猪原 亮

高知県在住。チーム・CATホッグチェイサーズ(海猫)、ショア馬鹿いけいけ2号団所属。

海でスズキ、イカ、青物、フカセ釣りを展開中。



《 川スズキ×稚アユシーズン(渇水編) 》


5月中旬、サツキの花が咲き乱れる良い季節になってきました。河川の水温も気温の上昇とともに温かくなってくると、スポーニングから回復したスズキたちがエサを求めて川を遡上し始めます。

5月中旬と6月上旬、近年ホームグラウンドにしている河川へ川スズキを狙いに釣行しました。今年は稚アユの少なかった昨年に比べると、数倍量の稚アユが遡上しているので、かなり期待できる状況です。今回は梅雨入り前の渇水状況での釣りをレポします。

正式にはサツキツツジ。葉や花が普通の
ツツジよりも小さいのが特徴です


5月中旬

朝4時半に起床、夜明けに合わせて入川します。川は渇水気味。ポイントは魚が溜まりそうな瀬落ちからのヒラキに入ります。この時期の川スズキの狙いは川の流芯よりはむしろその脇のヨレが鉄板です。まだ薄暗い中、トップは少し視認性が悪いので、まずはミノーで始めます。

セレクトしたのはパニッシュ70SPのGMアユ。稚アユシーズンだからアユカラーという訳ではありません。最近このゴーストミラー系のカラーが気に入っていて、ギラギラしながら、少し透けていて陽の光が入ると角度によってはちょっとぼやけて見えそう!という思い込みで使っていまして、近いカラーのGMワカサギも多用し、ゴールド主体ならGMアユ、シルバー主体ならGMワカサギを使っています。


朝一、一投目。よくこの一投目でヒットします。そんなに遠くまで投げる必要はありません。まず初めは、自分の岸側に出来る流れのヨレに流し込みながら、ショートキャスト気味で刻んでいくプランです。

ダウンクロスで適当に打ち込み、ヨレに到達したら少しステイ。反応が無ければ竿一本分ほど逆巻きして、再びステイ、その中に少しトゥイッチを加えてみてもいいでしょう。3回目のステイで「ココンッ!」とバイト!幸先よくいきなりヒットです。

50pを少しオーバーしたスレンダーな川スズキでした。シルバーが綺麗ですね〜。さあ、次行きましょう。この後、自分側の岸沿いを一通り打ちましたが反応なし。


では、また最初釣りを始めた上流に入りなおして、今度は対岸のヨレを攻めます。対岸のヨレ狙いの時は、ヨレから流芯に入るまでが勝負なので、上流から順番に数メートル間隔で打っていくというよりは、アップクロスで打ったら、次はダウンクロスで自分の正面のクロスより5〜7m下流に打ち、最後にクロスを打つという風にキャストを散らすことで、魚にルアーを見せすぎないように配慮します。

ルアーがヨレを外れて流芯に入ったら、トゥイッチorジャークを入れながらルアーを回収します。瀬落ちの流れの強い流芯のむこうへキャストし、ヨレ付近で反応がなかったので、流芯をジャークしていると、「ギラン!!ガツーン!」とカウンターバイト!こいつはもしや?!


やはりこの魚でした。サツキマス。サイズは37p程ですが、シャープな引きを見せてくれます。なによりカッコいいし、美しい・・・この南国高知の川、しかも下流域で、このサケにも似た風貌の魚が釣れるというのは、その価値の高さを感じます。これで40pUPが釣れるようになれば、さらにその価値は大きいでしょうね。ま、今回はスズキ狙いなのであくまで外道です。でも嬉しい外道でした(笑)!



さて、釣りを続けます。瀬の流れも少し落ち着き、流芯の流れもゆるくなってきたので、対岸付近のヨレをより長くじっくりと流すことができます。こんなところではたまにトゥイッチを入れるのもいいでしょう。ワン・トゥイッチを入れ少しドリフトすると、そのまま穂先を引っ手繰られました!フッキングした先から大きな鰓洗いが見えました!重量感もなかなか!

タックルは、この時期の河川内では、楽しくスズキを釣るために、いつもライトアクションのトラウトタックルを使っていますので、かなりのビッグファイトです!渇水とはいえ流芯の流れ、水圧は太いので魚がなかなか寄ってきません。80いったかな?


