古谷 英一

スミスフィールドスタッフ



《 秋の河川シーバス 》


夏以降、河川内は今一つの環境が続いていた。それは、水温であったり、ベイトであったり・・・全てにおいていい傾向ではなかった。
しかし、10月の連続で来た台風。これで大きく環境が変わる事となる。増水で河川内がリフレッシュされたのだ。
11月に入り、まずはそれまでヒラセイゴだらけだった河川内が、マルセイゴ一色へ。この潮では、フッコがポツリポツリと混じりながらも、セイゴ入れ食い!毎年、河川環境の変わり目は、同じ傾向が見られる。そして、その後の潮がフッコの群れというのがパターン。
そして、翌潮ではフッコクラスの群れが!まだまだガリガリの個体ばかりだが、数は多く楽しめる状況へ変わる。毎年、同じパターンではあるが、今年はかずがとにかく多い!連日、爆釣の日々。
あとはプリスポーン手前で河川を出るまでパターン変化と、あらたな群れが差してくるタイミングで、今後のゲームも代わってくる。とりあえずは、この大量に入ってきたフッコクラスでいっときは楽しめそうな雰囲気。


この大挙して差してきたフッコクラスの群れ、その前のセイゴ、共にある特定のベイトを捕食している。これが何なのか?その特定には至っていないが、極小ベイトである事は確か。ライズの仕方や、流芯の位置で捕食のエリアも変わる。とにかく偏食している状況。
よって、パターンを外せばバイトはほぼなし。釣る、釣れないが、はっきりと別れる。
今回、様々なルアーを使用し探ってみたが、例年のこの時期のパターンとは違い、小さいシルエットと、よりスローな誘いが大切だった。さらに、流芯付近でのバイトは少なく、その両サイドの潮の緩む場所や、全体的に潮が緩んだ頃からが爆釣のカギ。これを踏まえて探っていけば、ワンキャスト、ワンヒットに。色々と試すには、最高のコンディションが連日続いている。



そんな中、活躍してくれたルアーがベイブル70Sとサラナ80F。ベイトにマッチしているのか、サラナ80Fはとにかく爆釣!この2種をポイントや潮位で使い分ける事で、数はさらに増える。ローテーションのベースに。

使い分け方としては、ベイブル70sは潮位の高い時間帯が基本。流芯の向こう側を攻める為に飛距離も必要で、ある程度のシンキング能力と流れに流されにくく、レンジキープ力のある事が大切。潮が高ければ流れもきつく、ルアーが流されるとスローな演出が全く出来ないので、ミノーでは攻略が難しいのが本音。そのため、ベイブル70Sのスローリトリーブでの攻略となる。
ただこの時、流れにラインが取られない様にする配慮も必要。着水点よりも手前にある流芯にラインを着水させるとラインが流されルアーを引っ張られるし、リトリーブ中にラインが水面に着いていても同様。流れにラインが引かれれば、いくらスローなリトリーブを心掛けてもルアーの動きは早くなってしまうので、注意が必要。




これはミノーであっても一緒で、サラナ利用時にも注意しながらの釣りになる。サラナの場合、潮が緩やかになってからではあるが、よりスローな動きの方がショートバイトを避けられ、確実にフッキングできる。よって、ラインを水面に出来る限り着けない様に、ドリフト気味に流しながらの誘いを意識する。そのため、流れに逆らう様になるターンする辺りまでの勝負にはなるが、そこまでを丁寧に行う事でバイト数は各段に上がる。
基本的には、潮位の高い時間帯はベイブル、潮位が低くなったらサラナという考えだが、浅めのポイントではやはりサラナの方が強い。流れの強さでも使い分ける事が効率のいい釣りに繋がるので、ポイントの特徴を考えて使い分けしていく。




本当であれば、大きなミノーでデカいサイズを狙いたいシーズンではあるが、今年も遅れがかなりあるよう。上流での釣りでは大きめのミノーへの反応がいいのだが、河口に近い場所はここ最近、河川内に入ってきた魚がメインとなるため、とにかく食いやすいベイトへ着いてしまっている。
この新しい群れを考えずに上流域を狙えば、それなりのサイズも出るのだが、渇水でシーバスの移動が思うように出来ていない事と、ベイトが少なくて思うようにシーバスが居着かない河川コンディションに頭を悩まされる。
もう少しでスポーニングを意識したシーバスが必ず入ってくる事を信じて、河口メインに探る日々はまだまだ続きそう。ここで続編をご紹介できれば・・・と思っているが、メバルも本格化しそう・・・忙しいシーズンが始まった。


【使用タックル】

ロッド・・・シーバスロッド・ベイト
リール・・・ベイトリール
ライン・・・PEライン1号
リーダー・・・フロロカーボン16lb
ルアー・・・ベイブル70Sサラナ80Fなど



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