■ 霞ヶ浦のバスを取り囲む環境を知る

めっきり寒くなりました。
釣り、行ってますか?
僕はこのところ大忙しで、あまり釣りが出来ていません。
だからバスにも出会っていません。
少々淋しいのですが、そんな時は間違いなく出会うことが可能な、
ゴミ拾いや植物観察でお茶を濁しているんですよ。
笑っちゃいますね!

でもね、バスフィッシングに於いては、
このゴミ拾いや植物観察が、
ことのほか重要だったりするんですよ。
それは川や湖の流れを理解することが出来るからなんです。

川は基本的には上流から下流へと流れます。
しかし、農工業や水道水に利用されている川の水は、
下流から上流へと流れることが間々あります。
ポンプで吸い上げられるからですね。
これを知るにはゴミの観察がとても重要です。

一方、湖では風や水温差によって湖流が発生します。
途方もなく広い霞ヶ浦でさえも、その水が動くのです。
その水の動きを知るには、
やはり浮遊ゴミの動向を知ることが重要なんですね。

「ゴミの集まる所!」

これが流れを探し当てるキーポイントですね。
ゴミの集まるところは、流れが淀むところでもあります。
そして、ゴミの幅や堆積の仕方によって、
水の動きの方向が推測できます。

 

すると、必然的にどこで餌を待っているかとか、
どこに隠れているのかとか、
過ごし易いのは何処だとかのバス待機所、
バスストップが見えて来るんですね。

狙いすましたあの場所に、
一発でルアーを投げ入れるのですが、
これには日頃の練習や努力の成果が発揮されます。
練習や努力の足りない人は、
ハニースポットを潰してしまうことになります。
そこで、常日頃から練習をしましょうね。
魚を釣ることや探すことだけがプラクティスではないんですね。

これらのゴミと同様、水中の水生植物たちも、
川や湖の流れに大きな影響を与えています。
挺水植物のヨシのアウト側は流れが当たるけれど、
インサイドになると流れを巻き込んだり、滞留させたりします。

 
エビモ

また、沈水植物のエビモやササバモなどは、
太陽光を浴びるために、水面近くで大きく広がって行きます。
必然的に水底での生え方は疎らになります。
水面近くは流れを滞留させ、
水底近くでは水が動くと言う現象が起こるのです。

 
ホザキノフサモ

ウィードが多く、その種類も多種多彩な湖沼や河川では、
バスの好むものと好まざるものが発生しますが、
霞ヶ浦のように殆ど無いといった状態の湖沼では、
どんな水生植物であっても、
見つけると宝の山になる可能性が大です。
それが野生のレンコンであってもですよ。

 
シャジクモ

大切な事実は、底質によって繁茂する植物が変化することです。
ヘドロや砂地では生える植物が変わります。
また、石積みや砂利底でも生育できる植物が大きく変化します。
植物は底質によって棲み分けをしているのです。

 
比較

水中では似たように見えるものであっても、
実際に手にしてみると、大きく異なることが判ります。
これらの違いは底質の差にも現れることを覚えておいてください。
だから、藻を見つけたら拾って触れて感じることが大事ですね。

さらに、水質の差によっても水生植物は変化します。
汚濁に強い植物と弱い植物があることは事実です。
また、水底の堆積物から栄養を補給するものと、
水に混入している栄養を吸収するものがあります。

 
ガガブタ

このガガブタは茨城県の絶滅危急種の植物です。
水質の良い場所でないと繁茂できません。
一方、ヒシは多少水質が悪化した水域でも繁茂できます。
もちろん、同じ水域でも両種が混成している場合があります。
その理由は、底質が違うからなんですね。

 
ヒシ

これら植物の習性や生態の違いを知ることで、
バスが棲みやすい水生植物を
しっかりと把握することが出来るのです。
そんなに難しいことではありません。
今ならインターネットで探し求めれば、
すぐに答えが見つかります。

その昔、僕が学んでいた頃は、一旦写真に収めてから、
水生植物図鑑で調べたり、図書館で調べたりしたもんです。
そう、そう、カメラがない時などは、
スケッチをしたりもしましたね。

この様に仕事が忙しくて釣りの出来ない時などは、
ゴミ拾いや植物観察で時間を過ごしています。
最近の嬉しかったことは、
これまた絶滅危惧種の希少種であるミズアオイの発見ですね。
また、クログアイやセキショウモを、
小さな水路で見つけた時も小躍りしました。

 
ミズアオイ

 
クログアイ

 
セキショウモ

良く通うフィールドのブラックバスを取り囲む環境を知ることは、
必ず貴方のバスフィッシングに役立ちます。
そして、よく通うフィールドを知るようになります。
それは取りも直さず、その釣り場が好きになることでもあります。

釣りを愛し、釣り場を好きになる気持ちは、
国を思う気持ちへと繋がります。

たかがバスフィッシング、されどバスフィッシング・・・なのです。

寒い冬が来る前に、フィールドに出て植物観察など、
どうでしょうか?
そう、そう、来たる11月6日(日)には、
霞ヶ浦の53 Pick Up!も開催されるので、
ゴミ観察&ゴミ拾いなんてぇのもどうです?