■2008年に思うこと

久しぶり!
ところで、魚釣りには行ってますかぁ?
で、大物は釣りましたかぁ?
僕はほとんど行けてないんですよ。
会議やら勉強会やら深酒飲み過ぎ会やらで、
釣りにはすっかりご無沙汰なんで……嗚呼、悲しい。

寒いし釣れないから……って言うのが本当の理由?
なんてぇ風に思われてしまいそうですが、
そんなことはちーともありません。
長年に渡って霞ヶ浦と向き合っていると、
あれこれの雑事が多くなるんですなぁ。
そう、釣り人としてはとても悲しいことに。

でもね、1月は3回釣りに行きましたよ。
ボートで1回、オカッパリ2回。
全て坊主です。バスに関しては。
でもね、レンギョは釣りあげましたよ。残念ながら。
しかし、バスからの反応が一つも感じられなというのも、
結構淋しいもんですね。
周りではそこそこ釣っているんですがね。
まぁ、3回しか釣りをしていないってぇことが問題なんですな。

こんな今の僕でも、霞ヶ浦に引っ越した当時は、
真冬の1月であっても14〜15日は釣りをしていましたよ。
バスフィッシングに限らずなんですがね。
でも、ここ2〜3年は釣りの回数がめっきり減っちゃいました。
誰か僕を釣りに連れて行ってぇ!

加えて、今年も2月にはフィッシングショー横浜や、
「53 Pick Up !」などのイベントが盛りだくさんなので、
釣りの機会は……相変わらず減るんでしょうね。
でも、地の利を生かして行ける時に2〜3時間、
投げられるときに20〜30投、
と言う感じで時間と暇を探しながら釣りをする予定ですよ。
見かけたら声を掛けてくだされ。
捕って食いはしませんので……。

 

今、僕は霞ヶ浦導水事業についてあれこれ勉強中です。
霞ヶ浦導水事業とは、那珂川と霞ヶ浦そして利根川を結ぶ、
水の一大ネットワークのことですな。
巨大な地下水路を造り三か所の水辺を繋ぐことで、
首都圏の安心安全な水を確保したり、
流域住民の水対策をしたり、
霞ヶ浦の浄化を図ったりを目的としているんです。

 

だから、関東地方の淡水域での釣りを楽しむ人にとっては、
まんざら関係ないってぇことじゃあないんですよ。
いや、いや、もっと厳密に言うと知っておくべきことですな。
このようなことをきちんと知ることによって、
生態系原理主義者からの一方的な口撃を
サラッと流せるようになるからです。

喧嘩するばっかりが能じゃないんですよ。
フンフンフンと、聞き流せる心の余裕を持ちましょうね。
心の余裕こそ、新しい日本を原動力になりますからね。
そう、フンフンフンと言えば、
いま話題の映画「母べえ」、
その主演女優の吉永小百合さんの持ち歌にありますな。
タイトルは……確か「奈良の春日野」だったと思うんですが。
♪フンフンフン 黒豆や〜♪

さて、さて、話を本題に戻しましょう。
霞ヶ浦導水事業による首都圏の水の確保とはどういうことかと言いますと、
利根川水系にある7つのダムだけでは、
東京・埼玉・千葉の飲料水や農工業用水の確保が難しいときに、
1p水位を上げると黒部ダム4個分を担うことのできる霞ヶ浦の水に、
依存すると言うことなんですな。

利根川や那珂川の流域住民への水対策も同様で、
利根川の水不足の時には霞ヶ浦を通じて那珂川の水を送り、
逆に3つのダムを持つ那珂川の水不足時には利根川の水を融通する、
と言う仕組み作りのための導水路なのでありますよ。
特に、那珂川には利根川のような潮止水門がないために、
下流域の住民は渇水時に塩害を被るとのことで、
この対策としての水門建設よりも有効な手段なんですな。

 

で、霞ヶ浦の浄化と言うのはその導水事業の副産物で、
那珂川の水と利根川の水が行ったり来たりするのだから、
それまで滞留していた霞ヶ浦の水に動きが加わるでしょ。
加えて、COD3の那珂川の水とCOD5の利根川の水が、
COD8の霞ヶ浦で行き来するのだから霞ヶ浦のCODは、
必然的に下がると言うことなんですな。
一挙両得や一石二鳥ではなく、
一挙三得とか一石三鳥と言うことなんですね。

 

確かに、水の行き来によってその水域の生物相は変化するでしょう。
汚い霞ヶ浦の水をなぜ? と思う人もいるでしょう。
でも、その汚い水を我々流域住民は水道水として飲んでいるんですよ。
我々は魚も棲めないような水を飲んでいるんですか?
また、今現在でも塩害で苦しんでいる人や、
水飢饉に晒される人をそのまま見捨てていいのでしょうか?
生態系を守ると言う大義名分だけで、
苦しんでいる人々を見殺しにするのは、
人の道に外れるのでは? と僕は思ってしまうんですね。

