成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 なごみの湖ライトエリア(令和元年5月8日) 》


 ゴールデンウィークが終わったばかりの5月8日。午前中は私用があり一日休暇を取ったため、午後は令和最初の釣行に出かけることにしました。行く先は自宅より比較的アクセスの良いなごみの湖湯船森林公園です。こちらの管理釣り場はダム湖に比較的大型のトラウトを放流した本湖と、和束川の本流を堰きとめて25cmクラスのニジマスを放流したライトエリアがあります。この日は午後半日ということもあり、気軽に数釣りが楽しめるライトエリアで遊ぶことにしました。

 5時間の遊魚券を購入後、二つあるライトエリアの下流側である第1ライトエリアに向かいます。まず驚いたのは、その魚影の濃さです。直前のゴールデンウィークは異例の10連休ということもあり、連日放流があったのでしょう。これなら数釣りが楽しめると思ったのですが、・・・・・・。(これが大誤算でした。)


 さて実釣を開始したのが昼過ぎで、この日は雲ひとつない晴天。さらにターゲットはニジマスなので、ミノーは後回しにしてスプーンから始めることにしました。水深はそれほどないので、このエリアで実績のあるmkスプーンTRAP1.4gをチョイス。カラーは時間と天候を考慮して、ナチュラルカラーから始めてみます。これを水深を変えながら、早く引いたり遅く引いたりと色々と試してみます。ところがターゲットのニジマスたちはスプーンに関心を示して追ってはくるものの、いずれも途中で見切ってしまいます。スプーンのカラーを変えても反応は変わりません。そのため、タイプの異なるスプーンにチェンジしたり、さらには1gや0.6gのスプーンも試してみますが、時よりアタリやスレ掛かりはあるものの、ヒットに持ち込むことができません。いくら真昼間とは言え、1時間以上この状況が続くと、さすがに焦りが募ります。


 おまけにこの日は風も強いため、1g前後のスプーンはキャストしづらくストレスが溜まる一方です。そこでスプーンでの釣りはいったんあきらめ、シンキングクランクのプリリーにチェンジすることにします。すぐには反応はなかったのですが、カラーローテーションをしているうちに、何とかこの日一匹目のレギュラーサイズのニジマスがヒット。さらにもう一匹ヒットしたものの、これがヒットパターンというわけでもなく、魚影の濃さが恨めしく感じられます。


 気分を変えようと第1ライトエリアはあきらめ、上流側の第2ライトエリアへ移動することにしました。その途中、ふと見ると、二つのライトエリアの中間の水深の浅いエリアに魚影が見えます。ここは深いところでも30cm程度の水深で、普段は放流が行なわれていません。おそらくゴールデンウィークで押し寄せた大勢のアングラーに対応するため、特別に放流したものと思われます。そこで、ちょっと寄り道のつもりで攻略してみることに。


 1gスプーンを試したいところですが、横向きの風を考慮して、mkスプーンTRAP1.4gをチョイス。これをゆっくり引くと水底に引っ掛かるため、ロッドを立て、若干早めに引いてみます。

 するとリールを早く巻きすぎたため、mkスプーンTRAP1.4gが水面から飛び出しそうになりながら引き波を立てています。なんとそのスプーンに向かってニジマスがアタックしてくるではありませんか。ヒットはしなかったものピーンとくるものがありました。そこでそれからは意図的に表層に引き波を立てるようにリールを巻いてみると、見事にニジマスがヒット。それから同様にして2匹をキャッチできました。どうもゴールデンウィークのハイプレッシューと天候などの条件から、魚の意識は表層にのみ向けられていたのかもしれません。


 そのまま第2ライトエリアへ移動して、最初は同じようにスプーンで表層を探ろうとしたのですが、横風で思うようにリトリーブすることができません。そこで、フローティングタイプのミノーを試すことにします。選んだのはスティルエリアチューンです。

 ただこのタイプは普通にリトリーブすると少し潜ってしまいます。普段はそれで良いのですが、この日はなるべく表層を泳がせたいので、ロッドを経ててスローにリトリーブしながら、潜ったと思ったらストップして表層まで浮き上がらせ、再びリトリーブします。これを繰り返しながら、なるべくスティルエリアチューンが表層付近を泳ぐように探っていくと、狙い通りレギュラーサイズのニジマスがヒットします。高活性時のように続々ヒットとはいきませんが、ポツポツながらスティルエリアチューンをカラーローテーションしながら釣果を伸ばすことができました。



 さすがにスティルエリアチューンにも魚が飽きてきたところで、プリリーを再投入してみます。ただしプリリーはシンキングタイプなため、キャストしたら着水直前から巻き始め、ロッドを立てて沈まないようにリトリーブさせてみると、これにもレギュラーサイズのニジマスがヒットします。ただ、なかなかイメージどおりにリトリーブできる確率も高くなく、手返しも良くないので、再びルアーをチェンジします。


 この日用意したルアーの中で表層を引けそうなルアーとして次に選んだのはクリックホッパーです。最近はほとんど出番がなかったのですが、久しぶりに実践登板させてみたら、この日唯一の連続ヒットするではありませんか。残念ながら1種類しかないのでローテーションできなかったのが残念ですが、この日一番のヒットルアーがクリックホッパーでした。


 続いて試したのが、やはりしばらく出番のなかったカミオンSRです。こちらもフローティングタイプとは言え、普通にリトリーブすると少し潜りすぎてしまうので、スティルエリアチューンと同じような使い方をしながら表層を探ってみます。すると夕マズメ近くなってきたおかげもあってか、順調にヒットしてきます。この後は午後5時過ぎに終了するまで、カミオンSRのカラーローテーションで釣果を伸ばすことができました。



 なかなかパターンがつかめず最初は苦戦しましたが、表層のパターンが分かってからは何とか釣果を上げることができ、一安心の結果を残すことができました。


● 使用タックル

ロッド FLNE‐60GTS(全ルアー)
リール S社1000番(全ルアー)
ライン ナイロン2ポンド(全ルアー)
ヒットルアー mkスプーンTRAP1.4g
プリリー
スティルエリアチューン
クリックホッパー
カミオンSR



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