『11/14 亀山ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



11月14日 亀山ダム

 空前のバスブームが遠い昔の事と言われる昨今だが、週末の関東の人気フィールドの人出たるや凄まじいものがある。その筆頭が千葉県の亀山ダムだろう。 ハイシーズン中の週末ともなれば各ボート店のレンタルボートが出払ってしまい、岸沿いは多数のボートが行き来する。入る場所を探すことさえ一苦労だ。

 自分の実家が千葉県ということもあってかつては私も随分と通った湖だが、ここ数年は混雑を嫌ってすっかり足が遠のいていた。 しかし11月にもなると時期的に人出が多少は減ってくる上に、魚がディープに移動する為釣り人もやや沖合いにまで散るようになるので、私としてはむしろハイシーズン以上に狙いやすくなる時期だ。

 自分がホームとする水郷エリアの釣りではシャローの釣りがメインとなることが多く、魚探を駆使してディープを釣る機会はあまりない。自分も昔はトーナメンターだったので魚探を頼りにディープの釣りも散々やってきたのだが、久しくやらない間に感覚が鈍っている気がしたため、今回は「魚探」「ディープ」「ライトリグ」の釣りの感覚を取り戻したく、久しぶりの亀山釣行を計画した。

 目的ははっきりしているのでタックルも厳選。ロッドも3本のみをボートに積んだ。


 当日の朝、松下ボートさんの桟橋で偶然、知人2名に会う。そこで耳にしたのは、DVD撮影に臨んだ某亀山エキスパートアングラーが2日連続ノーフィッシュを喰らったばかりという話だった。 時期的に容易でないことは予想していたが、ノーフィッシュで終わる可能性も充分にあり得るコンディションのようだ。


 朝のチャンスタイムはとりあえずフィーディングフィッシュの存在を探したが見付からず、すぐにディープの釣りにシフト。鳥居島沖から小島沖にかけて魚探をかけていくと、ベイトフィッシュは皆無のようだが時折水深7mほどの底ベッタリに魚の影が映る。ダウンショットリグのシューティングでルアーを入れていくが反応は得られなかった。ブレイクから付かず離れずの位置にボートポジションを取りながらブレイク上の5mラインを丹念に探っていってもやはり反応はない。

 でも当然かもしれない。亀山エキスパートがノーフィッシュで終わるような状況下において自分如きが丹念な釣りをしたところでたかが知れている。何か一工夫が必要だろう。


 それまでは水の色に馴染むカラーのワームを使っていたが、ワームの存在を際立たせる為にブラック(ゲーリーオケラ#020)に替えた。ワームの存在感が増せば、それに反応してくれる魚が居てもおかしくはないからだ。

 するとすぐに水深5mでヒット。小型ではあったがノーフィッシュの呪縛から開放された安心感と共に、ブラックのワームカラーに対する確信を持つことが出来た。

 さらに同じワームで小島沖のディープを丹念に探ると今度はノンキーパーサイズがヒット。これも水深5m。このサイズが喰ってくるということは水中はまだ冬ではない。事実、この日の水温はまだ17度もあった。

 その後は島周りの段々畑状のディープ、トキタ西岸、川俣大橋下といったエリアを丹念に探るがノーヒット。


 午後になってから押切沢出口から鳥居島東側にかけてのエリアに入る。このエリアは押切沢から続く深いリバーチャンネルが走っているのと、鳥居島周辺の地形変化が激しく、魚探の画面を見ているだけでも期待が膨らむエリアでもある。

 そして案の定、このエリアには魚が溜まっており4バイト3フィッシュを得た。偶然にもオダらしきものを発見し、それにスパイニーシャッド(ブラック/レッドフレーク)のダウンショットリグを軽く掛けた状態で細かく誘いを入れると連続してバイトが得られた。

 大型は混ざらず最大でも36cm程だったが、ライトタックルでディープから魚を上げてくる釣りもスリリングで非常に面白い。


 魚探を駆使して深場の好スポットを探しだし、そこに一撃必中のリグを撃ち込んでヒットに持ち込む。難易度は高く慣れが必要な釣りだが、それだけに狙い通りにヒットに持ち込めた際の満足感たるや格別なものがある。豪快な釣りももちろんいいが、こうした繊細でテクニカルな釣りも自分は大好きだ。


 今回のタックルは、自分の未熟な技量をカバーしてくれるソリッドティップロッド、ツアラーV-SpecのTVS-61UL/ST。ワームはゲーリーヤマモト・オケラとスパイニーシャッドを使用した。

 オケラはその小ささとゲーリーマテリアルによる圧倒的な喰いの良さが持ち味で、アングラー自身がバイトを感知しきれない状況下においても「勝手に釣れてしまう」ことが多々ある、まさに頼れる最終兵器といったところ。
 スパイニーシャッドはピンテールの微細な動きが持ち味で、これから水温が低下してくる時期にかけて自分が一番の信頼を置くワームでもある。但し、いずれもその小ささ故にアピール力は弱いので、いかに魚が居るスポットへ正確に撃ち込めるかが重要となる。



 私が釣行した際はまだ少し早かったのだが、間もなく紅葉が湖面を染める時期になる。紅葉目的に訪れるバスアングラーなんてあまりいないだろうが、そんな景色の中での釣りは気分が悪かろうはずがない。

 亀山ダムは初冬の時期でも魚を手にすることが出来るフィールド。これからの時期にテクニカルな釣りの腕を磨くにはうってつけだろう。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO NEOS
2000SH
FCスナイパー 3lb. スパイニーシャッド(ダウンショットリグ)
(タングステン1.5gシンカー、キールバランスフック#2)
オケラ(ダウンショットリグ)
(タングステン1.5gシンカー、グランインチフックラージ)



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