地球は水の惑星と言われるくらいに水の豊富な星です。
でも、その殆どが海の水、つまり塩水なんですね。
で、地球上の淡水はと言うと、たったの6〜7%しかないんです。
さらにこれらのほとんどが氷河や凍土で、
飲み水に使えるものは1%に満たないという事実をご存じですか。

日本では一人が一日に使う水の量が、概ね280Lもあるそうです。
米国人は230L、中国人が50L、ケニア人が20Lと言うデータが、
読売新聞に載っていましたよ。
もし、何かの事故で日本人の使える水の量が、
ケニアの人々と同じになったとしたら、
貴方はその事実を笑い飛ばせますか?
我慢して楽しく仲睦まじく暮らせますか?
生態系を守るために現在の一家団欒を捨てますか?
水の行き来を止めると言うことはそう言うことなのです。
水と安全は無料で手に入る……と言う日本安全保障、
今は神話でしかないんですよ。

これらを踏まえて日本の水事情を考えてくださいね。
山林を崩してまで不要なダムを造るよりも、
霞ヶ浦の水を2cm増やしたら黒部ダム8個分、
3cm増やしたら16個分という広大な霞ヶ浦と言う湖を、
貯水池として日本人のために利用しない手はないと思うんですな。

  

その貯水池の水をさらに有効利用するために、
満水時期の異なる利根川と那珂川を、
霞ヶ浦で結ぶ霞ヶ浦導水事業は必要不可欠であり、
推進すべき事業であると、僕は思うんですよ。

例えば、利根川や那珂川の上流部にさらなるダムを造られて、
山林が伐採され景観が壊されるよりも、
僕は霞ヶ浦導水事業を推進して水の確保に努めて貰いたい。
その結果、霞ヶ浦が浄化されるかもしれないし、
それほどの効果はないかもしれない。
未来のことは誰にも判らないことですが、
日本人がより安全に生きて行くための方策は蔑ろにはできません。

 

2004年4月21日、石原伸晃国土交通相宛てに提出した
常陸川水門への魚道設置要望署名の願いが叶って、
今年の3月から工事が着工されるとのことです。
数年先の常陸川水門には魚道が完成する予定です。
オーバーフローでも唯一の霞ヶ浦のの排出口が完成するんですね。
釣り人の力が国を動かしたのです。

そんな霞ヶ浦に新たなる水が注入されるとなれば、
湖水の滞留時間は今まで以上に短縮されるでしょうね。
結果、霞ヶ浦の水が早いサイクルで動き始める。
霞ヶ浦導水事業を知れば知るほど、
霞ヶ浦での魚釣りを愛する釣り人の一人として、
この事業を支援して行こうと思いましたね。

約二千億円の国家予算で行われている霞ヶ浦導水事業。
道は半ばまで出来ているのだから、
ここでストップしたら安心安全な水の確保、
関東一円の淡水の確保が危ぶまれるんです。
そして、世界は石油から淡水の確保に動き始めている事実を、
日本人、そして淡水域の釣りを愛する釣り人なら
知るべきだと思うんですよ。

 

なんてぇことを考えながら、霞ヶ浦で釣りをしていると、
この水を飲んだり、食べたり、楽しんだりして、
僕たちの暮らしはあるんだなぁ。と、つくづく思うんですな。
だからこそ、霞ヶ浦の湖水を良くするための方策なら、
どんどん応援しようと思ったし、
清掃活動も継続して行こうと心に決めましたよ。
バスフィッシングを含めて、楽しい魚釣りを味あわせてくれる
類い希なる霞ヶ浦と言うフィールドに感謝、
と言う気持ちがより大きくなりましたね。

 

今年から茨城県では環境税が試験的に導入されるようです。
環境税の一部は、霞ケ浦の浄化事業に使われるとのことでした。
霞ヶ浦で釣りを楽しんでいる皆さんには、
その辺を十分認識の上で、
環境に負荷を掛けない釣りを楽しんでくださいませ。
この淡水域がないと僕らの楽しい釣りは味わえないし、
安心安全な水の確保も『危ぶまれる!』のですから。

僕はね、霞ヶ浦がきれいになるのならゴミ拾いでも導水事業でも、
何でもやってあげたいと思うようになりましたよ。
そして、自慢となる霞ヶ浦を、
次の世代の子供たちに釣りと共に残したいと思いましたよ。
霞ヶ浦よ永遠なれ! バス釣りよ永遠なれ!!
そんなことを思った2008年の初頭です。

 

2008年2月24日(日)に、
霞ヶ浦クリーン大作戦「53 Pick Up !・冬の陣」が開催されます。
今回は土浦新港をベース基地に行われますので、
是非、多くのアングラーの皆さんにご参加いただければと思います。
詳しくは、http://www.npo-mizube.org/ をご覧ください。

 来る春の 大漁願って ゴミ拾い

と言うことで、みんなで拾えばより多くのゴミが拾えますし、
バスたちにとってゴミのない快適な居住空間が出来ると思います。
皆さんの参加を待っていますよ〜。
尚、この「53 Pick Up !」当日に、
霞ヶ浦導水事業早期完成要望書の署名を行いますので、
賛同いただける皆さんには署名をお願いいたします。