成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 吉野川ルアーフライ管理釣り場釣行(11月9日) 》


 11月9日に吉野川ルアーフライ管理釣り場へでかけてきました。この釣り場は奈良県の五條市漁業協同組合が、吉野川本流にニジマスを放流して、10月から2月まで期間限定でオープンする管理釣り場です。ただ今年は台風による増水で一旦休業に追い込まれ、釣行1週間前の9月2日に新たなニジマスを放流して営業再開したばかりです。

8時の営業開始前にウェーダーに着替え、受付を済ませ向かったのは、管理釣り場区間の中間付近です。管理釣り場区間の最上流部は堰堤付近となり、堰堤下は水深もあり大型の実績もあるのですが、そこでは数釣りを楽しんだ記憶がありません。まず確実に魚の顔が見たかった私は、アングラーが増える前に数釣りの実績のある中間付近から下流側を探ってみることにしたわけです。


 この付近は川底に石が点在するトロ場。とは言え本流で流れの押しが強いので、選んだのは5gスプーンでした。これを流芯を跨ぐようにアップクロスにキャストし、ラインスラッグを取ったら流れにのせてスプーンを沈め、流芯でU字を描くようにリトリーブしてみます。ところが10月の増水により土砂が流れ込んだのか思ったより水深が浅くなっているようで、スプーンが底石に当たっているのがラインを通して伝わってきます。

 釣行直前は若干の冷え込みがあったとは言え、底べったりに魚が張り付いているとは思えません。活性の高いニジマスが居るとすれば中層と考え、ピュアの3.5gゴールドべースのスプーンにチェンジ。これをアップクロスにキャストし、同様に探っていくとすぐに3投目にグンとロッドティップが食い込むアタリを感じます。ヒットしたのは首の振り方から本命のニジマスであることは分かります。何とか逃れようと流れにのって下り始めるのを、ロッドの粘りで何とか流れから引っ張り出し、寄せてみたら思ったより小型の40cm超のニジマスでした。本流での魚とのやり取りはサイズ以上のファイトを楽しめます。


 ここからしばらくはキャストしたら二歩ほど移動して再びキャストする、と言う具合に少しづつ下流側に移動しながらピュア3.5gで探っていきます。すると面白いように35cm〜40cmのニジマスがヒットしてきます。どれも流れの中で寄せては走られを繰り返すので、止水の管理釣り場では味わえないやり取りの連続で、なまっていた右腕に心地よい疲れを与えてくれます。



 そのうち少し流れの押しも強くなってきたのか、ピュア3.5gでは少し浮き過ぎと感じたので、スプーンをドロップダイヤの4gにチェンジ。アップクロスにキャストして探るの事は変えず探っていくと、やはり40cm前後のニジマスがヒットします。やはり中層を探るのがヒットパターンのようです。



 さらに釣り下って瀬に近くなってくると、ますます流れの押しが増してきたので、D−Sライン45mm5.0gにルアーチェンジ。カラーは朝一からのヒットカラーであるゴールドベースです。ここからは瀬頭に定位するニジマスを狙います。

 流れを跨いでダウンクロスにスプーンを対岸の際にキャストします。ここからは瀬頭の少し上流側を通すようにリトリーブしていきます。そしてイメージどおりトレースできると、高い確率でニジマスがヒットしてきます。ただ魚が瀬の中に逃げ込もうとするので、こちらも立ち位置を移動しながらファイトを楽しみます。残念ながらバラシもありましたが、D−Sライン45mm5.0gで数匹のニジマスをキャッチすることができました。


 いったんスプーンへの反応がなくなってからも、まだ同じポイントで釣れそうな予感があったので、魚の目先を変えるためにスプーンをミノーにチェンジ。チョイスしたのはD−インサイト63です。カラーは赤金。これを先ほどまで同様にダウンクロスにキャストし、流れに揉まれる弱った小魚を演出するため、アクションは軽く入れるだけで探ってみると、狙い通りこのポイントでさらに2匹のニジマスを攻略できました。


 瀬頭の魚を攻略した後は、いよいよ瀬の中の攻略に取り掛かります。瀬と言ってもニジマスは流芯脇にいるものです。選んだルアーはパニッシュ70Fミノー。カラーはクロキン。これをニジマスが居つきそうな流芯脇にダウンクロスでトレースしていきます。ところがなかなか反応がなく、諦めかけたところで、リールを伝わってくるテンションに流れの強さとは明らかに違う感触とともに、ジャンプする魚が見えます。あわてず瀬から引っ張り出したのは40cm弱のニジマスでした。

 瀬の中ではこの一匹だけの釣果で、その後は管理釣り場区間の最下流部まで探っていきましたが、全く反応なし。さらにここまで釣り下がってきた区間を逆に釣り上りながら、それまで使ってなかったルアーやカラーで攻略を試みます。ところがアングラーも増え、快晴の天候が災いしたのか、全く反応が得られません。あまりの反応のなさに早めに昼休憩をとる事に。


 休憩後は管理釣り場区間の上流部である堰堤下の水深のある場所を探っていきます。 ここでは7gスプーンやディープダイバーミノーを使い、ニジマスの攻略を試みますが、2時間近く粘って50cmオーバーのニゴイが一匹釣れただけでした。この付近は大型のニジマスをキャッチした実績があっただけに残念です。


 最後に堰堤上流の淵も探ってみました。この付近は放流はないのですが、増水時に登った魚が居るはずです。居るとすれば堰堤に下る直前の淵尻と狙いを定めます。これを狙ってやや上流側からダウンクロスにD−インサイト63をキャスト。淵尻をトレースしきってルアーの回収と思ったところでヒット。30cm超のニジマスでした。この後はD−インサイト63では届かないポイントを、ドロップダイヤの4gで同様に探っていく事で、なんとかヒットさせる事ができましたが、残念ながらランディング直前にオートリリース。目視では40cm前後のニジマスと思われます。これで管理釣り場の全区間を探りきり、集中力も切れてきたのでこの日は終了としました。



 漁協の方のお話では、これからも月一回のペースで追加放流が行われるそうで、次回は大型を狙って、再釣行に訪れたいものです。


● 使用タックル

ロッド IBXX−66MT
リール S社2500番
ライン ナイロン4ポンド
ヒットルアー ピュア3.5gスプーン
ドロップダイヤ4g
D−Sライン45mm5.0g
D−インサイト63
パニッシュ70F



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