緩やかだった張り出し周辺の流れも、土管の瀬に向って序々に勢いを増して流れていった。ロッドで水深とトレースコースをコントロールし、ナチュラルドリフトで魚の反応を見ていく。
少しずつ流す角度を替えながら流し始めた数投目。サクラマス特有の首を振るような当りとともに、サクラマスが水面に姿を現しローリングを始めた。「喰った。」
だいぶ遠くで掛けたので確認できないが、しっかり見せたので今回も腹のフックをしっかり喰っているだろう。ただ浅瀬で無理なファイトはしたくない。ローリングで底石にルアーが触れるとフックが外れることもある。このまま流れに乗って土管に下られても厄介だ。そこで少しドラグを締め、ゆっくりと水深のある所に誘導しながら、慎重に寄せてランディングに持ち込んだ。大きな魚ではなかったが、この魚も体高のあるいいプロポーション。鱗もしっかり付いており、暫く川で過ごした個体であることがわかる。長さは55cmと小ぶりだが綺麗なサクラマスだった。 |