成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 五條吉野川ルアーフライ管理釣り場(平成29年10月21日) 》


 この釣り場は奈良県吉野川の五條地区に、ニジマスを放流して10月から2月まで期間限定でオープンする管理釣り場です。ただ管理釣り場とは言え、吉野川の本流での釣りになるため、ウェーダーなどは必須と言えます。月初から10月21日はこの管理釣り場へ行こうと計画していたのですが、1週間前から秋雨前線の影響で、量はそれほどではないものの連日の雨。前日に電話で確認した漁協の方の話では、若干の濁りが入り増水はしているものの、釣りが出来ないほどではないとのこと。ただ当日は台風21号の接近により激しい雨が予想されており、急な増水も心配される中での釣行でした。


 午前8時の営業開始前に現地に到着してみると、吉野川は笹濁り状態で平時に比べると増水しているが、まだこの時点では十分勝負になりそう。ただ、朝一に受付を済ませのは私一人。さすがに激しい雨と増水が予想される本流で、釣りをしようという物好きはいないようです。(後からフライマンが二人来ましたけどね)



 ウエーダーとレインジャケットに身を固めて、区間の中ほどへ移動。そのあたりは流れも緩やかで、昨シーズン放流魚が溜まっていて、楽しい思いをした場所です。そこで最初にラインに結んだのは昨シーズンのヒットルアーだったピュア3.5gです。カラーは笹濁りの中でも目立つように金ベースのアピールカラーをチョイス。流れを跨ぐようにクロスキャストし、流れにのせてリトリーブして、流れの中心でスプーンがU字を描くように探っていきます。昨年はこれで30cmクラスのニジマスが次々とヒットしたのですが、・・・・・今回は全くの沈黙。アタリも何もありません。増水した川で魚は上流へ移動したのか、それとも下流に下ったか。疑心暗鬼になりながら釣り下ることに。


 最初はピュア3.5gをカラーチェンジしていたのですが、どうも表層の流れに押されすぎているようなので、ドロップダイア4gスプーンにチェンジ。中層から下を探るために、キャストもクロスからアップクロスにチェンジ。スプーンが着水後に糸ふけを取ったら、流れに任せて沈ませた後にリトリーブ、というやり方で探っていくと、やっとファーストヒット。ロッドを通して伝わってきたのは大物の感触・・・・・。ただ、首を振らないし、ひたすら重い。やっとのことで浮き上がった魚体は黄色っぽい。なんと待望のファーストヒットと思ったのは、60cmクラスのニゴイでした。(がっかりです)


 気を取り直してドロップダイア4gスプーンで探り続けていると、流れの中心から少し手前までリトリーブしたところで、ゴンと明確なアタリ。アワセを入れたところ、数回首を振った後、流れに乗って走り出します。ロッドの粘りで流れから引っ張り出し、やっとの思いでネットインしたのは48cmの本命ニジマスでした。さすがにこのクラスのニジマスとの本流でのやり取りはスリルがあり、取り込んだ時の満足感も格別です。

 その後、いかにも魚が付きそうな瀬頭のポイントまで来ました。そこでは手前側から水深と流れの強さに合わせてピュア3.5g、5g、ドロップダイア4gスプーンを使い分けながら探ってみると、連続ヒットも含めて30cm〜40p弱のニジマスを次々とヒットさせることができました。どうも魚は瀬頭についていたようです。


 ここで一定の釣果を確保できたところで、瀬の中やさらに下流の淵も探ってみましたが、こちらではノーフィッシュ。特に下流の淵は水深があるので、重めのスプーンを沈めて探ってもみましたが、川底が砂地のためかニジマスの反応は全くありませんでした。


 これで中間から下流側を釣り終わったところで、区間の中間部より上流を探るために移動。瀬頭で30cmクラスのニジマスの釣果を追加した後、区間の最上流部である段々堰堤の下に。
 このころになると雨も本降りとなり、次第に水量も増えて立ち込むのも危険な状態になってきました。特に堰堤からの流れ出しは水深もあり流れも強いので、その中でもしっかり泳いでくれる細みのシルエットが特徴のヘブン7gスプーンにチェンジ。ニジマスは中層より下にいると狙いを定め、アップクロスにキャストし流れにのせて沈めて探っていくと、ヘブン7gが流れ切った付近で、根掛かりかと思われるようなアタリがあり、生体反応が伝わってきます。反射的にアワセを入れると獲物は下流側に走り出し、一気にドラグがなり始めました。増水した川の中で慎重に移動しながら、寄せては走るを繰り返しながら時間を掛けてネットインしたのは、この日最大の52cmのニジマスでした。


 その後も、ここはと思われるポイントを重めのスプーンで探ってみましたが、残念ながら魚の姿を見ることはできず、増水していく川に命の危険も感じながら昼過ぎで終了としました。


 今回は悪天候ながら本流での50cmクラスのニジマスとのやり取りに、半日とは言え十分楽しむことができました。次回は気持ちの良い気候の中で、のんびりと楽しみたいものです。


● 使用タックル

ロッド IBXX−66MT
リール D社2500番
ライン ナイロン4ポンド
ヒットルアー ピュアスプーン 3.5g 各種カラー
ピュアスプーン 5g 各種カラー
ドロップダイア 4g 各種カラー
ヘブンスプーン 7g



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