良型ブリ捕獲とハルカ165の可能性

辻 晴仁

三重県在住 某水族館魚類飼育員。アジング、メバリングからオフショアまでソルトルアーゲームを展開しています。 釣果報告や魚類生態解説→https://www.fishing-aquarium.com

三重県中南部エリアの青物ゲームは大きく分けると2つに分かれます。一つは太平洋側でのロックショアゲームでもう一つが伊勢湾内の釣りです。前者の方が大型のイメージを持つ方が多いと思いますが、三重県では後者が圧倒的に大型が狙えます。


伊勢湾の出口に位置する鳥羽沖はオフショア青物が毎年冬になると賑わい、その中に大型の鰤が混じるのですが、そのほとんどが伊勢湾から降ってくる個体と言われております。


というわけで大型個体狙いで野を超えて山を越えてエントリーしました。ポイントに到着すると結構な鳥が居ます。ベイトが入った感じで、時期的にもおそらくサッパと予測します。


ちなみにサッパベイトの場合は水面に追われてもナブラになるというよりは水面直下で捕食する傾向があります。これはおそらくサッパ自体が水面に張り付くような習性が無い、もしくは少ないからだと考えています。というわけで、微かな水面変化を逃すまいと海面を凝視しているとベイトが固められたのかザワザワと してきます。次の瞬間に海面が爆発して一面ナブラになります。予測が大きく外れてビックリです。


しかも飛ばしているのは細かめのベイトです。おそらくトウゴロウイワシです。サッパに強い鉄板ブレードを装着していましたが、急いでペンシルにチェンジします。どこに投げようか迷うほどの広範囲なナブラですが、ひとまず目の前に投げると一撃でヒットします。頭を振りながらも強引に寄せると70クラスのワラサでした。いつもなら喜ぶサイズですが、ポイント的にも大型が混じっている可能性があるので素早くリリースして次を狙います。このタイミングでナブラは静かになりましたが、直ぐに誘い出しを掛けます。アクションはショートジャークからのステイ。ナブラで散らされたベイトをイメージして動かします。


すると目視では確認出来ないくらい静かにバイトがあり、ロッドティップに伝わります。もう一度見やると反転して水面から尻尾が出ました。乗ったことを確認してフッキングを入れます。明らかに先ほどよりデカいです。頭を振りながら下へ下へと潜っていきます。フルロック一歩手前まで締め込んであるドラグをジリっジリっと出しながら走っていきますが、ロッドのタメとスプールサミングで無駄に走らせません。魚がこちらを向いたタイミングでポンピング開始。浮かせに入ります。案外すんなりと寄るなと気を抜いていると下のシモリに擦れる嫌な感覚が伝わってきました。寄ってはいるけど浮かせきれていなかったのです。ここで引っ張ると完全にスタッグしてしまいますのでテンションをかけたまま10秒ほどキープするとライン角度が緩みます。魚が表に出てくれました!ここで勝負と一気に寄せます。なんとか浮いてくれました。1 人でのタモ入れ作業に苦戦しましたがなんとかネットインでした。引き上げてびっくりのゴンブトの鰤でした。

マイレコードサイズには及びませんが、長さの割にあまりにも太い個体でした。明らかに湾内を回遊した鰤だと思われました。ルアーはサーディンラン13Fでした。

季節が少し進んでお次は真冬の青物ゲームについてです。三重県のショア青物といえば秋がハイシーズンでしたがここ数年は年中釣れる可能性があると言っても過言ではありません。というのもベイトの接岸が年中確認できることが多くなってきたからです。


というわけで、ベイト探しの旅に出かけました。あるポイントが気になり海を覗くと結構なカモメやカイツブリといった海鳥が多数確認できます。これはもしかしてベイトが多いのか?と海面下を見るとどうやらイワシが入っているみたいです。よってこのポイント近辺で張ることにしました。


まずはトップで誘い出しを狙います。使うルアーはいつものサーディンラン13Fです。細かいピッチでリーリングを入れてルアーをちょこんと潜らせては浮かせるを繰り返して誘います。この誘い方はこちらの海域では鉄板アクションなのですが、なかなか水面が割れません。


トップに出きらないパターンだと判断してミノーに切り替えました。迷わずハルカ165Fを選択します。peラインはこの時3.0号を使用していましたがラインの太さに関係なくぶっ飛んでくれるので広範囲を探りたい時に最適なミノーです。


日が沈んでいくにつれて足元にベイトがびっしり確認できます。青物の回遊があるはずだと信じて投げ続けます。アクションは気持ちゆっくり目のタダ巻きです。ミノーがロールする感覚がロッドティップに伝わることが確認できるスピードで巻いてくるといきなりズドン!とヒットしてファイト開始です。手前がシモリだらけなのでライン強度目一杯のファイトをします。魚が浮いたことを確認し、ランディングへ一気に持っていきます。上手く誘導できて短時間でランディング成功となりました。丸呑みバイトでした。

地合い短いと判断してすぐに次のキャストに移ります。するとピックアップ寸前でミスバイトが得られました。ここで近距離まで魚が入ったと確信して次のキャストは5割程度でショートキャストします。ルアーの姿勢が整ったタイミングでリトリーブを入れるとガツンとバイトしてそのまま一気に潜ろうとします。大型か?と思いましたが顎下へのフッキングでよく走る掛かり方となりました。この日は2本キャッチで地合い終了となりました。



そして翌日、昨日のポイントが気になったので調査に出かけると相変わらずベイトが入っていたので、類似するようなポイントへエントリーしました。しばらくサーディンラン13Fでの誘い出しをしますが前回同様トップへの反応がないのでミノーイングに切り替えます。定時刻、いつものタダ巻きアクションで誘っていると前触れもなくドスン!とバイトが出ます。しっかりと重みが乗ったところでフッキングに行くとスッポ抜けです。バイトが浅いのか?と再度投げるとこれまたショートバイトが多発します。


ここで食いが浅い日だと判断していつもよりも少しスローなリトリーブにするとしっかりと乗ってくれました。根が荒いポイントなので一気に勝負に出て無事キャッチとなりました。


この後もバイトが多発しますがやはりショートバイトが多く、青物にしてはスローな速度での誘いが正解だったようでもう一本も同じパターンでゲットとなりました。イワシが丸呑みになっていました。

それにしても新しく出たハルカ165fは三重県エリアでは相当な青物キラーなミノーだと実感しております。 ロングキャストが可能でリーダーを太くしてもイレギュラー無くしっかりと泳いでくれます。165mmの長さの割にスリムボディなので大きすぎないボリュームがベストマッチだと思います。今後もこのルアーの出番 が増えそうです。

RodSmith プロトロッド
ReelShimano:ツインパワーSW6000hg
Linepe3.0号
Leader60lb
LureSmith:サーディンラン13Fハルカ165F