10/16 北関東某湖釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

新型コロナウイルスの新規感染者数が落ち着き緊急事態宣言が解除されたことを受け、それまで自粛していた越県釣行を再開することにした。
自粛期間中、色々と考えていたことがある。その中の1つに、人が少ないフィールドでのびのびと釣りがしたいという願望があった。 例えば関東であれば何箇所か人気が高いフィールドが存在し、週末ともなれば大勢のアングラーで賑わいを見せる。 お互い様なのではあるが、どうしても行く先々で他のアングラーとのバッティングに悩まされることになる。 我先にという感情も芽生えるし、マナー的にどうなのかと感じる行動を目にすることも少なくない。
平日に釣りに行けるのであれば話は別だが、自分のペースで湖を周り、純粋にバスを追いかけたいというのは昨今のフィールド状況ではなかなか叶わない、贅沢な願望と言えるだろう。


人が少ないフィールドがないわけではない。ただ、人が少ない理由というものが必ずある。バスが釣れない、日帰り圏内でない、現地に辿り着くまでが大変(山道が険しい)、等がそれにあたる。


バスが釣れないという点に関しては、今となっては関東のメジャーフィールドである霞ヶ浦水系ですらノーフィッシュで終わることは珍しくなくなった。魚の多い房総リザーバーであっても50艇を超える数のボートが湖上を行き交う休日の状況下において1人当たりの釣果は落ちて当然である。 現在の関東のメジャーフィールドであれば、週末においては1日やって数尾釣れれば充分な結果と言えるのだ。
だから「人が少ないフィールド=バスが釣れない」という図式であっても、具体的にどの程度バスが釣れないのか?が論点となる。毎回ノーフィッシュが当たり前というレベルでは話にならないが、1日やってせいぜい数尾しか釣れないということであれば、それは現在のメジャーフィールドとさして変わりがないのではないか?と言えなくもない。


駄目元でも構わないから試してみよう、そう思って足を運んだのは北関東のとあるリザーバー。埼玉県南部の自宅からは2時間程度で到着する距離なので日帰り圏内と判断して差し支えないだろう。 勿論、バスのリリース禁止やワーム禁止といった制約もないフィールドであることを明記しておく。


この日、多くのボート客はワカサギ釣りの人だった。土曜日だというのにバス釣りは私を含めてたったの3艇。バッティングなんてほとんどないと言っていいだろう。よほど平日の人気フィールドの方が混んでいるくらいだ。
予想外だったのは濁った水と湖全体にアオコが広がっていたことだった。てっきりクリアウォーターのフィールドを想像していたので面食らってしまった。

水温は18度台なのでまだシャローに残っている魚もいるだろうと思ったのだが、偏光グラス越しに魚を探してみても全く見えない。 バスはおろかオイカワなどのベイトも全くおらず、目視できたのは鯉が数尾のみ。魚の跳ねも全くない。
反面、魚探を見ると4m~10mの広い範囲にワカサギの群れが点在している。ワカサギ釣りの人達はディープフラットの10m~12m前後の水深周辺で船団となっていた。


朝はシャッドテールの水面引きやジョイントベイト(Sトラウト6.5F)を投げて浅場を広くサーチしていく方法を試みたが追尾してくる魚もなく、狙いを徐々にディープへと落としていく。


魚探を凝視しながら4~8m程度のディープフラットを丹念に攻めてみる。地形的には悪くないと思える場所を何箇所か見付けられたのでじっくり探れば釣れるはずだと確信しながら攻めてみたがまるでバイトがない。


思い切って展開を変えようとインレットを遡ってみるが、泥濁りの水が入り込んでおり断念。 ワカサギもこの濁りを嫌っているようで魚探にも全く映らなかった。

この湖には流木、ウッドチップや浮草系のゴミ溜まりというものが全くなかった。 房総リザーバーとの大きな違いの1つだと感じた。 そのため岸沿いのカバーというものがあまりない。部分的に冠水植物とアオコの帯がリンクしている場所があったので、パワーフィネスで攻めてもみたがやはり反応は得られなかった。

他のアングラーに先攻されているわけではない、手付かずでフレッシュな場所ばかりを攻めることが出来ている。 にも関わらずバイトが得られない。時間は既に正午を過ぎてしまった。 シャローには魚の気配がなくディープでもバイトがない。数少ないシャローカバーにも魚が入っていない。やはり一筋縄ではいかないフィールドなのか。


何かヒントが欲しいと願いつつも次の一手が定まらぬ中、岬状になった岩盤に向けてキャストしたシンクスパイダーがようやく魚からの反応を捉えた。 たまたま釣れただけなのか、それとも何かヒントに繋がる1尾なのか。
以後、シンクスパイダーで岩盤沿いをフォールさせる釣りを続行させてみるが、続くバイトは得られなかった。

この日、釣りをしつつもずっと魚探でクイックドロー(等深線作成)作業を進めていた。その甲斐あって湖面の60~70%は等深線を描くことが出来た。 そして改めて等深線マップを読み解くと、灯台下暗しというか、ボート屋さんからほど近いエリアが最も理想的なフラット状になっていることがわかった。 夕方にかけてバスがフィーディングに入るとしたら、このフラットのシャロー側が期待できるだろう。


フラットエリアの浅い側、水深2~3m付近のハードボトムエリアを速いピッチで横方向にダウンショットリグを泳がせてみる。すると小型ではあったが2尾のバスを追加できた。 でも、このタイミング、この場所で2尾だけ?!というのが正直な感想で、やはりバスの個体数自体が少ないフィールドではあるようだ。

1日釣りをして3尾。さらに湖に対する見識を深め、効率よい釣りを実践できればもう少し釣果は伸ばせるだろう。 初めて訪れるフィールドはどこも釣れそうに思えてしまうため、釣りをしている最中はどうしてこんなに釣れないんだろうと苦しい心境だったが、1日を終えて振り返ってみると「人が少ない」「日帰り圏内」「数尾は釣れる」ということで、これは当初自分が求めていた条件を一応は満たしている。あとは自分の気持ちの赴くままに釣行すればよい。


何はともあれ、たまには足を運んだことのないフィールドに出掛けてみるのも楽しいものだ。

RodツアラーV-SPEC TVS-61UL/ST
ReelREVO PRM 2000SH
LinePE0.4号+リーダーFCスナイパー4lb.
Lureシンクスパイダー2.2インチ(ノーシンカー)
スーペリオLOフック#2
RodツアラーV-SPEC TVS-60XUL/FS
ReelREVO PRM 2000SH
LineFCスナイパー3lb.
LureAR-Wピンテール2.75インチ、レッグワーム2.5インチ(ダウンショットリグ)
タングステンシンカー1.5~2g、スーペリオLOフック#6