■気がついたら晩秋

8月と9月は、何が何だか判らないほどに忙しかった。
バス釣りで・・・と云いたいところなのだが、実は違うんだね。
ご存知かも知れないが、霞ヶ浦でも一部の生態系フェチの連中が、
外来魚のリリース禁止を訴えている。
彼らへの抵抗措置で大忙しだったのだ。

生態系とか生物多様性を金科玉条に、
外来種を攻撃する連中はどこにでもいるのだけれど、
ここ霞ヶ浦ではそんな話は無いと思っていた。
霞ヶ浦の水辺に集う人たちの願いは、
この汚濁しきった霞ヶ浦の浄化と云う命題で、
纏まることができるのでは? なんて考えていた。
しかし、それは甘かったね。

普通に考えてだよ、
周囲にシートパイルを打ち込み、その上をコンクリートで塗り固め、
さらには水門によって水の動きを遮断した霞ヶ浦で、
生態系に影響を与えるから云々・・・と云うのは、
少々無理が過ぎると思わないかい?
極端に云えばだね、学校のプールに生態系があるってことだろっ。

でも、その無理を押し通そうとしているのが、
生態系を声高々に唱える連中なのである。
そこには人間の社会生活や、経済などは入り込む余地がない。
人間と自然との共生や共存を一番訴えているのは、
オレたちバスアングラーであると思うのだが、
耳を貸そうとはしない。
実は、彼らはブラックバスよりも、バスアングラーが嫌いなんだ。

ブラックバスの駆除を叫んだり、駆除を釣り人に強制する前に、
守るべきルールやマナー、水域などを確定し、
厳しい罰則を設け、その違反者に科すべきであるのに、
何も行われない。
釣り人の代表である日釣振や自然環境保護団体、
環境省、農水省、国土交通省、自治体などを交えて
きっちり話し合いが行われないとならないのに、
そんな話は聞いたこともない。

環境省は経済的理由で、
東京都のディーゼル規制に二の足を踏んでいるというのに、
オレたちのブラックバスを駆除しようとしているのは何故だ。
それよりも先にすべきことがあると思うのは、
バスアングラーのオレだけはないはずだ。
東京都のディーゼル規制条例はスゴイよね。
一般の人も仕事の人も分け隔てなく規制したことが拍手だよね。
だが、滋賀県のレジャー条例は一般の人だけを締め出しにした。
行政と業者がつるんでいる・・・と見られても仕方がないことだな。
リリ禁でも2サイクルでも、規制をするなら平等にして欲しいな。
国民には、法の下の平等の権利があるはずだ。

こんなような雑事に追われて、8月と9月が過ぎた。
胃が痛くなったり、肩が回らなくなったり、尻が攣ったり、
視力が落ちたりなど、体の不調と戦いながら秋を向かえた。
それほど暑くなかった8月と、少しばかり暑すぎた9月が過ぎ、
10月の声を聞いた途端、涼しさはスルッと通り抜け一気に寒くなった。

季節のはざまで狼狽えているバスを狙って、
紅龍(ホンロン)でシャローを探ると、すぐに反応があった。
水温低下に伴って、十分な酸素が水中に溶け込み、
魚たちも多少は元気になったような気がする。
これで、白濁さえ解消されれば、
きっと以前の霞ヶ浦バスのようなファイトを堪能できるはずだ。
今年の冷夏や大雨は、陸地に大きな被害を招いたけれど、
魚にとってはそれほど悪くはなかったのかも知れない。
その証拠に、今年のシラウオは豊漁らしい。ワカサギは好漁らしい。
これは霞ヶ浦の漁業関係者に聞いた話である。

そう言えば、霞浦の漁業者の方々が、
最下流に設置されている常陸川水門に魚道を造る運動をしている。
オレはこの運動に大賛成で、漁業者の皆さんを支援している。
だって、考えてもみろよ、もし魚道が完成したら、
海と霞ヶ浦が繋がるんだぜっ。
すると、海からスズキやシャケなどが、
霞ヶ浦に登ってくる可能性が高くなる。
もちろん、海産アユやワカサギ、シラウオ、
それにウナギなどの高級魚も沢山登ってくるようになる。
多種多様な生物が棲むようになる霞ヶ浦に変貌すれば、
バスフィッシングだってより面白くなるはずだ。

それに何よりも、それまで停滞していた霞ヶ浦の水が、
魚道ができることによって動き始める。
この水の動きが、霞ヶ浦の水に命を与えると思うんだ。
何事もそうだけれど、停滞していては駄目だよね。水だって腐っちまう。
流動する水であればこそ、命の輝きを保つことができるんだ。
そう、プールが少しばかり川に近づくんだ。
と云うことで、オレはいま霞ヶ浦の魚道設置を支援している。
もし、この運動に興味があったら、
http://www.wbs1.comの 「霞ヶ浦防塵挺身隊」をご覧いただきたい。
詳細が掲載されている。

漁業者は魚を捕る人、バスアングラーは魚を釣る人、
捕ると釣るの違いはあっても、共に水上で魚相手に労務する人だ。
だからこそ、共通の意識や目的を持つことができる。
共通の思いとは、澄んだきれいな水と健康なたくさんの魚だ。
いがみ合うことなく、互いを尊重し、理解しようと思えば、
日本の湖沼は今まで以上に素晴らしい環境を構築すると考えるのは、
オレの一人よがりだろうか・・・。
涼しさを通り越し、寒くなった霞ヶ浦で、
そんなことを考えている今日この頃。

さて、10月の最終週には恒例のBASSER All Star Classicが開催される。
今年もオレは出場するよ。
もちろん、クランキングをメインパターンに組んだ
エリアセレクトのための練習を重ねている・・・筈だったのだけれど、
あれこれの雑事に追われて、少しも練習ができない。
せめてもの練習は毎日欠かさずのキャスティング練習だ。
左右のいずれからでもきちんとキャストできるための練習を欠かさない。
キャストが上手になれば、釣りが楽しくなるからね!

 日々練習 刻々技磨 悠々自釣 果唯神知

人事を尽くして天命を待つ。
自分ができる限りをして、あとの結果は天に任せる・・・
いまのオレはこんな心境なのである。

そうそう、BASSERに書いた「天地一投」であるが、
何もクランクベイトをひと投げし続ける・・・と云う意味ではない。
判りやすく云うと「乾坤一擲」だ。
なに、もっと判らなくなったって!
しかたねぇーなぁー、もそっと簡単に云おうか。
運命を賭けてのるかそるかの大勝負をすることなんだね。
つまり、『ここ一番!』と云うことだ。

10月25&26日は霞ヶ浦で、BASSER All Star Classicが開催される。
是非、オレの大勝負を見に来て欲しい!



それに、スミスも会場にブースを出してタックルを展示するよ。
この秋、その威力を発揮した紅龍(ホンロン)と、
やがて来る冬に活躍してくれる青龍(チンロン)を手にとり触れて、
来るシーズンの釣りをイメージして欲しい。
霞ヶ浦では来月あたりから青龍(チンロン)が活躍しはじめる。