります。
単に、何処でもトップを引けば水柱が上がる・・・そこまで簡単なゲームでないのがトップチヌですね。



では、チヌが溜まる場所は? トップゲームを成立させやすい場所は? 最も気になる部分ですね。この辺りについて、私の考え方を少しご紹介します。

@深すぎない水深
最も大切なのが、ポイントの水深だと、私は思います。トップで狙う事を考えれば、深ければ反応するチヌも極端に少なくなるのは当然です。逆に浅ければ、ほとんどのチヌにルアーが見えます。浅ければ浅いほど、水面に意識が行きやすいので、私は浅い場所をメインに釣ります。
目安としては、ギリギリ水深3m前後までですね。これより深くなれば、よほどチヌが浮いていない限りは反応してくれなくなります。

A流れや潮の動き
次に、水の動きです。河川内であれば、流れが出来やすいのですが、磯場やサーフなどはしっかりと潮が動く事が大切です。どんよりとした、流れがない場所ではチヌが居てもルアーに反応してくれない事がほとんどです。
また、満ち込みの潮だと流れが出来にくい事が多々ありますが、そんな時には、より潮の動く時間帯を狙う事と、しっかりとした潮が入ってくる場所を狙います。
この流れがしっかり出来る事が、チヌのトップゲームでは大きなカギになる場合も多いです。

Bボトムの変化
完全なフラットエリアでも、もちろんチヌは釣れます。しかし、小さな変化があるだけで、チヌの集まり方や活性の上がり方に違いが出ます。
例えば、流心の両サイドに出来る、ちょっとしたブレイク。ほんの50cmほどの変化でも十分で、石が点在している、ガレ場に変わる場所など、ボトムの起伏から底質の変化まで気にすると、シャローに差してくる高活性なチヌを見つけやすいです。

他にも細かな事は沢山ありますし、河川内と海ではまた少し違いもあります。サーフと干潟でも違いますね。
この様な事に気を付けながら、ポイントをセレクトしていくと、トップチヌの楽しさを更に引き出せます。もちろん、多くのチヌに出会える事にも繋がります。


そんなトップチヌですが、先日、仲間からこんな質問が。
チヌは、どのくらい浅い場所に入ってくるのか?そして、浅い場所でゲームが成立する水深は?と。
私の考えでは、チヌの体高の水深は最低でも必要だと感じます。小さければ浅い場所に入れますし、浅ければ大型は入って来れないです。当たり前ではありますが、それを具体的な数値に表すと、水深30cmが、一つの境目となります。よほど大きなチヌであれば別ですが、40cm程度のチヌなら、水深30cmの場所にも入っています。
今回、そんなシャロー河川で観察した結果、かなり多くのチヌがドシャローへ入ってました。全体的に浅いポイントでも、チヌは点在してエサを物色していました。
ただし、それより浅くなるとチヌの姿はほぼありません。あくまでも目視で確認できるサイズのお話ですが。
水深30〜50cmの広いエリアを今回は探り、そこそこの釣りに。ずば抜けて大きなサイズは出ませんが、確実に魚には出会えます。
潮のタイミングは干潮前。潮位がこれ以上は下がらないという時間帯から、満ち込みの潮が入ってくるまで。いわゆるド干潮のタイミングですね。膝下で対岸に渡れる場所ですが、多くのチヌを目にしました。


ドシャローエリアのチヌは、とにかく広い範囲に散らばりやすい傾向があります。群れで行動するよりも、単独もしくは2〜3匹で行動してます。浅い分、警戒心も非常に強く、岸に近い魚に関してはなかなか難しいと言えます。
今回も何度か反応はさせるものの、食わせるまではいきません。バイトしても食い込みが浅いので、フッキング出来ない事がほとんど。ヒットした多くは、沖合のシャローにいたチヌですね。
手前に集まるチヌは、アングラーの動きにも敏感ですし、ラインが水面を叩く事も嫌がり逃げ回ります。よって手前にいるチヌに気を取られていると、ボーズの可能性が高くなります。
同じ水深が広がる今回の河川では、河川中央部分に近い場所で反応させ、手前に来るまでに食わせる事が大切です。しつこく追って来ても、手前のチヌがラインに驚き逃避行動をとると、それにつられて追尾していたチヌも逃げるシーンが多々ありました。
また、基本的にドシャローのチヌは、ボトムの生物(エサ)を漁ってます。そのため、ボトムに意識が集中しています。そんなチヌは、トップでは釣れないと言う方も多いですが、私の経験上、気さえ引けば猛追して来ますし、ガンガン反応してくれます。ボトムを意識しているから釣れないのではなく、意識をナチュラルに水面へ移させる、そのために驚かせないというのが大事だと考えます。
ドシャローエリアでもトップチヌゲームは十分に楽しめますが、それに合わせた釣りを行う事が大切ですね。




そんな数時間の釣り。水深が浅いだけに、サイトフィッシングである事と、チヌの反応が水面に顕著に現れます。もちろん、チェイスすれば引き波どころか背ビレを出して追ってきます。この反応を楽しむのも、ドシャローエリアの楽しいところですね。
足で稼ぐ釣りにはなりますが、アプローチを色々と変えながら攻略するチヌも、奥深くてハマってしまいますね。皆さんの周りでも、ドシャローエリアがあるかと思います。そんな場所でもトップチヌは楽しめる、そんな場所だからこそトップが活躍するという事を覚えておいて下さい。そして、何も居ないと思い込まず、まずはチヌペンをキャストしてみて下さい。パラダイスがそこに広がっているかもしれませんよ!




【タックル】

ロッド・・・ベイライナーAKBM BL-C812ML
リール・・・ベイトリール
ライン・・・PE1号
リーダー・・・フロロカーボン12lb
ルアー・・・チヌペンFWチヌペンTラバ



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