■ 流れのあたる鏡で
日の出前の朝マズメは、大型も流れに出て積極的に餌を追うこともある。しかし日差しが眩しくなるころには、流れのあたる障害物周りや水面に垂れ下がる木々の奥に身を隠してしまう。この日も淵から瀬までを川通しで歩き、覆い被さる木々と大岩前の鏡にやってきた。まずは上流側にキャストし、オーバーハングした木々の下を流してみた。ルアーはウェイビー50S。ロッドティップを軽く動かし、わずかに震えるようなアクションで大岩前の鏡まで誘ったが反応はない。「居ないのか?」次に岩の前の深みに潜む魚を狙って少し上流に立ち位置を変え、流れに乗せながら鏡の下流の深みに流し込むと、岩の下からアマゴが溜らずバイトしてきた。ロッドはマジカルトラウト MT-S56ULM/3。3ピースのコンパクトなロッドだが、しなやかなアクションと高い質感でお気に入りのモデルだ。バルサやジェイドなど軽量ミノーを操るには丁度よく、インターボロンXXを押しのけ、この川のメインのロッドになりつつあった。
このポイントでバイトを取れば下流の荒瀬に入られてしまうのは仕方がないが、しなやかなマジカルトラウトのベリーは、下流の荒れた早瀬の衝撃をしなやかに受け止め、バラしの心配は無用だった。細身のブランクスだが良型も難なく抜きあげるバットパワーを併せ持ち、この荒瀬に落ちた魚に主導権を与えることなく、足元まで寄せることができた。
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