■ 霞ヶ浦の生き物たちを知る

あららららっ。
12月以来ですから半年ぶりになっちゃいましたね。
釣参菩思・・・釣りに行く時は菩薩の心で。
そんな思いを皆さんと共有したくて原稿を書いています。

しかし、釣り場に着くと魚たちの死骸が目に入ります。
霞ヶ浦ではチャンネルキャットフィッシュ、
俗称アメリカナマズの死骸がゴロゴロとあります。
霞ヶ浦の景観はそれだけで払拭されてしまいます。

 

それに、死臭が辺りに漂います。
蝿が群がります。やがて、蛆が湧きます
こんな釣り場で釣りはしたくありませんよね。
やはり、ゴミや生き物の死骸のない場所で、
緑に囲まれて釣りがしたいです。
僕たちはそのために、
年に数回も清掃活動やその他の活動をしているのですから・・・。

2013年6月8日(土)、土浦市沖宿にある霞ケ浦環境科学センターで、
霞ヶ浦水辺ふれあい事業の「水生生物とのふれあい事業」が開催されました。
子どもたちに霞ヶ浦の様々を知って貰い、
近い将来、環境保全や水質浄化の一役を担ってもらう・・・
そんなことが目的で国土交通省霞ヶ浦河川事務所と茨城県、
土浦市、かすみがうら市、(一社)土浦青年会議所、
(一社)霞ヶ浦市民協会、霞ヶ浦問題協議会など、
行政と民間団体が協働で行っている啓発事業です。

 

僕たちNPO水辺基盤協会もこの事業の実行委員を務めているので、
お手伝いに行ってきました。
朝8時、スタッフは霞ケ浦環境科学センターのロビーに集合です。
点呼を取り終えると、本日の作業手順を事務局が説明します。

 

スタッフには茨城県会議員や市民団体のトップやOBなど、
環境に詳しい錚々たるメンバーが揃っています。
さて、いよいよ開会式です。

 

今日の大まかなスケジュール説明を終えると、
早速、センターの中庭に出て福井先生の環境講座が始まりました。
講座とは言うものの、本日の手始めはメダカ獲りです。
子どもたちは手網を持って池のメダカを追いかけ回します。
こんな光景、昔に経験した人も多いことでしょうね。
それが高じて、現在は魚釣りに夢中になっている・・・
そんな人って多い筈ですから。

 

一頻りメダカ獲りをすると、そのメダカを持って環境棟へと移動します。
今度は室内での観察と実験です。
福井先生の講義を聴きながら、メダカのあれこれを学んで行きます。

 

観察ではメダカの雌雄の見分け方や体色変化を学びました。
背ビレに切れ込みがあるものがオスです。
背ビレが尾ビレに近いのはメスです。
予め捕獲しておいたミジンコを与えると、
メダカが小さな口で勢い良く食べている様子を観察しました。

 

実験ではメダカが流れに対してどう対応するかを試してみました。
また、黒い容器に入れておくとメダカの体色が、
真っ黒に変化することを知りました。
などなど、短時間ながらメダカについてのあれこれを、
知ることの出来た時間でした。

 

楽しい時間はアッという間に過ぎて行きます。
9時に始まった今回の事業も、瞬く間に3時間ほどが経過していました。
今回の講座を受講した親子の皆さんは、
魚についての知識を今まで以上に増やしたことでしょう。
実験中に女のお子さんが言っていました。
小さい生き物だからこそ、優しく扱ってあげたいです・・・と。
アメリカナマズを放置している釣り人に聞かせたいですね。

今回、とても嬉しかったことは、
福井先生の講義で、メダカが減ってしまった原因の説明に、
外来魚のことが一つもなかった点です。
コンクリート化による環境の変化、田圃への道筋の遮断、
農薬の影響など、人工的な環境の改変が、
メダカを絶滅危惧種にしてしまった・・・と言うことでした。

このような正しい講義をしてくれる先生ばかりなら良いのですが、
未だに『ブラックバスはメダカを食べちゃうんでしょ!』。
とヒステリックに叫ぶオバサンやオジサンがいることも事実。
僕等はこのような人たちに、丁寧に説明して行くことが必要ですね。

この日、霞ヶ浦に生息する小さなメダカを学ぶことから、
大きな霞ヶ浦のことを少し知りました。
こうして、少しずつでも霞ヶ浦のことを知ることで、
子どもたちが将来に渡って霞ヶ浦の水質浄化に携わってくれると、
これほど大きな喜びはありません。

僕はバスフィッシングから環境についてのあれこれを学び、
自然環境のあり方を少しは理解したつもりです。
今後も霞ヶ浦の自然を守るために、子どもたちと共に学び、
子どもたちと共に清掃活動を続けて行きます。
どうぞ宜しく!