『6/1 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



6月1日

そろそろスポーニングから回復した魚がシャローで釣れるのでは?と期待して愛艇で出撃。 もっとも、期待通りの結果がすんなり返って来るほど甘いフィールドでないのも充分承知はしているつもりだ。

ここ最近、常陸利根川と外浪逆浦をメインエリアに据えたゲーム展開を心掛けている。
自分は一時期、霞ヶ浦東岸ばかり行っていた時期があった。そこで得られたものもあったのだが、どうしても先行者が叩いた後に釣りをする羽目になってしまう。自分のボートの拠点である常陸利根川からでは霞ヶ浦東岸までかなり時間が掛かってしまうためだ。時間的に横利根川や大山を拠点とするボートよりも先に入ることは難しい。 でもそれは逆もまた然りで、横利根川や大山のマリーナから出艇するボートが常陸利根川を真っ先に攻めることは難しい。
自分は常陸利根川からボートを出すのだから他のエリアから来るボートよりも先に常陸利根川を攻めることが出来る。そのメリットを活かさない手はないと考えるようになった。


朝イチは曇天だったこともあり、常陸利根川の葦際やヘラ台周りなどをベビーデントスで撃っていく。 いつ水面が爆発してもおかしくない雰囲気だったのだがノーヒット。でも想定内である。
水面に出ないだけかと思いイモ60のノーシンカーを撃ってみてもバイトは出ず。早々に葦際シャローを断念。 これもまぁ想定内である。

狙いを大きく変更してハードボトムエリアでのクランキングを試みるも、これにもヒットがない。 この時点で、当日のコンディションがイージーなものではないことを察知。 ここまでの苦戦は想定内とは言い難かった。

厳しい状況を前に、自分自身が抑えの釣りと認識しているフィルターユニットのアウトサイドをノーシンカーで探る釣りにシフト。しかし予想に反しこの釣りでさえもノーバイトだったことにはさすがに面食らってしまった。
抑えの釣りを駆使してもここまで釣れないというのは完全に想定外だった。
こうなったらエリアを大きく変えてゲームを1から組み立てていくしかない。 だが何気ないキャストがこの日の流れを大きく変えることとなった。


フィルターユニット帯のやや沖に位置しているヘラ台跡。ほとんど鉄柱しか残っていない。
そこを目掛けて何気なくテナガホッグのリーダーレスダウンショットを撃ち込んだところ、フォール中にラインが横走りしていくではないか。
30cm台後半サイズをキャッチ。時間は丁度10:30だった。


自分は杭撃ちをほとんどしない釣り人である。もちろん過去には散々杭撃ちをやり、それでかなりの数も釣って来ているつもりだが、近年の霞ヶ浦水系においてはあまりにも能率が悪く釣れないイメージを持っている。久し振りに鉄杭を撃って釣った気がした。


ところが同じヘラ台跡を狙ったその2投後に再びバイト。2尾目となる30cm台後半のサイズをキャッチした。 さらにその1投後にもスッポ抜けてしまったもののバイトあり。1つのヘラ台跡で3バイトも得られたのには驚いてしまった。

このエリアにはヘラ台跡がいくつも並んでいる。隣のヘラ台跡を攻めてみると今度は43cmをキャッチ。完全にこのエリアのヘラ台跡にバスが射してきているのは間違いなかった。



実はこのエリア、過去にトーナメントで上位入賞者を何度か出している場所でもある。 自分もその再現性を試したことがあるのだが、期待通りの結果を出すことは出来ずにいた。ローライトなコンディションであれば可能性はあるかもしれないと思っていたが、まさか晴天の状況下でバスが射してきているとは思わなかった。

狙いを完全にヘラ台跡に絞り、テナガホッグのリーダーレスダウンショットで攻めていく。一通り攻めた後の2流し目はフォール時にパーツが動いてアピールしてくれるバンドゥクローにワームを変更。狙いが当り1尾を追加することが出来た。


そのエリアのヘラ台跡を2流ししたところで次の策を考える。 常陸利根川には他にもヘラ台跡や生簀跡が並んでいる場所がある。ヘラ台跡がキーならばそちらも期待できるだろう。
早速テナガホッグとバンドゥクローのリーダーレスダウンショットを撃っていく。しかし結果はノーバイトだった。 さらに別エリアに移動し、ブレイク上に並んでいる竹杭を同様のリグで撃ってみる。その結果もまたノーバイトだった。

ということは、水深1〜2mにある杭がいいというわけではなく、あのエリア自体が良かったのかもしれない。そこで、ヒットが多発したヘラ台跡の周辺をクランキングとフットボールジグで攻めてみる。 しかし結果はフットボールジグにキャットフィッシュがヒットしただけだった。

そして夕方。もう場所を充分休ませることも出来ただろうと、ヒットが多発したヘラ台跡を再度攻めてみる。しかしバイトは得られずこの日の釣りを終えた。


かなりの数のヘラ台跡が並んでいる中で、ヒットが多発したのは隣り合う2つのヘラ台跡だけだった。万遍なく釣れたわけではなく部分的だったのだ。そしてこの日に釣りをした中で唯一発見できたホットスポットだった。

過去にも同じ場所を攻めたことはある。でも特別に良く釣れたという記憶はない。魚が常に居着いている場所ではないと認識している。 ただ、過去にトーナメントの上位入賞者が出た際にも、このエリアにバスのスクールが射していたのだろうというイメージは持つことが出来た。


近年の霞ヶ浦水系のバスは移動が速く、瞬時にスクールが射してきてはその数時間後にはもう居なくなっている、という印象がある。ボトムが泥底の流入河川ではその限りでは無いが、メインレイクや中規模の流出河川(北利根川、常陸利根川、鰐川)ではその傾向が強いように感じている。
今回はたまたま投じた1投がそうした魚を見付けるきっかけとなった。偶然であり、運が良かったとしかいいようがない。 しかしながら運頼りでは釣果は安定しない。現在の霞ヶ浦水系は足の速い魚を上手く捉えていく力が不可欠な時代となりつつある。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVC-68M
REVO
LTX-L
FCスナイパー
BMS12lb.
テナガホッグ(リーダーレスダウンショット)
(タングステンシンカー4g,GYオフセットフック#1)
バンドゥクロー(リーダーレスダウンショット)
(タングステンシンカー4g,GYオフセットフック#2/0)



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