成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 五條吉野川ルアー・フライ管理釣り場釣行 》


 今回は奈良県五條市に10月から2月と時期を限って開設させれる、五條吉野川ルアー・フライ管理釣り場へ行ってきました。ここは五條市漁業協同組合が吉野川本流700mに30cm〜60cmのニジマスを放流した釣り場で、本格的な流れの中でニジマスとのやり取りが楽しめます。


 当日は釣り場の営業開始時間である午前8時前に現地入りし、若い女性スタッフにコーヒーをご馳走になりながら、釣り場の事を教えていただいたうえで実釣を開始します。

 まずは釣り場の最上流部である大川橋下の落ち込み左岸からを釣り下ることに。この辺りは川幅もあるため、膝ぐらいまでウェーディングせざるをえませんが、それでも川幅全体を探るのは不可能です。

 最初はミノーでの釣果にこだわり、D−コンタクト63を手前の流れから順番に探っていきますが、なかなか魚信が得られません。少しづつ下流に移動しながら、数種類のミノーを場所に合わせてチェンジしながら、アップ、アップクロス、クロス、ダウンクロス、ダウンと探っていきますが、約1時間たってもアタリが一度あったきりでミノーでの釣果はえられません。

 どうも釣行の5日前に放流されたばかりである上に、2日前からの急激な冷え込みが影響したのか、ミノーに反応してくれるニジマスに出会うことはありませんでした。


 ミノーでの釣果はあきらめスプーンにチェンジすることに。実釣開始から1時間が経過しエリア最上流から三分の一ほど下った辺りは川底に石が点在するトロ場で、若干水深も浅そう。そこでピュア3.5g赤金スプーンを流れを跨ぐようにクロスキャストし、流芯でU字を書くようにリトリーブさせてみると、スプーンにチェンジして一投目からゴツンと明確なアタリとともに一匹目がヒット。ただ残念ながら数度首を振られたすえにバラシてしまいました。

 気を取り直して同様にキャストしてみると、今度は流芯に入る前に連続ヒット。流れにのって逃げようとする魚をIBXXシリーズロッドの粘りでいなし、慎重にリールを巻きながらランディングできたのは32cmのニジマスでした。本流での魚とのやり取りは止水エリアの比ではなく、経験のない方には是非味わっていただきたいものです。


 その後も同じ場所でほとんど移動することなく、ピュア3.5gだけで30〜35cmのニジマスを10匹程度ヒットさせることができました。具体的には魚が溜まっているようなので、なるべく魚を飽きさせないように一つのルアーでヒットさせ、反応が悪くなったらすぐにカラーチェンジといった作戦がうまくいったようです。



 さすがに10匹程度ヒットさせると魚もスレてきたようなので、少し釣り下って場所を移動します。するとそれまでと同じようなトロ場ながら水深のある場所に来ました。そこでスプーンをピュア3.5gからD−Sライン45mm5gにチェンジします。このスプーンは穏やかな流れでもしっかりと泳いでくれ、そのシルエットの大きさからサイズアップが狙えます。

 キャストは同じようにクロスキャストとU字ターンで探ってみると、それまでとはまた違ったひったくる様なアタリがあり、いきなり大暴れを始めました。ラインは6ポンドを巻いているので、多少強引に引いても良いのでしょうが、せっかくヒットした魚とのやり取りを楽しみながランディングできたのは40cm超のニジマスでした。



 その後も場所に応じてスプーンを使い分けポツポツと釣果を伸ばしながら釣り下ると、エリア最下流部の落ち込みからの大淵まできました。落ち込みから流れ出しでは本命ニジマスの魚信は得られず、65cmのニゴイがヘブン7gスプーンにヒットしたのみ。やはりこの日は流れのきついポイントでのニジマスの釣果は得られずじまいでした。

 そして大淵の淵尻にも魚が溜まっていました。ここは左岸よりは浅瀬が続いているので、川の中ほどまでウェーディングし、クロスもしくはダウンクロスでキャストしU字ターンで探っていきます。スプーンはピュア5gスプーンを選択。ここでも連続ヒットを含め7〜8匹をヒットさせることができました。


 ここまで釣り下ったところで11時30分となり、ここで昼休憩。 午後はそれまで反応が良かったところ、探りきれていない場所を移動しながら探ってみます。するとトロ場の流芯の手前に黄色い棒のような物が漂っているのが見えます。まさかと思って、上流側からダウンクロスにピュア5gBYMカラーをキャスト。その黄色い物体の50cmほど上流でU字ターンするようにリトリーブします。するとその黄色い物体がスルスルと前進したと思ったら、いきなりゴンとロッドにあたりが伝わってきました。

 ヒットしたのは34cmのアルビノのニジマスでした。まさかこんなところでサイトフィッシングが楽しめるとは驚きです。


 結局、午後は日差しの関係もあってか、アルビノ以外は目だった釣果もなく、午後2時30分に終了としました。


 この釣り場は期間限定とは言え、本流でトラウトが楽しめる管理釣り場として全国的にも稀有な存在です。一般的な長靴で楽しんでいるルアーマンもいるようですが、この釣り場を100%楽しむためにはウェーダーはあったほうが良いでしょう。

 また漁協の方のお話では月に1回程度で追加放流もあり、ますます楽しみな釣り場となりそうです。


● 使用タックル

ロッド IBXX−66MT
リール D社2500番
ライン ナイロン6ポンド
ヒットルアー ピュアスプーン 3.5g 各種カラー
ピュアスプーン 5g 各種カラー
ヘブンスプーン 5g 各種カラー
ヘブンスプーン 7g 各種カラー
D−Sラインスプーン45mm5.0g各種カラー
プリリー 各種カラー



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