いやいや、そんなに大きくはありませんでした。手尺で77,78pってとこでしょうか?実際測ると75くらいだったかもしれませんね。でもなかなか良い太さのナイスプロポーションでした。久々の大物。川の中では大きいほうです。この日はここまで。


この釣行で、河川内にかなりスズキが入っていることが確認できました。次はトップで釣りたいな。


6月上旬

前回の釣行の後、数回30分ほどの釣りで、よりスズキの溜まっているポイントを発見しました。よし、今日は絶対トップで釣ってやる!ってことで、6月上旬のとある日の夕方に釣行しました。

ポイントは本流が二股に分かれた分流の緩い傾斜の平瀬の落ち込みからヒラキにかけて。瀬の落ち込みの両岸際は足首ほどの浅瀬ですが、そのすぐ下流側のヒラキには少し深いポケットがあり、魚をストックします。



まずは自分の立っている岸際から。いきなり川の中に立ち込んではいけません。え?こんな浅いところに??っていうところに意外とスズキは入ってきています。水深が足首から膝下くらいしかなくても一度はルアーを通しましょう。浅いので魚がいれば背中で引き波を立てながらルアーにアタックしてきます。

第1投目、岸際の足首ほどの水深のラインに沿って15m位のショートキャスト。少しずつ刻みながら、対岸を打つ時に立ち込む場所を打っていきます。ルアーはもちろんこの時期に無類の強さを発揮するCB70PEN!激浅ポイントを打つならやっぱりこれです。


着水後、すぐに小刻みにドッグウォークし、すぐにストップ。これを4回ほど繰り返し、自分から5,6m離れたところで引き波が立ちました!来た来た!が・・・しかし喰わず!
すぐに打ち返し、次はダイブ&ストップすると、今度は前触れなく、いきなり「ドハッ!!」

いやあ〜勝負が早いです!まあまあの型なのか結構引きます!釣りあがった魚は筋肉質のナイスプロポーションな60UP!いやいや、思惑通りに釣れるとうれしいですね。



ちょっと派手に暴れさせすぎたので、こちら岸では反応がなくなったので、対岸を攻めます。流芯は無視です(笑)。対岸も瀬脇の浅瀬。対岸はじっくり攻めたいので、下流から上流に向けて打っていきます。そうすることで下流側の魚から順に釣り上げられるので、上流の魚にあまりプレッシャーを掛けずに済みます。

対岸への1投目。着水した瞬間、ジュボ!っというバキューム音とともに、竿先がひったくられます!激しい〜!!こいつも60UP。ちょっと痩せ気味かな。



次は今釣ったポイントの5mほど上流にキャスト。キャストしたところはほぼ足首くらいの水深。そこから早めのドッグウォークを始めると、二つの引き波がCB70PENを追っかけてきて、そのうち一つが「ガボ!」っとバイト!入れ食い!うひゃひゃひゃ!と笑っていると、すぽーんとルアーが飛んできました・・・痛恨のバラシ。図に乗るといけませんね。

その後再びさらに5m上流に2投しても反応がありません。「もういないか?」次が最後のキャストポイントなので少し流芯に立ち込んで、ピンのピンへのアキュラシーキャストを打ち込みます。拳から頭台の礫の頭が出るほどの浅瀬をドッグウォークして早い流れに入ろうかした瞬間、「バッシャ!」とバイト!アワセとともにジャンプしたのは少し小さめのスズキ。



このスズキをリリースして、今のポイントにもう一匹いるかな?とキャストしようかした時、「ん?あれ??ルアーの重みがない?」よく見ると、スナップが伸びて少し開いています・・・がーん。。ヒットルアーのCB70PENメタルサイド、痛恨のロスト!瀬に立ち込んでいたので、どこに流れてったか分からなくなってしまいました(苦)!

「あー、釣れてたのにな〜、テンションダダ下がり」と嘆いていると、自分の後ろの浅瀬でボイルが発生!さっきまで自分がバシャバシャ歩いていたのに(笑)。

すぐに目についたパニッシュ70SPを新しいスナップにつなぎキャスト!漂わせながら、ツン、ツンとかるーくトゥイッチを入れると、水面が盛り上がると同時に「スコーン!」という魚信!とにかく一発です。こいつは40p台でしたが、よく引きました。


その後は、ミノーで平瀬のヒラキを打ちながら流していきます。ヒラキからは少し水深があり、淵状になっていくため、セレクトしたのはチェリブラ70のゴーストアユ。やはり、瀬落ち程の魚の密度がないためか、いっとき魚信がありません。

暗くなりかけた時、ようやく久しぶりのバイト!最後に釣りあがったのは50upでした。


夕まずめ、実質2時間ほどの釣行でしたが、バラシも含めて6本のスズキの反応を得られたので上出来ではないでしょうか。このように、5月のゴールデンウィークから7月の梅雨明けごろまで、渇水状態であっても、だからこそ出来る釣りがあります。魚が溜まっているところを発見すれば、朝夕のゴールデンタイムに集中してねらえば、そこそこの爆釣を楽しむことができますので、ぜひ挑戦してみてください。

水の美しい清流のデイゲームで釣るスズキもなかなか良いですよ?


● 使用タックル

ロッド ライトアクション8ftトラウトロッド
リール 2500番台スピニングリール
ライン PE06+フロロ3号
ルアー CB70PENメタルサイドパニッシュ70SPGMアユチェリブラ70ゴーストアユ



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