春のシーバスゲームと言えば、稚アユやバチ抜けなど、偏食パターンが多くなる。産卵後のシーズンだけに、荒食いするシーバスも多いが、より効率良くお腹を満たせるベイトが、特に好まれる傾向が強い。
私の住む鹿児島では、例年であれば1月後半にはアフターのシーバスが各河川へ戻ってくる。その時期に重なるのが、春の一大イベントとなる「バチ抜け」。まだまだ水温が低く、河川内もベイトが少ないので、このバチがポツポツ抜け出すと、それを狙う魚達も河川へと侵入を開始する。
このポツポツと抜けるバチは、意外と知られていないのが事実。バチ抜けと言えば、満月の大潮の満潮に起こるゴカイの産卵行動ではあるが、実際にはこれが全てではない。
私がよく通うフィールド、錦江湾内、特に湾奥河川では、比較的長い期間でこのバチ抜けが起こる。ただ、やはり抜け方には多い少ないのムラはある。ハイシーズンのバチ抜けともなれば、至る所で流れるバチが見られるが、それ以外では流れている姿を時折見掛ける程度。いや、流れている姿を見る事はなくとも、弱ったゴカイが川底に居たりする。
要するに、気が付かないだけで、バチは活動を行っているのだ。そして、シーバス達もその密かな活動に敏感に反応し、集まってくる。ピークに向かって、どんどんと河川内へ入ってくる。
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