池谷 成就

ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。 「かわせみ倶楽部」主宰。


《 B&Fで春を釣る 》


 群馬県の渓流魚解禁からちょうど一ヶ月。県北西部の嬬恋村の寒く降雪の多かった厳しい冬も、今年の早い雪解けはすでにミズバショウの花も咲き始め、湧水の多い流れの岸辺では緑も鮮やかな若草が芽吹いていた。


 私事ながら体調を崩し昨年夏から釣りができなくなり、渓魚解禁後もリハビリの管釣りに明け暮れいたため、この春の渓魚達との再会は特別なことで、ロッド片手に渓流を歩くこと、歩けることがとても嬉しかった。

 おまけに、入院中に病棟にまで出かけてくれたSMITH社開発のS君が仕上げてくれた、への字型スプーン「Back&Forth」(バック&フォース)を携行してのはじめての渓流釣行。さらにインターボロンX、C-64の長さを若干詰めマイクロガイドに改造、ハイスピード化させオーバーホールしたリールは、釣行をさらに楽しいものにしてくれる。

 とはいえ久々の渓流釣行で不安も一杯だ。危険度の少ない近くに車を停められる起伏の少ない細流を選んで釣行してみた。


 一段深く流れが緩やかになるポイントでキラキラと朝日を反射しながら泳ぐ「Back&Forth」にヒットしてきたのは、小振りなヤマメ。これが今シーズン最初の渓魚となった。

 朝日にきらめくヤマメはほんとうに綺麗だ。かなりの実釣実験をしてきたものの、実際の渓流で天然ヤマメが釣れればあらためてほっとする。やはりこのスプーンは釣れる。



 移動し流れを変えてもさらにヤマメとイワナが次々と戯れてくれた。

 泳がせ釣りのバック&フォース釣法(ホリゾンタルジギング)でもしゃくり釣り(バーチカルジギング)でも釣れた。



 体調を考えほんの2時間ほどの釣行だったけど、春の空気を吸って、春の景色に感動し、春の息吹に触れ、春の渓魚と戯れた。春に元気をもらい迎えられたことに感謝感激。


● 使用タックル

ロッド インターボロンX TRBX-C64改
リール アルファス103L改
ライン ブレストフロロ3lb
ルアー Back&Forth(バック&フォース)4g



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