池谷 成就

ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。 「かわせみ倶楽部」主宰。


《 バラギ湖 》


 群馬県の北西部嬬恋村に位置し、長野県境四阿山(あずまやさん)の麓、標高1,400mのバラギ高原にある周囲2kmの湖。人造湖ながら湖面標高が高いため、北海道と同じくらいの平均気温といわれている。

 僕の釣歴とこの湖とのかかわりは古く、1976年に遡る。高校2年生の時、先輩の実家に泊めもらい連れていってもらった湖で、当時のタックルとしては、キラク社のウルトラライトアクションのパックロッドに、大森製作所のマイコンというスピニングリール、アブロンだったか4ポンドのナイロンラインに、オークラだったかクルセイダーだったか7gのシルバーのスプーンで釣りあげたニジマス62cmには僕も先輩の家族も初めて見る大きさに驚いた記憶がある。

 以来時折訪れる湖だったが、管理母体が大手の「無印良品カンパーニャ嬬恋」となり冬季のワカサギ釣りでは頻繁に釣行していたものの、トラウトフィッシングとしてはとんとご無沙汰していた。そんな折、ふとした事からK氏兄弟よりお誘いをうけ、久々の釣行となった。


 湖畔の事務所ボートハウスで手続きをすると、手渡されたのが釣り券と熊鈴。上流左岸側の遊歩道に時折出没するとのことで注意喚起される。たしかに緩やかな斜面に熊笹が生い茂りいかにもというシチュエーションに一人のんびりのキャスティングは恐さを感じた。



 釣行当日は前日の下界の暑さが嘘のような寒さに、一枚以上余分に着込んでの釣り。タックルをセッティングしている時にスプーンBOXを忘れたことに気付く。

 バラギ湖の湖底は浅く、おそらく最深部で3mをきっているように感じる。また底はフラットで根掛かるようなものは無い。上流部はとても浅く、時折朽ちかけた植物のようなものが付いてくる。基本的には桟橋か湖岸からのキャスティングなのでどうしても遠投したくなる。

 そこで取り出したシングルフック仕様に変更したD-コンタクトをキャスト後、ロッドを縦気味に構えジャーク気味に煽りながらリーリングをしているといきなり強制的にリーリングを止めるような強烈なアタリにヒットしてきたのは40cm弱のニジマス。

 午前中は歩いてはキャスティングで4尾をキャッチそしてリリース。K氏兄弟は良型ニジマスとブラウントラウトのダブルヒット。




 午後は手漕ぎボートを使用しての釣りではワカサギを模したミノーに中の大といったサイズのスチールヘッド種と美形ニジマス。ともにクオリティーの高い魚体にしばし目を奪われる。

 40cmちょっとのスチーリーは7回ほどジャンプし水面を炸裂させた。50cm半ばのニジマスは何度も何度もボートの下に潜りそのたびラインがオールに絡みひやひやさせられた。それぞれ異質だが強烈なパワーを堪能させてくれた。

 生まれ変わったといわれるバラギ湖を実感できた一日でもあった。




【無印良品キャンプ場 カンパーニャ嬬恋】 http://www.muji.net/camp/tsumagoi/about/


● 使用タックル

ロッド インターボロンX TRBX-C64改(マイクロガイド仕様)
インターボロンX TRBX-C74
リール アルファス103L改(Avail、IOSチューン)
SX1601C フォレール(Avail、IOSチューン)
ライン ファメル ブレストフロロ4lb・5lb・6lb
ルアー D-コンタクト、パニッシュ55・パニッシュ70、ウッドベイト。
唯一もっていたバック&フォース。



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