『3/28 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



 冬でも釣り人が多い水郷エリア。しかしこの冬はその状況に異変が見られた。一部の人気場所を除いて釣り人が減ったように自分には思える。

 近年は以前のように容易には真冬のバスを手にすることが難しくなった。冬のバスが釣れる場所というのは水郷広しと言えど限られているのだが、そうした場所をメディアで大々的に晒してしまった結果場所自体が潰れてしまい、皮肉な事に今ではメディア自体さえも厳しい取材を強いられることが多くなった。

 知名度のあるアングラーが1日やって0〜1尾に終わるようでは、一般アングラーは釣りに行く気が失せてしまうのも致し方ないだろう。


 しかしこの冬は前年のような大雪に見舞われることもなく、気候的には比較的安定していた。さらに釣り人の減少によりプレッシャーも幾分低くなり、条件的にはさほど悪くなかったような気がしている。

 1〜2月の水郷エリア釣行では毎回バイトが得られていた。この時期にしては珍しく複数バイトが得られた日もあった。もっとも、自分自身のミスに泣く日が多かったが・・・。


 その一方で、近年はバスの個体数が激減したことにより季節の変化を捉えることが難しくなった。昔はある日を境に大きく釣果が伸びたものが今では釣果が出ても数匹止まりで劇的な春爆となりにくい。

 自分は過去の経験から、水郷エリア各所の釣れ始める時期と順番を把握している。一番最初は○○川の××エリアで2月中旬から釣れ始める、次は△△川の××エリアで3月上旬から釣れ始まる、といった具合だ。これは魚の個体数が減った今でもきっと変わらないはずだと思っている。そしてそれさえ知っていれば、各所を周ることでおおよその季節の進行状況を把握することが出来る。


3月28日 水郷各所

 この日、まず最初に狙ったのは新利根川某所。ここは新利根川にしては珍しくやや沖合いまで岩が点在しており、春先にはグッドサイズのバスが射してくる場所。近年は水深が浅くなったのと、だいぶ泥が堆積してしまったのでその爆発力は衰えてしまったようにも感じられるが、それでも春先のポテンシャルは他のエリアの比ではない。

 しかし自分が到着していた時には既に2名の先行者、さらに1名が入ってきたので自分はその対岸で時間を潰しながら先行者の移動を待つ。そして誰も居なくなったのを見計らって本命場所に入り、レティクルシャッドのコットンキャンディーで35cmのバスを仕留めた。

 春先、岩に対して執拗にシャッドを当てて引いてくると、スポーニングを意識した魚は威嚇で喰ってくる場合が多い。けれどもこの魚はバイトも小さく、単発のヒットだったことから自分が期待していた魚とは違ったようだ。まだこの場所は若干時期尚早と感じた。


 何箇所かの移動を経てから向かった先は千葉県某所。他の場所よりも春の訪れが早く、3月下旬ともなれば確実に春に突入している場所。だが高水温期に魚の大量死があったりした影響でバスの個体数は激減した。現在では連発で釣れるほどのポテンシャルが失われている為、季節の進行度合いは掴み難くなったとも言える。

 しかし釣り始めてすぐにスパイニーアックスのワッキーリグに37cm。その後も何度かバイトを得ることが出来、33cmを追加した。

 魚影は以前のようには濃くない。しかし釣れないという評判により釣り人も減り、自由に移動しながら釣りをすることが出来るようになった。私にしてみればプラスマイナスゼロといったところだ。これらの釣果は釣り歩いた距離で稼いだバイトだった。



 陽が傾き始める時刻を待って茨城県某川のフィーディングエリアにやってきた。ここは水深が浅く晴天時の日中はあまり魚が多くないが、夕方になると多くの魚がフィーディングに上がってくる。

 ネイルシンカーを頭部に入れたスパイニーアックスのワッキーリグを撃つと、着底と同時に「トンッ!」というバイト。ラインが横方向に走り始めるのを確認してスィープフッキング。TVS-63Lが綺麗な弧を描いて曲がる。リールのドラグを何度か鳴らしながら上がってきたのは40cm。その後すぐに38cmも追加。



 その後もバイトが連発、ラッシュ状態に突入する。しかしショートバイトも多くフッキングミスに苦しめられる。日没が迫り徐々に薄暗くなっていくのに従いワームのカラーもスパイニーアックスのブラック/レッドフレークや、カットテールの031(パール/シルバー)などにスイッチして魚の反応を見たが、30cm以下のバスを2本追加したところで完全な日没を迎え、ゲーム終了となった。

 かなりのバイト数を得ていながらキャッチ数が今一つ伸びなかったのが不本意ではあるが、7本キャッチという結果はもはやシーズンオフのそれではなかった。


 昨年から実戦投入しているツアラーV-Spec TVS-63L。ボート・岸釣り問わず自分が水郷エリアで最も多用するスピニングロッドとなっている。

 引き抵抗の重いスパイニークローラーのワッキーリグでもティップが曲がり切ってしまうことなく余裕があるため、シャープなフィーリングで自在に扱うことが出来る。そして障害物への軽いスタックをハングオフでかわす性能に長けているため、水郷エリアでの釣りにとても向いている。

 ライトアクションのロッドだが柔らか過ぎず、負荷をロッド全体で受け止めてくれるため多少の無理が効かせられるのもいい。水郷エリアで岸釣りをする人には特にお勧めしたいロッドだ。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO NEOS
2500S
FCスナイパー 5lb. スパイニーアックス4インチ、カットテール4インチ(ワッキーリグ)
(タングステンネイルシンカー1/32oz、ガード付マスバリ#5)
レティクルシャッド50SP



[ 戻る ]