篠塚 亮
(2013 JB TOP50 No.6 スミスサポートプロ)



『JBジャパンスーパーバスクラシック優勝』


 11月16、17日に北浦水系で開催されたJBジャパンスーパーバスクラシックで優勝することができました!今回はその内容を報告します。

 その年の年間成績優秀者にのみ参加権利が与えられるクラシック。トップ50は年間ランキング10位以内が権利獲得条件だったが、私のランキングは13位。しかし上位陣に権利重複の選手がいたため繰り上げとなり、ギリギリで参加権利を獲得することができた。


 シーズン初めから今年のクラシックにはなんとしても出場したいと思っていた。ここ数年はクラシックの開催場所が毎年変わっており、今年の開催地は地元の北浦水系。私がTOP50シリーズにおいて最も多く上位入賞を果たし、自信を持っているフィールドだ。2年前の野尻湖で開催されたクラシックは自分のミスでビッグタイトルを逃し2位に終わって悔しい思いをしたが、その雪辱を晴らすのは今年しかないという気持ちでクラシック出場を目指してきた。

 プリプラクティスには7日を費やし、優勝することだけを考えて広い水域の中からエリア、スポット、釣り方を絞っていった。
 当初は2日間で4.5kg、4kgが優勝ラインと読んでいたが、思っていたよりもタフコンディションとなっていたため3.5kg、3kgぐらいで優勝に絡めるのではないかという状況だった。釣り方もビッグウェイトを望める釣りよりも確実性の高い釣りで着実にキーパーをキャッチしていった方が良いように思えた。

 具体的に絞り込んだエリアは山田ワンド、蔵川ワンド、下流の消波ブロック帯といった代表的な冬のエリアで、他エリアと比べて明らかにバスのストック量が多かった。定番エリアであるため当然他選手とバッティングする可能性も高いが、これらのエリアを釣りこんでいてバスが『食う』スポットを把握している自分は効率的に場所を回っていけるのでアドバンテージがあると思えた。


 大会初日。前の週よりも冷え込んでいたが自分の狙うエリアは冬に強い場所なので魚が集まってきているのではないかとポジティブに捉えることができた。

 この日はスタート順が比較的早かったため一番人気になるであろう山田ワンドに最初に行き、その後は帰着時間が15時と遅いため下流方面の気になるスポットを全て回るつもりでスタートした。
 山田ワンドに到着し、実績のある杭を狙う。しばらくノーバイトが続くが1時間ほどして立て続けに600g、900gをヘビーダウンショットでキャッチ。その後下流域へ移動し、牛堀の消波ブロック帯に入り1時間ほど釣るが反応を得られずに東関道下の消波ブロック帯に入る。

 プラクティスでは最も反応の良かったエリアで本来真っ先に向かう予定の場所だったのだが、前日の練習でノーバイトだったため3番手エリアに格下げされていた。しかし、今回は自分にとって冬場に最も実績の高いこの場所がダメだったら他に有望な場所はなく、優勝することは難しいと思えた。最後の頼みで移動してきたというのが正直なところだった。

 釣り方はもちろん得意のショートダウンショット穴撃ち。移動後40分ほどで3本目の800gをキャッチ。この1本がエリアと釣り方に大きな自信をもたらし、タイムアップまでこの場所で粘る決意をさせた。その後も1時間に1バイトを得て800g、300gをキャッチしリミットメイクに成功。

 初日は唯一のリミットメイクを果たし3416gをウェイイン。3位という優勝を狙えるポジションで2日目に臨むことになった。


 2日目、12時帰着という短い競技時間だったため魚の濃い東関道下からスタートした。

 開始後すぐに800gをキャッチ。早い時間に1本取れたことで落ち着いたのと同時に集中力もMAX状態を保って丁寧にキャスト&アクションを続けることができた。

 この後2時間キーパーを釣ることができなかったのだが、もしゼロの状態で2時間以上経過していたらこの場所を見切っていただろう。


 しばらく釣れない時間が続いたが9時半ごろに2本目となる700gをキャッチし、その20分後には自分にとって今大会最大となる1500gをキャッチすることに成功!

 消波ブロックの穴の中でフッキングし、重さがそれまでのバスとは別物だったのですぐに穴の真上に寄ってブロックにラインを擦られないように上手く引きずり出すことができた。

 正直このサイズが釣れるとは思っていなかったので、自分の中で強い流れを感じ『勝てるかもしれない!』という思いにラインを結ぶ手が震えるほど興奮した。しかしその後はノーバイト…。



 前日から何度も同じ場所へキャストを繰り返したためこのエリアも限界ではないかと考え移動を決意。最後に鰐エリアの消波ブロックに賭けることにした。

 ここでも同様に穴撃ちを開始し、30分ほどしたところで結果的に優勝を決定付けることになった4本目の1kgジャストをキャッチ。

 この後もリミットメイクを目指して頑張ったがタイムアップ。不安と期待で胸がいっぱいになりながら帰着に向かう。


 帰着を済ませ、オフィシャルによる魚のチェックを終えるとトレーラーウェイインの順番を告げられた…。自分の順番は最後。それは優勝の可能性が最も高い選手だということを意味する。

 たくさんのギャラリーに見守られる中1本ずつバスを取り出し、最後に1500gをライブウェルから取り出すと場内からどよめきが起こった。

 検量の結果、4本3965g。単日で3位という結果だった。


 今大会は2日間のトータルポイント制で競われ、自分の2日間のトータルポイントは56ポイント。2位の選手とポイントで並んだがウェイト差で上回り悲願のビッグタイトル、クラシックでの優勝を手にすることができた。

 もし今回釣ったバスを1本でもミスしていたら優勝を逃していた可能性が高かった。ノーミスだったがゆえに手にすることができた優勝だった。


 今回の決め手になったのは、バイトの少ないタフな状況において自分には絶対的に自信の持てるエリア、釣り方、タックルがあったからだと思う。メインエリアとなった東関道下は昔から誰よりも釣りこんだ場所。消波ブロックの穴撃ちも他の選手には負けない自信がある。

 そしてタックルに関しても信頼を寄せるベストなセッティングが自分の中で構築されており、2日間ノーミスで全てのバスをキャッチできたことがその証明になっているのではないだろうか。

 特に重要なロッドはツアラーSTC-68TXと、この68TXをベースに改良を進めているVスペック68Mを使用した。ブロックとラインが擦れた際に硬すぎず、クッション性のあるロッドの方がラインブレイクを防ぐのだが、このロッドはまさに消波ブロック穴撃ち用ロッドに最適な硬さ&テーパーを実現している。


 今年最後のプロトーナメントを地元でのクラシック優勝という最高の形で終えることができました。来年はトップ50シリーズでの2勝目(できれば地元で)を目指してこの冬からコツコツと練習に励みます。

 今年一年間応援ありがとうございました。


《 タックルデータ 》

ロッド スミス ツアラーSTC-68TX、プロトのVスペックTVC-68M
リール STEEZ 103HL SLPチューン
ライン サンライン シューター12ポンド
ルアー&リグ リトルレインズホッグ 7gスリムダウンショット

■ JBジャパンスーパーバスクラシック総合成績表(JB/NBC公式サイトNBCNEWS)



[ 戻る ]