吉川 雄介

湘南方面・東京湾を中心に活動中のシーバスアングラー。
週間つりニュース APC としても活躍。

アツギ・ミュージアム特別企画 ショアでのシーバスフィッシングガイドを実施中
http://www.atsugi-museum.com/



《 ハルカとチェリーブラッドで攻略した、湘南・相模川のシーバス 》


 相模川でシーバスが狙えるエリアは河口から約6`上流までの区間で、基本的に約2`の間隔で下流、中流、上流域とフィ―ルドは分かれる。それぞれ時期に応じたポイント選びが重要だが、私は夜間の下げ狙いを基本に潮位(水量の多さ)が高い時間帯は上流域、そして大潮〜中潮の干潮付近であれば下流域を選択している。ここでは、11月上旬に3夜連続で釣果が得られた上流域での攻略法を報告したい。


 午後7時過ぎ、釣り座は3夜とも流れが緩む通称、送電線下のシャローエリア。川幅が少し広がる場所だけに狙いがつけにくく、苦手とするアングラーが多い穴場ポイント。よって、混雑度が高くなる落ち鮎シーズンでも、この場所だけは不人気で空いている確率が高い。

 ここでは対岸にずらりと並ぶテトラ帯の際と流れの筋(流心)、ブレイクが狙い目で、とにかく飛距離が出てワンキャストでテトラ帯〜流心部〜ブレイクライン上を探れるシンキングペンシル系のチエリ―ブラッドLLS90Sが高実績。高活性で人的プレッシャーが無ければ手前のブレイクや流心でもヒットしてくるが、低活性時や水位が低くなるにつれてシーバスはテトラ帯の際に着くようになる。したがって、釣行時のタイミングとしては満潮からの下げ始めが有利で、これに雨後の濁りや増水が重なると広範囲でヒットが期待できる。


 3夜ともホロ系のイナッコカラ―をチョイスし、腰付近の入水で初日と2日目はクロスキャストでテトラ際狙いでスタートさせる。操作は流れに乗せながら水平フォ―ルでユラユラと中層〜ボトム付近に沈めたところで竿先を使って軽くチョンチョンッとリフトアップ。再びフォ―ルで沈めてチョンチョンッとリフトさせると、テトラ際ではたいてい次のフォ―ル中にググッとバイトが出る。イメージとしては、リフトで見せてフォ―ルで食わす感じだろうか。この操作はテトラ帯に着く高活性、低活性なシーバスを狙う際に有効で、特に低活性時はボトム付近に定位するシーバスに対して反射食いを誘う方法になる。一般的に落ち鮎シーズンは14pクラスのミノ―で表層を攻めるパターンになりがちだが、ミノ―の場合はテトラ際に着水させてもすぐにテトラ際からルアーが離れてしまうのが難点。よって、水位が低くなりかけている時やブレイクや流心を探った後のテトラ際狙いでは、際ギリギリをアクションさせながら流せられるシンキングペンシルがお勧めで、その効果は過去のヒット経験からも実証済みである。

 ただ、操作する上での注意点としてはシーバスの着き場が想定しにくいために毎投ごとに着水点を下流方向に少しずつ変えてやり、ルアーの位置とレンジを把握しながらロッドの方向と釣り座の向きが出来るだけルアーと一直線上になるように心掛けたい。バイトはリフト直後のフォ―ル中に訪れるケースが多いため、テンションラインを意識しながらフォ―ル中は糸フケを巻き取りながらリフトさせた竿先を元のロッドポジション(水面と平行に近い向き)に戻してやるとバイトが感じとりやすく、次のリフト操作への移行もし易くなる。尚、リフト&フォ―ルを1セットとすると、流れに乗せながらの操作で際で繰り返し出来るセット数はおそらく2〜3回が限度。次第にルアーがテトラ際から離れてしまうが、そのままU字を描いてデッドスローのただ巻きに移行すれば1キャストで流心やブレイク付近も探れるかたちになる。


 初日と2日目は立ち位置の右手上流側から吹き付ける北風でアクションがさせにくい状況であったが、それぞれ2時間の釣りの中で風が弱まった一瞬のタイミングがあり、得意のリフト直後のフォ―ルで計3尾(2日間で58、65,62p)。

 サイズ的には不満が残るものの、テトラ際での攻略パターンをあらためて検証できる釣行となった。

夜はイナッコカラ―がお勧めで、
テトラ際でのフォ―ルにググッ。


丸々と太った銀ピカボディ―で65p。

テトラ帯は得意のリフト&フォ―ルで攻略。62p。


 そして3日目は、満潮時刻のズレでスタート時点の水量と流れ具合がベスト条件。下げの効いた流れは北風と同調して太い流れの筋を形成し、手前のブレイク付近まで流心の幅が広がっていた。

 そこで、手前から探っていく戦略でハルカ125Fをダウン気味に流心部の中央に着水。巻き始めに後方に移動した重心を腹側に戻す操作でチョンチョンッと竿先をはねあげてから、U字の半円を描く感じで流心の際〜ブレイクラインの順でゆっくり通過させる。すると、わずか開始30分程度で62,51pがブレイク付近でググッ。その数分後には、ハルカ145Fが流心部を横切った直後に体高ある74pがグイッ。まさに高活性なシーバスが居れば簡単にヒットしてくるケースもあり、このダウン攻略はシーバスの着き場を想定しなくても何度か投げ続けているうちに勝手にルアーがポイント上を通過してくれるからありがたい。


ハルカ145Fで74p。落ち鮎を捕食
していて見事な体高です。

落ち鮎とハルカ125.意外と小型が
多く、例年11月下旬頃で終了。


チェリ―ブラッドのボトムトレースで
60p級ナマズがヒット。
 しかしながら、時間の経過とともに水位が低くなりはじめるとヒットは途絶え、最終的にチェリ―ブラッドを使用したテトラ際でのフォ―ルで1バイトのみ。

 結局、小移動を繰り返しながら下げ7分まで粘ってみたが、チェリ―ブラッドとスプーンのヘブンソルトバージョン16gにそれぞれヒットしたのは定番外道の60p級ナマズだった。


 さて、例年のパターンから推測すると、上流域では11月上旬頃から魚影が薄くなり、11月下旬頃は居残りを狙うゲーム展開となってしまう。釣れれば大型の時期でもあるが、11月中旬以降の相模川は下流域や河口部、河口周辺のサーフ釣行が無難かもしれない。


● 使用タックル

ロッド ブローショット ロングキャリー86(BS―LC86)
リール 07ステラC3000
ライン 山豊テグス  PEストロング8  1.2号(23LB)
リーダー 山豊テグス  スーパーショックリーダー(ナイロン)25LB  70p
ノット FGノット
スナップ スミス クロスロックスナップ#1
ランディングツール スミスグリップ2700
ヒットルアー チェリ―ブラッドLL90Sシーバスバージョン(イナッコ)
ハルカ125F(グローバック)
ハルカ145F(パールチャート)



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