その後同じラインで5連発。サイズはどれも20〜22cmであるが明らかに風による地合い性の魚である。連発の中で欲が出る。もう少しサイズが欲しくなる。このポイントではそれができるのはやはりテトラ周辺だった。ちょうどその沖10mにはさざ波の泡が集まった潮目もできている。狙い所はそこである。しかし強烈な横風方向でもある。飛距離は20m程必要だった。横風をついてJADEで狙える距離ではない。この状況でそれができるリグを考える。ジグヘッドやシンキングペンシルでは風にラインが引っ張られ浮きリグになってしまう。
「これで…いけるか…」
AKM48をスナップに掛ける。たらしを短くし、テトラ際めがけてライナーで撃ち込んだ。48mmの体に4.1gの高比重。風に負ける事なく思い通りにポイントに入ってくれた。しかしラインは風にあおられる。盛大に風を孕み飛距離と同じ分だけ風下に膨んで半円を描いた。その風を使う。風に逆らわず、ロッドを高く掲げてラインを風に乗せた。ルアーはテトラから離れ沖に流される。リールは膨らんだ分のラインを回収するためだけに使う。リトリーブを行っているのは風である。風に流されながらもルアーは水面下でレンジをキープしている。沖の潮目に近付いた。と、そこで、ドンッ!と感触が伝わる。大きくスウィープに巻きあわせを入れた。
「ゴンゴンゴン!」
重い首振りの感触が伝わる。思い通りの展開に痺れる。
27.5cm。
次の一投でもズンッ!。
26.5cm。
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