幸い当日は晴天に恵まれ、稚魚放流、河川清掃、エキスパートとの意見交換や技術講習などに加え、協賛メーカーからのタックルオークションやイベント限定グッズの販売などで大いに盛り上がった。全国各地から訪れるサクラマスアングラー間相互のいい交流の場になったと考えている。当日の模様は公式ＷＥＢで紹介されている。興味のある方はご覧いただき、是非次回は参加願いたい。

サクラマスアンリミテッド公式ＷＥＢ http://mkhnufsp.wix.com/sakuramasuunlimited

■　ＧＷ後半

　 連休後半は肌寒い天候で始まった。低水位で安定した今の状況では、魚の動きは期待でない。釣れ続けた中上流部の魚達も、連日のプレッシャーで反応が悪くなってきたように思われる。

　ただ下流部にはフレッシュランと思われる個体が確認されており、初日に上流部で何の手掛かりも得られなかった私は、フレッシュ狙いで釣り場を下流部にシフトすることにした。

■　早朝から下流部に

水位の低下とともに釣り人は流れのある上流部に集中していく。だが果たして釣れるのは上流の流れのある場所だけなのだろうか？いくら流れがあろうとも、度重なる人的プレッシャーで魚も怯えているに違いない。いいポイントには釣り人が集中し入川は難しくなり、魚が居たとしても口を使わなくなるだろう。

　 これほどまでに上流部に釣り人が集中し始めると、私はプレッシャーを避けるため下流部を攻めることがしばしばある。プレッシャーの掛かり具合を考えながら、自由に探れる下流部で遡上の遅れたフレッシュを狙うのだ。

　 翌朝は中角橋をポイントに選んだ。下流部でも速い流れには釣り人の姿はあったが、緩い場所にはまったく人影がない。橋脚下のテトラから下流の瀬をピンポイントで攻めたあと、天池橋上流に釣り上がっていった。遠くに見えるＪＲからの落ち込みの瀬は、多くの人で賑わっていた。ただそのすぐ下の天池橋にかけての深みやシャローは全く攻められた様子はなかった。

■　天池橋上流右岸

　解禁当初、天池橋右岸は河川工事の真っ只中。右岸の木々は伐採され開放的になったが、残念な風景の釣り場になってしまった。ただ遡上の遅れたサクラマスが、一旦休憩を取るには十分な流れと深みは残っていた。そこで天池橋直下から仁愛短大裏の緩い流れを、ＪＲ下流の落ち込みまで釣り上がっていった。

　まずは天池橋橋脚まわり。上流からの流れが一旦開きながらこの橋脚に当っている。橋脚周りの地形の変化や深みには今日は反応がなかった。

　次に水深1ｍ程の開きが上流に向って深くなっていくトロ場。水中にテトラなどが沈んでおり、底質は小砂利か泥。小さなミオやかけあがりはあるものの全般的にフラットな地形。釣り上がるに従って序々に深さを増す水深に合わせ、ルアーもＳＲからＭＤ９０に変えていく。カラーはピンクスラッシュ。この濁りならばチャートを選ぶところだが、日が高くなったのでフラッシングの強いホログラムを試すことにした。やや上流にキャストし、流れに馴染ませながらゆっくりと送り込み、魚が居そうなレンジを探っていく。あまりアクションは加えず、チェリーブラッドが持つフラッシング力で誘っていく。糸ふけを取りながら自然に流したルアーが、下流に流されながらＵ字を描きはじめた瞬間、魚からのコンタクトがあった。「来た！」今回は小さいが明確な当たりとともに魚は喰ってきた。いやいや首を振りながら水面に浮上した白銀の魚体を確認し、ゆっくり動きをみながらラインを回収していく。もちろんベリーをフックは口の一番いいところに掛かっている。これなら外れることはない。じっくりと魚とのファイトを楽しみながらランディング。獲った！濁りの中、ピンクスラッシュで。

　 魚は５５ｃｍ。小型だったがプロポーションのいい魚。水位が下がり、流れのある上流部に行きたくなるところを敢えて下流域の不人気ポイントで獲る。これがたまらなく気持ちいいのだ。

　 この朝５００ｍほど上流のＪＲ下流で、早朝７１ｃｍの大型が上がったようだ。その後も３匹ほどキャッチされており、フレッシュ狙いの下流部攻略は間違いではなかった。ただ大型は流れのあるいい場所に陣取り、Ｂ級ポイントは小型になってしまうのか？獲ったことは素直に喜べたが、少し複雑な気分になった。今年は６０ｃｍ超えの魚に出会えないな。次回こそ大型を狙って獲りたいものだ。