成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 レイク嵐山釣行 》


 今回も休日出勤の振替で平日に釣行できることになり、京都の管理釣り場である嵐山フィッシングエリアに併設された『レイク嵐山』へ行ってきました。
 関東には芦ノ湖や中禅寺湖といったネイティブな環境でトラウトフィッシングを楽しめるフィールドがいくつもありますが、残念ながら関西近郊で本格的なトラウトレイクと呼べるフィールドが無いに等しいのが現状です。そこで嵐山フィッシングエリアのスタッフの皆さんが、ネイティブのフィールドに雰囲気、サイズ共に劣らず本当に楽しめるフィールドを作り上げたのが、レイク嵐山です。まさにエリアフィッシングとしてではなく、トラウトフィッシングを楽しめるフィールドといえます。そのためレイク嵐山はウェーディングでの釣りが前提で、それなりの装備が必要となります。(フローターも可能)

 さて私が釣行した1月26日は数年に一度の大寒波襲来で、途中の道には積雪も見られます。受付時にオーナーの杉田氏に状況をお伺いしたところ、レイク嵐山は普段より増水気味で、場所によってはウェーディングしづらい。魚のサイズは50cmがスタンダードで、60センチオーバーのニジマスがいるなどの情報を入手できました。


 身支度を整えたら、レイク嵐山の駐車場へ移動。最初に探ったのは観光用ボート乗り場(冬期休業中)の南側である通称大浜エリア。ルアーはネイティブトラウトへのアピールを考えて、ドロップダイヤ4gをチョイス。まずはニジマスが岸際にいる事を考慮して、岸から近場を探った後にウェーディングしてみたが、岸から一気に深くなるため、それほど距離を稼ぐことができません。そのためウェーディングせずに岸よりじっくり狙ってみます。この時期なのでボトムからと考えてドロップダイアを沈めてみますが、沈めてリトリーブしてみると、枯れた水草がフックに引っかかって、思うようにいきません。そこでドロップダイヤ4gいったん沈めたら、ロッドを大きくあおり浮かせてリトリーブしてみると、比較的水草がフックに引っかかる確率も減ります。仮にニジマスがいるとしたら、状況からして水草の間に潜んでいると想像し、水草の上部スレスレをリトリーブできれば、必ずヒットに持ち込むことができると考えたわけです。ただ、冷え込みが厳しく積雪もある中で、早朝よりは太陽が顔を出す時間帯のほうが状況も好転するだろうと、大浜ではリトリーブコースなどを変化させながら、時間をかけて探ってみましたが、魚信を得ることができませんでした。


 午前8時を過ぎ、太陽が雪雲から顔を出し始めた頃、大浜の南側通称土管エリアへと差し掛かったところで、ゴンと明確なアタリがありとともにトラウト特有の魚信がロッドを持つ手に伝わってきました。最初はそれほど大型とは思えなかったのですが、リールを巻き始めると一気にドラグが鳴り始めます。ここからは寄せては走られを繰り返しながら、IBXX−66MTロッドの粘りにも助けながら寄せていくと、最近お目にかかってなかったサイズの魚影が姿を現します。やっとのことでランディングネットのおさまったのは、60cmをはるかに越えるニジマスでした。急いで写真を撮り弱る前にリリースしましたが、さすがの良型に久しぶりの充実感を味わうことができました。



 そのあとも西岸を少しずつ移動しながら、ドロップダイヤ4gのカラーチェンジで探ってみましたが、魚信を得ることはできません。午前10時を回り西岸を探り終わったところで早めの昼食を取ろうと、逆方向に大浜を目指します。ルアーは前回の釣行で好印象だったボトムノックスイマーUのグリーンゴールドカラーにチェンジ。これをフルキャスト後、やはり枯れた水草のスレスレをリトリーブするイメージで探っていきます。すると土管エリアの中央付近で、再び強烈なアタリがあり、ドラグが鳴り始めます。これも一匹目と同様によく走るのをロッドのパワーでいなしながら、やっとの思いでキャッチできたのは、再び60センチを超えるニジマスでした。



 60センチオーバー2本をキャッチできたところで、早めの昼食休憩とした後、12時頃からはレイク嵐山の東岸を歩きながら探っていきます。ただ、積雪がありウェーディングルートが見つけづらい。何とかウェーディングして、複数のルアーで探ってみても魚からの反応が得られません。そのまま一周して西岸に戻ったところで、スプーンに小型のヒットはあったものの、魚影を確認する前にフックアウト。終了予定時刻が近づいてきたので、午前中に2本をキャッチできた大浜・土管エリアで、ルアーチェンジしながら粘ります。すると終了直前にボトムノックスイマーUゴーストメタルRGに強烈なアタリ。ロッドを通して伝わってくる感触から、明らかな良型であることがわかります。やはり走られるのを慎重に寄せてくると、午前中の2本と同様サイズの魚影を確認できます。『ヨッシャー』と思った瞬間、首を振られて痛恨のフックアウト。なんとも言えない虚脱感にみまわれ集中力も続きそうに無いので、これで終了としました。


 レイク嵐山の雄大なロケーションは、関西でも屈指のトラウトレイクと言えます。数は釣れなくても、魚とのやり取りは管理釣り場のそれとは明らかに異なり、ネイティブそのものです。次回は季節を変えて訪れてみたいものです。

 最後に、2月末まではレイク嵐山を3000円(ビジター料金)で楽しめる特典があることも、申し添えておきます。


【魚の写真に関して】
今回はお借りしたネットが小さく、魚を陸に揚げて写真を撮りましたが、これは本来釣り場のレギュレーションに沿う ものではありません。60cmオーバーの魚をランディング出来るラバーネットをご用意ください。今回は特別に釣り場の許可を得て写真撮影ならびに掲載しています。


● 使用タックル

ロッド IBXX−66MT
リール S社2500番
ライン ナイロン4ポンド
ヒットルアー ドロップダイヤ 4g
ボトムノックスイマーU



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