猪原 亮

高知県在住。チーム・CATホッグチェイサーズ(海猫)、ショア馬鹿いけいけ2号団所属。

海でスズキ、イカ、青物、フカセ釣りを展開中。



《 4月末のロックショア 》


 前回のレポから久しぶりに、ゴールデンウィーク直前のとある日、ホームグラウンドの磯へ釣行しました。夜明けから9時半までの突撃釣行です。


 釣行した週の頭は、まだ黒潮が20〜25マイル付近にあったのですが、週半ば以降30マイルまで離岸。沖を行きかう船のスピードを見ると、もし黒潮が近いところを流れていれば、西へ向かう船は強い流れと対向して進むのでほとんど進まず、東に向かって進む船は強い流れに乗ってすごいスピードで進んでいきます。遠くからでも、このコントラストが見られれば、黒潮が接岸してるってことです。が、この日はどちらの航路も同じスピードで進んでいきます。こりゃダメだ。


 案の定、降りた磯ではごくごくゆっくりした流れが右から左へ流れてる?ってほどの加減でした。薄暗い中、足元を見ると、チカチカと小型のキビナゴが群れている様子が分かります。ベイト小っちゃいな。

 しかし、これまでの経験上、このホームグラウンドの磯では朝一より、8-10時くらいの時間帯の方が良いという感覚があるので、それまで何があるか分からない、と心してかかります。

ベイトの群れ


 最初に選んだのはサラナ125F。定番のパイロットルアーです。春はこのサラナをスローリトリーブするパターンがハマることが多々あります。このスローリトリーブに、ブリ、ヒラマサ、カンパチ、時にはハガツオ、カツオ、キメジにヨコと普通はステディからファストリトリーブで狙うような魚が結構食いついてくるんですよね。

 まあ最近は、スロージギングが流行ったり、マグロ釣るにしてもほっとけメソッドだったり、ヒラマサのトップだってダイブ&ポーズでそんなに速く動かさないので、今ではビックリするようなことではないと思うのですが、自分がショアジグをかじり始めた当初の15年以上前にはハイスピードジャーク・リトリーブが当たり前でしたので、当時、先輩のMMさんと発見したこのパターンには目からうろこでした。

 それからは、ジグもミノーもトップももちろんハイスピードで動かす時もあるのですが、スローで動かすことのほうが多くなりました。慣れない人は、こんなんで釣れるのか?という精神的不安がでてくることもあるとは思うのですが、体力的には楽なんで、長時間続けられるというメリットもあります。


海面から見えるアオヤガラ
 さて、サラナでスローリトリーブを続けながら、沖を見たり足元を見たりしていると・・・足元には何やらアオヤガラの大群が・・・沖には数頭のアオウミガメが何度も息継ぎに浮上してきます・・・うーん、これはさらにまずい状況ですな。ヤガラが釣れる、もしくはたくさん見えるとき、もしくはウミガメをよく見るときは、魚が釣れないジンクスがあります(笑)。要は潮が走っていないんですよね。


 改めて、今日はダメだな、と。さらにさらに、無数にいるキビナゴの群れの下に、50〜60のヒレナガカンパチの群れが確認できたのですが、その動きの緩慢なこと・・・目の前にベイトはうじゃうじゃいるのにゆっくりと円を描きながら、ヒラヒラと・・・ベイトも全く警戒していません。ピチピチ、チャパチャパと元気に水面付近でエサを喰っている動きです。やる気のある青物が近くにいるときは、真っ黒になるくらいのベイトボールになって、足元の陰に猛スピードで逃げ込んできます。

 こんな状況が続き、サーディンランやドラゴンサラナ、自作ジグと、ルアーのタイプや探る層をいろいろ変えて打開を図ったものの、とうとう9時に。最後の30分は、サラナのスローリトリーブで通します。すると、一匹のヒレナガカンパチがヒラヒラとサラナを追っかけてきました。今日一番の反応です(笑)。


 群れが近くにいるかもしれませんので、すぐに打ち返します。するとまたヒレナガカンパチが一匹フラフラと追っかけてきます。同じ奴でしょうか?これがこのあと4回続いた後、こんどは10尾近くがかなりの勢いでサラナを追っかけてきました!うお!これは食うぞ!?と思った瞬間、足元から湧いてきた1匹のヤズが、ヒレカンの群れからサラナを強奪!!

 なんだと―!!!なんでお前が食うんだよ〜。もしかすると外れるかもと、アワセを入れなかったのですが、バイトの瞬間にしっかり掛かってしまったようで、すぐにごぼう抜きします。写真を撮ってリリースした後、すぐ投げ返しましたが、時すでに遅し。

ヤズ


 まあしかし、この悪い状況でヒレカンのチェイスもあり、ヤズも釣れたという結果が、ワンチャンスをものにしたと考えると上出来かもしれません。情けない結果ではありますが、磯、特に地磯はこんなもんです。こんなことばっかりです(笑)。次の機会に期待します!


● 使用タックル

ロッド ブローショットロッキーショア11f
リール ツインパワーXDC5000XG
ライン ナイロン12lb+リーダーフロロ8号
ルアー サラナ125Fサーディンランドラゴンサラナ、 自作ジグ35g、25g



[ 戻る ]