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池谷 成就
ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。
「かわせみ倶楽部」主宰。
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禁漁に追われるように重い重い腰を押され、懸案だった利根川支流の支流源流部への釣行がやっと叶った。いつもの源流釣行とは一味違い、いきなり急勾配の降りから始まる道中は、だらだらと平均斜度25度ほどの廃道が続く。
日頃の運動不足を悔やむも、両足のふくらはぎには相当こたえている。釣り場に着く頃にはすでにへろへろで情けない状態に。それでもタックルのセッティングを始めるのは釣り人の本能的だろうか。
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今回は歩き覚悟だったので、振り出し式のパックロッド、マジカルトラウトULフラッシュMTS-TE55HUL。スピニング用をベイトリールで使用した。すでにへとへと状態の私は同行のフライマンに先行してもらい、後からゆっくりと釣り上がる。小さな巻き返しにスプーンを投入しクロスストリーム気味に引いてくるとすぐに小さなイワナがヒットしてきた。
その後も釣り上がっているため、アップ・クロス・ダウン・しゃくりと狙っていくと、この日はショートレンジでのクロス後ポーズでのヒットが最も多かった。
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苔の密生した倒木にはきのこが生え、やはり山の中の季節も確実に秋を感じさせてくれる。猪・鹿・かもしか・猿・熊の足跡が冬の準備だろうか生々しく無数に交差する。しかしここは高崎市の北西山間部。
砂防ダムを作った時のものだろうか、朽ちかけた廃道も入り乱れて走る。一生懸命に釣り過ぎると迷ってしまいそうだ。似たような細流が数本流入してくるのも、一瞬あれっと思わせる急峻でなんとなく陰湿な日当たりの悪い景色も特色がない。全てがどこかで見たような景色だ。
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イワナはこんなところが好きなのだろうきっと。日常、餌の少なそうな流れだが意外と魚はがっちりとした体系だ。利根川水系の中でも烏川(からすがわ)のイワナは独特な唐草模様の在来系が細々と生き延びているが、この支流は源流部の中でも烏川に流入するが、同じ利根川水系とはいえ吾妻川系統のイワナを疑ってしまう模様だ。山ひとつ超えれば、吾妻川水系なのでイワナの移入があったのかもしれない。魚は濃かった。
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やはり釣りは釣れないとつまらない。大満足の半日釣行。アフターフィッシングのお楽しみは、なにはなくとも温泉に直行した。
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