猪原 亮

高知県在住。チーム・CATホッグチェイサーズ(海猫)、ショア馬鹿いけいけ2号団所属。

海でスズキ、イカ、青物、フカセ釣りを展開中。



《 稚アユパターン2018 》


さあ、今年もやってきました毎年恒例の稚アユパターン。

最近、毎年この時期、このパターンのレポばっかり書いて、何とかやり過ごしている自分に若干飽き飽きしているんですが、ネタが無いので勘弁ください。

毎年恒例の稚アユパターンと言えど、その年々の稚アユの発生量の多寡よって、稚アユを食べるフィッシュイーターたちの動向が異なるのが事実です。ですので、毎年少しづつ違うネタが出てくるもんなんですよね。

では、今年の稚アユパターンの如何を占う、稚アユの動向はどうだったかというと、高知県はどこもかしこも爆鮎でした。しかも数十年に一度、有るか無いかの規模の爆鮎です。

近年の稚アユは3月上〜中旬ごろから河川内にちらほら見えだしてきて、3月下旬〜4月中旬ごろに遡上のピークを迎え、その後はダラダラと6月下旬くらいまで、遡上が続きます。

しかし今年は違ってました。2月中旬から遡上が始まったのです。しかもさらに驚いたことに、アユがデカい。河口近くの稚アユチェックポイントでいつも観察するのですが、そこで見える稚アユが、大きい奴はすでに7〜10pあるのです。え?どこかもう放流しました?ってサイズです。そして3月上旬には遡上のピークが始まり、それがゴールデンウィークを過ぎても続きました。

とある老人が言いました。「わしは数十年この時期のアユの遡上を見てきたが、こんなに多いのは初めてだ。」と。この鮎爆、何故こうなったかは、昨年秋のアユの産卵シーズンに適度な出水があり、11〜12月の産卵が順調に行われたことと、黒潮の大蛇行と寒波の影響で、12月中旬以降土佐湾の水温が著しく下降し、産卵ピーク時に産まれたアユ仔魚の生残がすこぶる良かったため、だと素人ながらに考えております。

いやあ、今年のマイ・ホームグラウンド・リバーのアユ釣りはどうなるのでしょう。平均サイズはさすがに密度効果で小さくなるかもしれませんが、きっと大爆釣になるのではないでしょうか!そして、秋にはその爆鮎たちが落ちアユとなって下流域に帰ってきますので、落ちアユパターンも、今からものすごく楽しみですね。


稚アユパターンのルアーたち

さて、そのような爆鮎が呼び水となって、今年は4月中旬から川スズキが釣れ始めました。普段だと5月のゴールデンウィーク前後くらいからなんですけどね。こちらも半月ほど早いです。この稚アユパターンで用いるルアーは、そう!トラウト・ルアーズです。

なんでスズキ用じゃないかって?ウェイビーがあるじゃないか!と言われるかもしれませんが、やっぱり流れの中を釣るのでトラウトルアーがやはりその性能には長けてると思うんですよね。あと浅い流れも良く釣るので、フローティングかサスペンドくらいがちょうど良いんです。それにフォルムもサイズもマッチ・ザ・ベイトじゃないですか。


あとカラーですが、僕はGM系を多用します。理由はずばり、釣れそうだから。メインはGMアユとGMワカサギですが、稚アユだからGMアユという訳でなく、見た目でGMワカサギはシルバーが強く、GMアユはシルバーなんですが、ちょっとゴールドっぽい輝きもあるので、気分で使い分けしてます。上の写真見てもらっても分かるように、川に入りたての5〜7pのアユには黄色い追星なんてありませんからね。この時期アユカラーはアユとしてのマッチ・ザ・ベイトではありません!

気分でいいんです。気分で。使いたいカラー使って、釣れたらそのカラーを使う時間も長くなるから、おのずと釣果もそのカラーに偏ってくることだってあります。カラーは心の支えとしての役割でもいいと思います。


釣り方、狙い方

4月中旬は、川の水はまだ冷たく13〜14℃ほど。ですので、出水がある時よりか、少し渇水気味の方がよく魚が入ってきます。また初期は魚の密度も薄いので、渇水気味の方が魚を見つけやすく、食わせやすいし、水温も少し温まりが早いので、魚の活性も上がります。

この時期のスズキは何を食べてるかというと、そりゃもちろん稚アユなのですが、よく観察していると、稚アユは稚アユでも、弱った稚アユを食べてることが多いです。それはどういうことかというと、アユもその成長段階で様々な病気に掛かって弱ったり、それぞれの先天的な形質で成長段階の途中で少し奇形気味になって、うまく泳げなくなったり、とそういう魚が流れに負けて、流れのヨレや止水でヨタヨタ泳いでいます。それを食べています。

