古谷 英一

スミスフィールドスタッフ



《 トップチヌゲームのカラーセレクト考察 》


前回もトップチヌでしたが、今回もトップチヌです。同じネタになりますが、昨年のシーズン後半から、色々と思い当たる部分があり、今回はその途中経過としてご報告させて頂こうかと。
皆さんは、トップウォータープラグのカラーセレクトって、どう考えていますか?
基本は、好きなカラーを買って使う方がほとんどでしょう。私も、はっきり言ってトップのカラーはあまり気にしていなかった方です。どんなカラーでも、基本的には引き波で誘ったり、ポップ音やスプラッシュで誘ったり、カラーよりも他の要素で魚を反応させる考えでした。
あえて考えるなら、如何に自分から視認性の良いカラーか?って事でしょう。見失うのは最悪で、魚のチェイスをなるべく早く知るためにも、視認性を重視したセレクトでした。
でも、色々と使って行くと、ある事に気がつきました。
このトップチヌでのルアーカラーによる違いを、ちょっとまとめてみました。まだまだデータを集めている段階で、さらに手持ちのカラーのみのローテーションで調べているので、まだまだ地道な努力が必要かと思いますが。


チヌペン、チヌペンFW、チヌペンTラバ

現在、スミスよりリリースされているチヌペンには、この3種類があります。オーソドックスなチヌペン、淡水の比重に合わせてウエイト調整されたチヌペンFW、そしてテイルフックにラバーチューンの施されたチヌペンTラバ。それぞれに得意とする部分はあるのですが、基本的な設計コンセプトは一緒ですね。
ただし、これらを使い分ける事が大きな釣果の差になる事は確かです。まぁ、これに関しては当然ではあるのですが。
加えて、それぞれのタイプでカラーラインナップが違います。水質の状態などで使い分けるって部分もあるでしょう。そのため、かなりのアピールの違いが期待できるって事ですね。
実際、色々と使い比べてみれば、そのカラーの違いによるチヌの反応の仕方が大きく変わる事に気が付いたのは、昨年の秋。それまでのローテーションの主軸は、チヌペンTラバでしたが、ふと、バイトがなかなか得られない中で状況打開策としてチヌペンFWを投入した事がきっかけでした。
ウエイトの違いで、当然ですが若干、アクションにも違いはあります。ほんの少しですがキレのある動きと、ポーズ時に水面へ立ち上がる素早さ、この二つはTラバに比べるとメリハリがしっかりとしています。
実際には、この部分よりもカラーによるアピールの違いを考慮しての投入でしたが。


トップのカラーアピール

私が勝手に思っている事ですが、トッププラグの場合、カラーによる魚へのアピールは、シルエットをしっかりと見せるか?シルエットをぼかすか?大きく分けて2つかと。
シルエットをしっかりと見せる為には、ペイント系のカラーを主軸に考えています。チヌペンTラバで言うなら、レッドヘッドグリッターやパールチャートレンズですね。

シルエットを徐々にぼかしていくローテーションとしては、前述の2つからロッキンブラック、ライムヘッドイワシなどのフラッシングシートの張られたカラー、そしてロッキンブラックUやピンクゴールドBKなどのクリアカラーへ。クリア系は光を透過するので、シルエットはかなりぼかされると考えます。
もちろん背中のカラーやお腹のカラーによって透過量も変わるので、シルエットのアピールもカラーパターンで変わってくる訳です。

ただ、これはあくまでもチヌペンTラバに関してです。これに、チヌペンやチヌペンFWのカラーラインナップを考えていくと、カラーローテーションのバリエーションはかなり増えてきます。
中でも特徴的なのが、今回注目しているチヌペンFWのクリアーレッドとクリアーオレンジです。ソリッド系のカラーで、ほぼ単色のクリアカラーです。ボディ内にはミラープレートを内蔵しているのですが透明ボディではないので、ミラープレートへ届く光は抑えられるのと、その反射光もかなり控え目です。
このカラーの爆発力には、本当に驚かされています。


