『八重山釣行2014 第一幕』


  橋本 祐一郎(SMITH STAFF)



 事の発端は、仲良くさせてもらっている釣り道具屋さんの店主との会話で、ソルトウォーターフライフィッシングが楽しいので、橋本さんもフライキャスティングのレッスンご一緒しませんか?というお誘いから。そもそも、ルアー、フライのメーカーに勤めていながらフライキャスティングは素人同然。これでは恥ずかしいのでちゃんと習いたいと思っていたところの嬉しいお誘いでした。

 お誘いに乗っかってレッスンに向かった先は荒川の河川公園。レビュープロダクツの小野 訓さんによるレッスンで、フライキャスティングのメカニズムをわかりやすく丁寧に教えてくれます。同業者の人の「教えるのが上手い」という評判は本当でした。

 2013年の冬から何度か参加しましたがうまくいかなかったところが解消でき、いよいよ春には実際にフィールドに立てる気持にもなれました。これからフライフィッシングを始める方にもおすすめです。


〜石垣島でライトルアーゲーム〜

 4月に石垣島に釣りに行きたくなり、某SNSで知り合ったOさんに連絡を取り、インリーフと呼ばれる珊瑚礁の環礁内でのルアーフィッシング、淡水でのオオクチユゴイの釣りをガイドしてもらいました。このオオクチユゴイという魚、別名ジャングルパーチといい、鮎のように淡水〜海水を行き来する魚で純淡水域のしかも遡上可能な滝下などの最上流まで上ります。そして二月ごろ、産卵のためか一旦は河川内から姿を消し、春にはまた姿を現すとOさんに教えてもらいました。

 そして、ものすごく学習能力が高く、ルアーを一度見切ってしまうと二度と出てきません。この魚と対峙する際にはルアーのバリエーションは多めに持っておきたいものです。

 この日は10g程度のスプーンや、D−コンタクト72などを滝壺にフォールさせ、2人で40pオーバーのダブルヒットもありかなり楽しめました。Oさんありがとうございました。沖縄の海では、10g前後のスプーンはかなり重宝し、定番ルアーになっています。今回もピュアやヘブンの9グラムが活躍してくれました。


 別の日、マングローブの川でカヤックフィッシングをするべく、カヤックフィッシングガイドのレッドヘッド石垣島″を訪れました。こちらの赤木さんは埼玉出身。大きなロウニンアジもカヤックフィッシングで釣りあげているタフガイです。僕はマングローブの釣りが初めてなので、二人乗りのカヤックの後ろで赤木さんが操船してくれます。普段はトップウォータープラグにマングローブジャックと呼ばれるゴマフエダイがガンガンアタックするとのことですが、何故かこの日はルアーを沈めないと反応がなく、チェリーブラッドディープや、バック&フォースのヒットが多かった。この日もユゴイの反応が良く、ゴマフエダイは小さかったので写真はナシ(笑)

 マングローブの川は潮の干満による流れが出やすく、艇の姿勢を安定させながらキャストを決めていくにはある程度カヤックフィッシングに慣れていないと難しいので、初めての人はレッドヘッド石垣島、おすすめです。風の少ない日には海のカヤックフィッシングもおすすめです。


〜西表島でフライフィッシング〜

 石垣島の離島ターミナルから高速艇で西表島まで40分程度。さすがイリオモテヤマネコを育むジャングルの島。マングローブの川が何本も流れています。島にメインの道路は一本のみで島の外周の2/5程は道路がありません。そして本州では見慣れない多種多様な生き物が次々と登場します。生き物好きな自分はもうそれだけでテンションが上がってしまいます!いたるところにヤマネコ注意の看板が設置されており、いつでも急停止できるスピードで運転するのがいいと思います。

 レンタカーでのんびり走りながら、気になった川の河口を橋の上からチェック。すると、水深50pにも満たない干潟にチヌがウヨウヨいるではありませんか!すぐに準備をして水辺へと降りていき、いよいよ待ちに待ったソルトウォーターフライフィッシングスタート!!今回は9フィートのフライロッドに7番のウェイトフォワードライン。3M社のマスタリーテクスチャードのフローティングラインで先端の数ヤードがクリアカラーで少しだけ沈みます。フライはクレイジーチャーリーやガッチャといったエビを意識したパターンで、フックサイズは#4や#6です。だいたいの釣り方は大まかに分けて2種類。一つは魚がいるであろうポイントにキャストして誘い出す釣り。もう一つは魚を見つけてからキャストして食わせるサイトフィッシング。西表では、魚影が多くサイトフィッシングが成り立つので、非常にエキサイティングな釣りを展開できる。


 今回も餌を探しながらシャローフラットを回遊するナンヨウチヌに狙いを定め、ソフトにフライを着水させるとすぐに反応してくれた!フライラインをストリップする指先にダイレクトにアタリがズンズン″っと伝わる。ルアー釣りとはまた違った感覚がすごく新鮮なのだ。アタリがあっても重さが乗るまで合わせてはいけないところはルアーのチヌ釣りと同じですが、合わせは竿を煽るのではなく、フライラインを素早く引いて合わせをくれます。合わせが決まると、膝下ほどの水深しかないので、魚は思いっきり横方向にズギューン?と走ります。もう、この瞬間の快感がたまりません?ボーンフィッシュやパーミットをわざわざ遠い外国まで釣りに出かける人の気持ちが良くわかりました。

 このポイントでは、チヌの他にも、マングローブの根本に群れていたセッパリサギという銀ぴかの魚も釣れました。



 中々ルアーでは釣れないような魚もフライであっさり釣れてしまうところもこの釣りの魅力。知人はなんと、珍魚のツバメコノシロをフライで釣りあげました。

まだまだいろんな魚が釣れていますので、続きは次回の第二幕でご紹介いたします。そして、ルアーではついにあの可愛い魚が登場します!

 マングローブの川で仲間とワイワイカヤックフィッシング。そして新たな出会いも...


 カヤックフィッシングライトタックル:5〜7フィート程度のロッド〈例:パドリストベイライナーCF>、バス、トラウト用のベイトフィネスタックルも楽しい〉 ルアーはザラパピーなどのペンシルべイトやチャグポップジャグなどの小型ポッパー。 4〜10gのスプーン(バック&フォースピュアヘブン) 各種小型ミノーなど。
※あくまで小物狙いタックルですので、大物狙いの方はGTや回遊魚用のタックルで臨んでください。

 干潟でのフライフィッシング:7.6〜9フィートの6番〜8番ロッド。フライラインは好みのテーパーでいいと思います。僕はウェイトフォワードを愛用しています。バッキングラインにはPE4号を200メートル巻いています。フライリーダーはフロロ01X〜2Xでティペットも含め12〜14フィートの長さにして状況に応じて使い分ける。ティペットも対象魚に合わせて2号、3号、4号、5号くらいまでを用意。



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