成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 醒井養鱒場ルアー釣り場釣行(10月30日) 》


 平日に休暇がとれたので、6月に平日釣行で楽しめた、滋賀県米原市にあります醒井養鱒場へ行くことにしました。前回釣行時には表層からボトムまで状況に合わせて一日を通して釣果を上げることができ、魚影もうわさどおりの濃さで、十分エリアフィッシングを楽しむ事ができました。今回もまた同様に楽しめると見込んでの釣行です。


 到着が予定より遅れたため、先に入場された方は釣りを始められています。それでも前回好釣果を上げることができた水車からの流れが通る場所は空いていたので、そこを釣り座と定めたのですが、何か状況が妙なんです。魚影が極端に少ないんです。この釣り場はクリアーウォーターで透明度が高いため、魚の状況が視覚で確認できるのですが、6月の時は水車からの流れに沿って群れになって泳いでいたニジマスの姿が全くありません。とにかく見える範囲にポツポツしか魚がいないのです。先行者の様子を見ていても、あまり釣れている様子がなく、脳裏を不安がよぎります。


 苦戦を覚悟しながらも、前回にファーストヒットを得たエッセンシャル1.6gスプーンの中間色からスタートします。そして表層から中層、ボトムと探っていきますが、全くアタリがありません。ファストリトリーブからデッドスローリトリーブまで試してみますが結果は同様。カラーチェンジしてアピールカラーやナチュラルカラーと試してみてもうまくいきません。そこでスプーンをZIL1.4gにチェンジし、やはり色々と探っていったところ、中層付近でポツポツとアタリが出始めたのですが、粘ってもフッキングしてくれません。私のイメージでは同じ中層をもう少しゆっくり引ければ、結果が出るとの確信があったので、スプーンをmkスプーンTRAPの1.0gにチェンジしてみます。カラーはナチュラルカラーです。それで中層まで沈め、デッドリトリーブで探ってみると、やっと一匹目がヒット。この釣り場レギュラーサイズのニジマスでした。これでヒットが続くかと思ったら、そう簡単にはいきません。それでも途中ZIL0.6gスプーンも試してみたのですが結果は思わしくなく、mkスプーンTRAP1.0gに戻すと、アタリがあって何とかポツポツとヒットに持ち込めるという状況です。



 なかなか思うように釣果を伸ばすことができない中、難しいのを覚悟の上でトップウォータープラグや各種ミノーも試してみたのですが、やはり状況を好転させる事ができません。そこでこんな時こそと思い、シボクラDR−Fにルアーチェンジします。この時点で午前11時を過ぎ。雲ひとつない晴天です。そのためカラーはナチュラル系のドラブイエローを選択。これをキャストしたら最初はあまり潜らさず、反応を見ながら次第に潜らせていきます。具体的には着水後、リールを数回転早巻きして潜らせ、希望深度に達したと思ったら、後は一定のスピードでリールを巻き続けます。そうやりながらシボクラDR−Fの最大深度まで沈めてリトリーブしているときにヒット。なかなか引きは良かったのですが、サイズはこの釣り場のレギュラーサイズでした。この直後にシボクラDR−Fに再びヒットがあったのですが、ネットイン直前にバラシ。でもさすがにシボクラの集魚効果には助けられます。


 ここで休憩がてら釣り場全体の様子を歩いて改めて確認してみます。そうすると日陰に魚が集まっている事が分かりました。ただその場所は釣りができなかったり、既に先行者がいたりで、うまくいきそうにありません。そこで一旦頭を整理する意味もあり、そのまま昼食休憩に入りました。
 管理釣り場で釣るための要素は、当然使うルアーや狙う層が重要ですが、それ以上に重要なのは場所です。そこで午後は思い切って、東の陸側へ移動する事にしました。実はこの場所は1月4日の今年の初釣行でやはり大苦戦した場所なのですが、午前中の場所よりは多少魚影が濃いように感じたわけです。


 ここは岸際にやる気のなさそうなニジマスたちが定位しています。このような魚をその気にさせるのは大変なので、調子の良い時であれば無視するところですが、大苦戦の中では無視できません。最初はマイクロスプーンを定位している魚たちの間に沈めながら軽くアクションさせてみると、最初こそ反応するものの次第に反応しなくなります。そこでルアーをボトムノックスイマーエリアのオリーブペレットにチェンジ。それをやはり魚の間に落とし、ロッドティップで軽くアクションをつけてみます。これを続けていると、30cmほどのニジマスが、いらいらしたのかリアクションバイトでフッキングしてくれました。狙い通りのヒットにその瞬間は満足だったのですが、それ以降は魚たちもルアーを見切ってしまい、全く反応してくれなくなりました。


 それからは普通にキャストして探っていきます。ただしシボクラDR−Fをキャストし続ければ何とかヒットしますが、ヒットパターンと言うほどでもありません。そこで手持ちもスプーン、プラグを総動員して探ってみますが反応が得られず、唯一シボクラDR−Fに戻すとポツポツ釣れるという状況です。結局午後3時30までこのパターンは変わらず、技術の稚拙さゆえの大苦戦が続きましたが、そんな中でもシボクラの集魚効果に助けられ、最後まで釣果を伸ばす事ができました。まさにシボクラは私にとって外せないルアーとなっています。




● 使用タックル

ロッド FLBC−S58UL(エルファー)
リール S社1000番
ライン エステル0.3号(直結)

ヒットルアー mkスプーンTRAP1.0g ナチュラルカラー
シボクラDR−F 各種カラー
ボトムノックスイマーエリア オリーブペレット



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