明らかなアピールの違い

普段から、基本ローテーションはチヌペンTラバからの私。もちろん、それでも十分に釣れます。ただ、今シーズンの特徴なのか?水面を激しく割るバイトシーンは少ない状況。どちらかと言うと、ボシュッ!!と吸い込む様なバイトが半分以上です。さらに、しつこいチェイスが少なく、バイトも連続する事が数えるくらい。
この状況で、週3位で夕マズメに通い、日々色々。チヌを釣る・・・というよりも、チヌの反応をチェックする日々。とにかくこれに時間を費やしてます。
そして、毎回の様に明らかな反応の違いを見せてくれるチヌ達。これには驚かされる毎日です。バイト数が何倍にも増えるし、ルアーに対しての反応が全く違うんです。水飛沫がバンバン上がり、連続バイト多発。もう、異常なくらいの違いです。



統一パターンで調査

アクションの違いなどをなるべく少なくする為に、全て統一した攻め方です。ハンドル一回転にティップアクション3回でハンドル3回転でポーズ2秒。ハンドル一回転は1秒くらいかと。これをワンセットで同じトレースコースで探ります。またチェイスがあっても、誘いのアクションへの変更は一切せず、この繰り返しで反応をチェックしました。
もちろん、バイト時のアワセはせず、フッキングしてしまった魚は仕方ないのですが、とにかく魚の反応の違いを確認してみました。
使ったカラーは、とりあえずは写真のカラーですが、これを反応の出方でこまめにローテーションしていきます。
あえてカラー名など紹介しませんが、とにかくオールマイティーにチヌの反応は全部にあります。ただ、激しい水飛沫を上げるのはクリアーレッドとクリアーオレンジのみ。さらにしつこくチェイスし、何度もバイトするのもこの2色。バイト数は何倍にも膨れ上がります。



こう書いてしまうと、この2色ばかり使っていると思われがちですが、主軸はオーソドックスなカラーで、反応が鈍いと感じたらすぐにローテーションして他のカラーを試していき、最終的にクリアーレッドとオレンジに辿り着く感じです。
もちろん、この2色で好反応を示せば、すぐに他のカラーへチェンジしますが、何事も無かったかのように静まり返る水面。そこで再び2色のどちらかを・・・、再びバイト連発なんです。
これは、チヌペンFWの他のカラーと比べても同様の結果。動きやタイミングの問題ではなく、明らかにカラーによってチヌも反応が違う状況です。
食わせているとスレなどにつながるので、とにかくバイトの状況を確認し続ける数日。本来であれば、フックを外して調べてみるのが一番なんですが、アクションなどに違いがでてしまうので、あえてフックは外さずに挑戦。
とにかく、クリアーレッドとクリアーオレンジの魔力に驚きが隠せない日々です。




なぜ、この2色に対しての反応が明らかに違うのか?この部分に関しては、わかりません。ただ、チヌも水面にある対象物に対して、しっかりと目で確認して反応しているという事だけは確かですね。
あとは、シーズン的な違いなのか?夕マズメメインの釣りに片寄っているので光量的な原因?はたまた、フィールドのコンディションなのか?今後は、他のフィールド、時間帯などを検証していくと共に、少し気になる事もあるので、そちらを織り交ぜての調査をしてみたいと思います。
水面のゲームとは言っても、狙う魚に応じてカラーアピールがしっかり出来る事は、今後の色々な釣りにも影響が出てきそうです。まだまだデータ量は少ないですが、今シーズンはデータ収集に力を注いでみたいと思います。


【使用タックル】

ロッド・・・ダンシングブリーム翔DB-SH72
リール・・・2004番
ライン・・・PE0.6号
リーダー・・・フロロカーボン12lb
ルアー・・・チヌペンTラバチヌペンFW



[ 戻る ]