デイサイトアジングと回遊大型アジング

辻 晴仁

三重県在住 某水族館魚類飼育員。アジング、メバリングからオフショアまでソルトルアーゲームを展開しています。 釣果報告や魚類生態解説→https://www.fishing-aquarium.com

三重県というと最近ではデカアジというイメージがある人も多いかと思いますが、実は条件によってはデイアジングが成立します。日中なのでアジの有無は目視で確認ができると言うと信じられないかもしれませんが、ランアンドガンでアジ探しに出かけました。するとあるポイントで海の色が変わっている部分を発見しました。

画像で確認できるでしょうか?おそろしい数のアジです。サイズは20センチ未満の豆アジが大半ですが、よく見ると中アジサイズも混ざっています。今回はこのポイントに絞って早速デイアジングを開始します。豆アジがメインになるのでまずは1.0gのショートシャンクJH+アジエースで行きます。すると高活性なのか開始早々から入れ食いモードです。これはもう金太郎飴状態なのでいかにサイズの良いアジを食わせるかを考えることにシフトします。


群れをよく観察すると、一番濃い部分は豆アジが占めて、少し離れた障害物の影にはサイズの良いアジが混ざっているのがわかりました。よってこのアジをいかに釣るかを今回の課題とします。


まずは1.0g JHでやってみます。すると反応はするものの食わせるタイミングでレンジが少しでも変わると見切られてしまうことに気がつきました。よって1.0→0.6へウエイトを落として長くステイさせることを心がけます。するとモゾモゾとテールを口に入れて吐いてを繰り返します。2、3回度吐いたところで見切るかな?と思いますが次はスポッと口に入れてくれたので合わせを入れるとついにヒットです。中アジサイズをゲットできました。ちなみ寄せるところから食わせるまで完全なサイトゲームです。

同じパターンでヒット数を増やそうと試みます。しかし反応してくれる回数が減ってきました。反応する時はどんな条件かを絞っていくと一つのことに気がつきました。群れが作っている棚の中にワームを入れても反応はせず、その棚から上げると反応するのです。つまり、定位している棚と口を使う棚は違うということです。よって、まずは定位している棚までワームを落とします。そこから50センチほど持ち上げると反応する個体がブワッと上昇します。そして食わせの棚でロングステイすると反応した個体のうちのどれかが口を使ってくれました。普段アジングめは何気なくシェイクをしていますが、反応させる意味合いと改めて実感しました。

またカラーですがどのカラーにも反応はしてくれました。ただやはりスレるのかしばらくすると反応が鈍くなりました。この時カラーローテーションがやはり効き、変えてから数投は超好反応でした。


また丸見えのバイトを観察していると、どれだけラインテンションのコントロールをしたところで、ロッドに伝達しないアタリは有るということに気が付かされました。尻尾の先のみ触ったり、フックに触れたか?という瞬間には吐き出したりと多様なバイトがありました。


足元でやり続けるとこれまたスレるのでキャスト先でのサイトゲームに切り替えたいのですが、伝達しないアタリをいかに掛けるかという課題に直面します。そこで思いついたのが目立つカラーのワームを使うことです。魚に対してではなくてアングラーの視認性の為です。目立つカラーのワームだとキャスト先でも目視確認できます。そのカラーが半分消えた時はアジが尻尾のみを咥えたということ。全色消えた時は完全に吸い込んだということ。この判断基準でやってみました。

するとやはり面白いほどに掛けることができました。もちろんロッドに伝達するバイトもありましたが、ロッドに伝わる前にこちらから掛けることができたバイトも多く、大変収穫の多いアジングとなりました。蛍光黄色やオレンジが特に良かったです。

そしてまた別日。サイトゲームがあまりにも面白く、かつとても勉強になるので再度エントリーすると、今度は魚群の規模が更に大きくなっていました。ストラクチャーの下に大型が居るかと確認しますが、ストラクチャーの方まで豆アジの大群でこれはもう釣り分けは不可能かと言った感じです。キャストしてみると案の定豆アジの猛攻で、本気でキープするとおそろしいことになりそうなのでリリースしながら様子を見ます。


ただサイズの良い型の個体も混じっているだろうと色々とやってみるとシャローエリアにてまずまずの引きのバイトを当てました。キャッチしてみるとやはり良いサイズです。これはもしかしてシャローに大型なのか?とやってみるとやはり良いサイズのが連発します。この後はもちろん豆サイズも釣れますが、シャローエリアでそれなりに良いサイズをコンスタントに当てることができて能竿としました。

今回アジの捕食を見れたことはとても勉強になりました。今後のアジングに活かしていきたいところです。

RodSmith:BL-551XUL-S/AJ
ReelShimano:12バンキッシュc2000s
LineSunline:アジの糸ナイトブルー0.3号
Jighead0.6g
LureSmith:アジエース1.9

そして話は回遊の大型アジへと移ります。三重県南部エリアでは尺オーバーのアジが狙えることはメジャーになってきましたが、見えアジや豆アジングとは名前は同じでも別物です。


というわけで接岸するであろう大型アジを狙い撃ちすべくポイントにエントリーすると、大量のトウゴロウイワシが海面を覆っています。これは青物の予感がしますが気持ちをアジングへと集中させます。


開始早々に小鯖が触ってきます。もし大型のアジが回遊すればレンジが違うだろうということで、ボトム近辺を狙うことに切り替えますJHを1.5→3.0gに切り替えて、ボトムをトレースしてきます。するとコツン、コツンとバイトがあります。なんとか掛けるとこれまた小鯖です。サバの群れがボトムまで張り付いているかと落胆しますが、やはり狙うならボトムだとネチネチやっているとドンっという異質なアタリがきます。すかさずフッキングするとまずまずの重量感で上がってきたのは35クラスの今シーズン初大アジでした。

同じパターンで再度狙うとまたしても強いバイトです。ズンっと乗りますが一瞬でバレてしまってこの日は地合い終了となりました。


そしてまた別日に他方面へ調査に行きます。この日は微風でとてもやり易い条件でした。地合い前にポイントに到着してキャストするとコツンコツンと小さなバイトが多発します。なかなか乗らないので魚種がわかりませんが、ショートバイトなのでJHを2.0→1.2gに。かつ細軸のフックに変えます。張らず弛まずのラインテンションをコントロールするとレンジに入ればバイトが多発します。上手く乗せるとムツ、カマスが連発します。なるほどこのバイトはこれらの群れかと思っていると、アジの群れに変わったのか20cm弱の中アジが連発します。魚種豊富で楽しい展開です。大アジはいないのかな?と引き続き探っていると、中アジの群れに混じってまずまずの引を見せて上がってきたのは尺あるなしサイズのアジがきました。今回は地合いの最後に大型が混じる展開となりました。

というわけで、大アジの回遊もやっと確認出来たので今後は回遊アジの探索に勤しみたいと思います。

RodSmith:BL-642L-T/AJ
ReelDaiwa:21 ルビアスエアリティ2004ch
LineX-braid:upgrade×4 0.3号
Jighead1.2~3.0g
LureSmith:アジエース1.9スクリューテール2.5