そういう奴の方が楽して食えますし、活きの良い稚アユは小さいと言えども、その運動能力は高いので、図体のデカいスズキにはそうやすやすと食える相手ではないのです。スズキやイダ、ニゴイ、ナマズ、コイ、ウナギやサギ、トビなどが、病気などで弱って流れるアユを食べてくれることで、周りのアユへの病気のパンデミックが防がれているのかもしれませんね。

ですので、まずは、こんな流れ?と思えるような岸際の浅いチャラ瀬の落ち込みにもスズキは潜んでますので、ウェーダーでズカズカといきなり腰まで入水し、対岸キャストするのではなく、岸から5m離れて、自分が立ち込むであろう場所にもフローティングミノーかトップを流し込んでみてください。バスのオカッパリと一緒です。

そんな時に活躍するのが、スミスルアーでいえば、パニッシュシリーズやCB-PEN、CB-DRIFTシリーズです。くるぶしから膝下ほどの深さなら、このルアーたちの独壇場です。





では本流はというと、基本は流れのヨレです。水の冷たい時期、流れの強い本流のど真ん中にはなかなか魚は入りません。必ずヨレです。なぜ分かるかと言いますと、ヨレでボイルしているからです。食ってくるのもヨレだからです。ですので、まず魚をどう見つけるかは、ボイルを探せば一目瞭然です。平瀬のような流れであれば、本流の両サイド。瀬から淵への落ち込みは、落ち込みの手前のヨレとその下に続く淵の反転流と本流との合流点手前の流れ。分流の合流点は、流れの合流した下流側の両サイドと合流の上流側にある三角地帯の浅瀬など等です。そういうところに弱った稚アユは流れ、溜まります。

あと、平瀬から続く水深1〜1.5mほどのトロでは、ジャーキングが威力を発揮することもあります。トロと言えども、よく見ると、やはり本流の流れの筋とそのヨレが発生しています。そういうところはただ流し込むだけでは、反応しないことがあるので、ダウンクロスで打ち込み、流れのヨレの手前でターンしだすあたりから、ジャークでヨレにルアーを侵入させると、ドカンと食ってきます。

リアクションかどうかはわかりませんが、僕の中ではたまにキリキリ舞いしながら狂ったように、泳ぐ稚アユ(おそらく病気で弱っているのでしょう)を淵や岸際で見るのですが、そういう奴だと思って食ってくるのかな?と思っています。

トロのジャークで釣った2本

これらのルアーや狙いを駆使して、4〜5月半ばまでの期間、朝か夕方の1〜2時間の釣行で、60本近いスズキ(40〜87pまで)をゲットできました。


この時期釣れるゲストたち

この時期、汽水域を含む下流域では、スズキのほかにも何種類かの魚が釣れてくれます。まずこの時期の花形と言えば、サツキマスです。


レア度の高い魚ですし、何せカッコいい!去年まではこの魚を釣るために躍起になってましたが、何とかパターンを掴めたので、今年からは釣れる魚を釣り、楽しむスタイルで向き合っています。サツキは本流筋のジャークやトゥイッチで食ってきます。

次に、キビレ。今年はこいつが結構釣れます。ここ数年は年に1匹釣るか釣らないかでしたが、今年は9尾釣っています。これはやはり、ひとえに爆鮎が呼び水となっているのではないかと考えています。釣れるポイントはスズキとほぼ同じですが、浅いところでわざとチェリブラ等のダイバーで川底をノッキングすると、高確率で食ってきます。


あとはイダとニゴイですね。以前は鬱陶しいと思っていたのですが、最近は、ウグイはよく当たってくれて、生命反応が皆無ということはないので精神的な支えになっていますし、ニゴイはパワフルに引いてくれるので、イージーにヒットしてくれて、良いファイト相手になってくれます。間を持たせてくれるイダとニゴイに感謝です。



稚アユシーズンの汽水域グランドスラム!

まあ、フロリダキーズのグランドスラムに比べれば、大変しょぼいのですが、やはり川が基本の魚と、海が基本の魚が3種類以上、同時に同じ場所で、同じ釣り方(ルアー)で釣れることには価値があると思うのです!

とある日、同じポイントの同じ時間で、スズキ、キビレ、サツキをキャッチできました。スズキとサツキはパニッシュ70SP、キビレはCB-DRIFT。最高の時間でした。他にアカメもしくはヒラスズキなんかも同時に釣れてくれれば、さらなる価値が出てくると思うのですが、さすがに水温低いから厳しいかな(汗)??



今回はどちらかというと昨年と同じような渇水での釣り内容となりましたが、次回は昨年書けなかった増水パターンのレポを紹介できればと思います(出来るのか?!→雨が降れば・・・)


● 使用タックル

ロッド トラウトロッド8ft
リール 2500番
ライン PE06+フロロリーダー2.5号
ルアー パニッシュDDパニッシュチェリブラシリーズCB-PENCB-DRIFT



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