吉川 雄介

湘南方面・東京湾を中心に活動中のシーバスアングラー。
週間つりニュース APC としても活躍。

アツギ・ミュージアム特別企画 ショアでのシーバスフィッシングガイドを実施中
http://www.atsugi-museum.com/



《 サーフのナイトゲームでヒラスズキがハルカに連発! 》


 ヒラスズキといえば、デイゲームで荒れた磯場のサラシを狙うスタイルが一般的だろう。しかし、私がホームグランドとしているサーフでは、磯場とは対照的にベタナギのナイトゲームが釣れる条件になっている。

 攻略法としては、ミノーのハルカ125のフローティングやシンキングを使用したデッドスローのただ巻きで、群れの回遊があればたいてい波打ち際の表層付近でヒットしてくる。ここでは、わずか1時間で計5尾のプチ爆釣となった6月下旬の模様を報告したい。


 釣り場は小規模なワンド状のサーフで、水量が少ない河川の流れ込みがあるというシチュエーション。全体的に水深は浅く、浅いがためにウネリや波が立ちやすいという特長がある。よって、釣行時はとにかくベタナギの日を選ぶのが大前提となっており、予報で相模湾の波高1m以下が理想になる。逆に言えば、波高1.5m以上で南よりの強風の日は釣行しない。とにかく左右からのウネリが最大パワーとなってこのワンドに集中するため、ベタナギでちょうど良い波っ気になるのである。

 基本的に好条件としては、ベタナギの夜間の満潮前後で、これに雨後による河川からの濁りとカタクチイワシやイナッ子などのベイトが夕マズメ付近に大量に接岸しているとベストになる。今シーズンは5月の上旬にシーズン開幕となり、今年のGWは雨続きの連休となり、逆に河川からの濁りがプラス要素となって、警戒心が薄れたヒラスズキは夕マズメ付近から高活性となってボイルを繰り返していた。

 ちなみに、時合いは夕マズメから夜間にかけてと、小潮や長潮であれば深夜の満潮前後1〜2時間といったところ。不思議と朝マズメは不調で、日中などのデイゲームはほぼ期待できない。おそらく全体的に水深が浅くて水質もクリアなフィ―ルドのため、陽射しや荒れ模様、干潮付近といった状況がマイナス要素になるようだ。特にウネリや波っ気が強いとベイトも安定した沖の深場へ移動してしまうため、やはりベタナギが好都合になるというわけである。但し、ここで言うベタナギは鏡のような水面ではなく、適度にザワついて時折ウネリが5〜10分に一度のペースで寄せてくる状態である。そして河川からの流れの筋が沖にうっすらと伸びており、打ち寄せた波が一瞬フラットな状態となって数十秒続き、更に波打ち際ではサラシのように白く泡立つ波がしばらく残っていると最高の条件になる。


 釣行当日はまさにその状況で、開始早々は沖にフルキャストしなくても左右45度の方向に着水させるだけで、あっさり波打ち際の表層で3尾がヒット。釣れるアベレージは55p前後だが、ほぼ10割の確率でヒラスズキがベタナギのサーフでヒットしてくるから魅力である。

 ここでの実績ルアーはミノーのハルカ125で、着水後の巻き始めは後方に移動した重心を腹側に戻すために竿先でチョンチョンッとワンアクション。すぐにリップが受ける潮流の抵抗をブローショットの感度で感じとりながら、2秒でハンドル1回転といったただ巻きで波打ち際へと通過させる。
 ハルカの動きはローリング比率を高めたウォブンロールアクションで、とにかく軽い引き心地で潮流の強弱や流れの向きを知ることが出来る。

 波打ち際でヒット率を高める方法としては、出来るだけサーフと平行にトレースすることが得策。その観点から、左右にキャストするスタイルを取り入れている。そして30〜40分ほど粘って無反応であれば、40〜50m沖に位置するブレイク付近を狙うかたちになる。ポイント的には打ち寄せた波と河川からの流れが一つになって沖に伸び、そこにブレイクが存在するかたちになる。当然、回遊してきたヒラスズキが高確率で着いているが、捕食目的でシャローの波打ち際を回遊している個体の方が活性が高くて釣りやすい。なので、沖のブレイク狙いは後回しにしているというわけである。


 ちなみに、沖のブレイク狙いも基本操作はスローのただ巻きで、今度は飛距離重視でシンキングタイプの出番になる。ハルカはシンキングミノーにありがちな立ち上がりの悪さを解消するため、ベリー底部に成形ウェイトを配した設計。同時に飛行姿勢も安定させてくれるため、ミノージグを投げているような感覚でキャストが楽しめる。

 カラ―は夕マズメ付近であれば、マジョーラパープル、トウゴロウ、イワシレッドベリー、グローバックなどのレーザー系が高実績で、軽めのトゥイッチを加えながらのスロー〜ミディアムリトリーブになる。夜間であればパールチャート、クリアマーブル、グローバックをメーンとしたデッド〜スローリトリーブだけでいい。いずれも狙うレンジは水面下10〜50p位の表層で、このサーフは40〜50m沖でも水深4m前後である。


ナイトゲームはパールやチャート系が一押しです。

夕マズメや満月の夜はレーザー系も高実績。


 当日は河川の流れが沖のブレイク付近まで伸びており、波打ち際で3尾ヒットさせた後はその流れとブレイクが交差するスポットを扇状に探る釣り。シンキングタイプを着水直後からゆっくり巻き始め、最大58pを含む2尾を追釣した。時間にして、終了までわずか1時間。まさに理想なゲーム展開で、群れの規模は小さくても高活性なヒラが居ればすぐに反応を示してくれる釣り場である。逆に無反応であれば、この時間帯は回遊が無かったものとして、私にとっては見切りもつけやすい釣り場である。


釣れるサイズは55p前後ですが、ナイトゲームの
ベタナギのサーフでヒラフッコが釣れるのが魅力です。

体高のある銀ピカボディ―はカッコイイですね。
夜のサーフでも釣れます・・・。


 尚、波っ気があり、風向きが正面からの場合はハルカ145が飛距離、アピール度の面でやはり有利。カタクチイワシのサイズが12〜14pのため、細身のシルエットは大きさを感じないで使用できる。フローティングのスイムレンジは10〜60pで、沖のボイル狙いや雨後で濁りがある時など、パイロット的に広範囲の表層を探る場面で活躍してくれるはずだ。


カタクチイワシのサイズは12〜14p。
ハルカ125,145とベストマッチ。

6月上旬にハルカ145Fにヒットした70p級ヒラ。
丸々と太った体高のあるプロポーションは見事です。


● 使用タックル

ロッド ブローショット ロングキャリー BS−LC100
リール Vanquish4000XG
ライン 山豊テグス SWスーパーPE16lb(1・2号)
リーダー 山豊テグス ナイロンショックリーダー25LB
スナップ スミス クロスロックスナップ#2 ノット:FGノット
ヒットルアー ハルカ125F,S  ハルカ145F



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